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分子系統進化学

科目
分子系統進化学
区分
生物資源学科科目群
授業コード
5205170
開設セメスター
6S
曜日・時限
秋 木/12
単位数
2単位
担当者名
佐々木 哲彦
授業の概要
地球上には多種多様な生物が存在する.第1回から第4回までの授業で,現在の地球に生息する主な動物と,過去に存在していた動物を紹介する.第5回から第7回では,分子生物学の基礎を復習する.その後,進化論とDNAの進化を概説し,分子系統樹の作り方と解釈の仕方を説明する.また,授業の一回を割いて,卒業研究を実施するために必要なモル計算の練習を行う.
到達目標
地球上に暮す多様な動物を大まかに分類する.細胞内でDNAの塩基配列からタンパク質が作られるプロセスを具体的に述べる.生物の形態の進化と遺伝子の進化を比較する.分子系統樹を正しく解釈する.正しくモル計算を行う.
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
分子系統進化学とは 生命とは何か?生物学の主要分野を紹介し,その中での分子系統進化学の位置づけを説明生物が無生物と異なる点を説明する
第2回目
動物の紹介1 刺胞動物(クラゲの仲間),軟体動物,節足動物の特徴と,これらのグループに属する代表的な動物を紹介.地球上にいかに多様な動物たちが生息しているかを説明する
第3回目
動物の紹介2 棘皮動物(ウニの仲間),環形動物,脊椎動物等について説明棘皮動物が非常に不思議な生物であることを実感する.魚類から両生類への進化の概略を述べる
第4回目
古生物 地球誕生から現在までの生物進化の歴史を概説古生代,中生代,新生代の時代区分を理解し,それぞれの時代のイメージをつかむ
第5回目
タンパク質の構造と機能 タンパク質は20種類の個性豊かなアミノ酸から作られる.生命は基本的にはタンパク質が担う穏やかな化学反応によって維持される.生命誕生における水とアミノ酸の重要性を説明する.アミノ酸の構造を描く.
第6回目
DNAの複製,PCR,シークエンス 細胞内でのDNA複製のしくみを概説.また,DNA複製のしくみを応用した技術であるPCRやシークエンス法について説明DNAの構造と,遺伝子としての機能がどのように結びついているかを述べる.PCR法とシークエンス法の原理を具体的に述べる
第7回目
転写と翻訳 DNA上の遺伝情報は,RNAに転写されたあと,タンパク質に翻訳される転写と翻訳のしくみを理解.翻訳は少々複雑である.翻訳における3種類のRNAの働きを正しく説明する
第8回目
進化論の歴史ラマルクは生物進化を用不用の法則と獲得形質の遺伝で説明した.ダーウィンは突然変異と自然選択が進化のメカニズムであると説いたラマルクの進化論とダーウィンの進化論を対比しながら,生物進化の本質を説明する
第9回目
進化と種分化1つの生物種が何らかの生殖隔離によって2種の生物に別れることを種分化という種分化のメカニズムを理解し,種分化を通じて生物が多様化していくことを説明する.
第10回目
分子進化の中立説DNAの塩基配列には生物間で違いがみられる.これらの塩基置換の大部分は有利でも不利でもない中立な突然変異が偶然固定されたものである生物の形態や性質は自然選択によって進化する.一方,DNAに蓄積した変異の大部分は自然選択とは無関係であることを結論する
第11回目
分子進化速度DNAに塩基置換が蓄積するスピードを分子進化速度という.進化速度の特徴について,具体例に基づいて概説分子進化速度は,遺伝子ごとに大きく異なるが,特定の遺伝子に注目すると,生物種間でほぼ一定であることを説明する
第12回目
分子系統樹DNAには生物進化の歴史が刻まれている.DNAの塩基配列を解析するとこで,種分化の歴史を推定できることを説明するDNAの塩基配列に基づく進化の推定のほうが,形態に基づく推定より優れている点を挙げる
第13回目
分子系統樹作成法分子系統樹の作成法には,近隣結合法,最節約法,最尤法など,いくつかの違った計算方法があることを説明する分子系統樹の作成法を理解し,系統樹を正しく解釈する
第14回目
分子系統樹でみる生物進化クジラやイルカと近縁な陸生哺乳類は何か?トリは爬虫類と哺乳類のどちらに近縁か?人類の共通祖先はどこで誕生したのか?系統樹を解釈し,生物進化の歴史を推論する
第15回目
まとめ第14回までの復習この講義の重要なポイントを把握して理解する.

教科書
参考文献
成績評価方法
最終回に筆記試験
そのほか受講者への指示/メッセージ

更新日:02/17/2009
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