検索 検索トップページ トップページ担当別50音一覧 担当別50音一覧

植物分類学

科目
植物分類学
区分
生物環境システム学科科目群
授業コード
12100801215060
開設セメスター
1S
曜日・時限
春 木/12
単位数
2単位
担当者名
勝又 暢之
授業の概要
地球上には知られているだけでも約30万種の植物,動物などを含めると約150万種の生物が生存している.それぞれの生物がもつ外部的・内部的な「かたち」は多様であり,その世代交代や資源獲得のしかたなどの「いきざま」も様々である.しかし比較してみると,いくつかの生物の間には一定の共通性を見いだすことができる.この共通性をたよりに,生物の基本単位である種を仲間わけすることが分類学の概要である.本講義では,植物の「かたち」と「いきざま」を知ることを通じて,植物がどのような共通性に基づいて体系的に分類されているのか理解することを目的とする.とくに陸上植物については,それらの多様化が,進化の歴史の中でどのように成し遂げられてきたのか検討することを目的とする.さらに,植物の名前を調べるための基礎的な知識と技術を身につけることで,日常生活をとりかこむ身近な環境にも,様々な「かたち」と「いきざま」をもった植物が存在していることを認識することを目的とする.
到達目標
生物がどのような基準で「種」と認識され,それらがどのようなルールに基づき体系的に分類されているのか説明できる.植物の種や生活様式の多様性について,系統や進化,種分化といった生物の多様化に関わる概念に基づき説明できる.身近な植物を図鑑で同定し,対象植物についての知識を独力で得ることができる.
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
分類学とはなにか 分類学の基本概念と歴史,何の役に立つのかについて.種を識別し,分類することの意義を理解する.
第2回目
種とはなにか 「種」の概念,種分化をめぐる議論について.新しい種がうまれるメカニズムとして,最も妥当な説を検討する.
第3回目
植物と植物界 生物界の分類体系と植物界の位置づけについて.植物とはどのような生物群をさしているのか理解する.
第4回目
学名とはなにか 種の名付け方のきまりと分類階級について.学名を使用することの利点を理解する.
第5回目
コケ植物とはなにか コケ植物の形態とその生活について.コケ植物のからだが小さく,湿潤な場所で生活している理由を検討する.
第6回目
シダ植物とはなにか シダ植物の形態とその生活について.コケ植物との相違点を知り,それがシダ植物の生活にどのような変化を与えたのか検討する.
第7回目
裸子植物とはなにか 裸子植物の形態とその生活について.裸子植物が広大な陸域へと進出することができるようになった理由を検討する.
第8回目
被子植物とはなにか被子植物の形態とその生活について.被子植物が26万もの種に分化し、現在もっとも繁栄している分類群となった理由を検討する.
第9回目
植物同定の基礎同定作業に必要な植物形態用語と図鑑の使いかた.図鑑の検索表の使い方を知る.
第10回目
野外観察キャンパス内で植物の名前を調べる.図鑑の記載事項を実物で確認する.
第11回目
多様化のメカニズム(1)特異な生育環境で生活する植物について.植物の「かたち」や「いきざま」の変化を引き起こす環境要因を知る.
第12回目
多様化のメカニズム(2)昆虫とともに進化した植物について.共進化とはなにか,なぜ引き起こされるのか理解する.
第13回目
多様化のメカニズム(3)共生や寄生,あるいは食虫など変わった生活する植物について.生活に必要な資源を,ほかの植物や生物に頼ることの利点と欠点について検討する.
第14回目
生物多様性とはなにか生物が多様とはどんな状態をいうのか.生物多様性を保全する意義について.生物多様性の保全に,分類学はどのように貢献できるのか検討する.
第15回目
分子分類学とはなにか生物の遺伝情報を用いた新しい分類手法の紹介.講義の総まとめ.遺伝情報を分類に用いることの利点は何か理解する.

教科書
とくに指定しない.必要に応じて資料を配付する.
参考文献
清水建美.2001.図説植物用語辞典.八坂書房.
そのほかの文献は講義において適宜紹介する.
成績評価方法
期末試験50%,レポート20%(課題・期日は講義において指示する),小テスト20%,聴講姿勢10%
そのほか受講者への指示/メッセージ
第10回目の野外観察は天候により日程が変更となる可能性があります.観察には歩きやすい格好で参加のこと.

更新日:02/18/2009
検索トップページ担当別50音一覧