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植物生理学(2008年度以前入学生対象)

科目
植物生理学(2008年度以前入学生対象)
区分
生物資源学科科目群
授業コード
1205050
開設セメスター
3S
曜日・時限
春 水/56春 金/56
単位数
4単位
担当者名
田淵 俊人
授業の概要
われわれの周囲にはさまざまな植物が成育しており,動物は植物なしで生活することはできません.植物は種によって大きさ,形はさまざまですが,構造面,機能面で共通した特徴があります.そこで,農業の基本である植物生産について理解するために,その基礎となるための植物の構造と,生理的機能の基礎について詳述します.分子生物学的な立場からの形態形成と機能の話も加えます.講義では,実物を見て「植物を知る」ことも必要なので,実物学習にも積極的に力を入れます.その一方で,植物は環境の影響に適応して成育しています.最近の研究トピックスについても講義の中で随時盛り込みます.植物への理解と関心を高めてください.講義では,基礎的な内容と,応用面を分けて解説します.
到達目標
植物の構造や生理的機能を理解することで,植物が成育するメカニズムの基礎を学び,これらを用いて応用できる能力を養うことができるようになります.同時に植物の生理を通して,農業生産はもちろんのこと,地球環境問題,食文化,園芸文化,などに対しても深く学びます.
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
植物の構造と生理,機能(概論) 植物の基本的構造について(基礎編)植物の基本構造について理解します
第2回目
植物の構造と生理,機能(応用) 植物の基本的構造について(応用編)植物の基本構造について,理解した上で実際の植物を見ながら解説をします
第3回目
種子の構造 種子の構造についてー硬実種子,有胚乳種子,無胚乳種子の構造(基礎編)種子とは何か、理解します
第4回目
種子の構造(応用) 種子の構造について(応用編)種子に含まれる有用成分など種子の構造に関する応用練習をします
第5回目
種子の発芽(基礎) 種子発芽のメカニズムについて(基礎編)ー種子の発芽に必要な外的,内的要因について種子が発芽するメカニズムについて予習してください
第6回目
種子の発芽(応用) 種子発芽のメカニズムについて具体的な研究例を挙げて解説します(応用編)種子の発芽するメカニズムについて応用練習をします
第7回目
根の構造と役割(基礎) 根の構造,発育についてー根の基本構造,水分の吸収のメカニズムを解説します根の構造とその作用について理解してください
第8回目
根の構造と役割(応用)根の構造,発育について研究例を元にして解説します(応用編)根毛の仕組み,耐塩性の根など根の構造とその作用について応用練習をします
第9回目
葉の発生と構造(基礎)葉とは何か,構造について(基礎編)ー葉の外部形態と内部形態葉の構造について予習してください
第10回目
葉の発生と構造(応用)葉とは何か,構造について詳述します(応用編)ー葉の変態,腺毛より分泌される有用成分について葉とは何か,その構造とその作用について応用練習をします
第11回目
葉と光合成(基礎)光合成のメカニズム(基礎編)明反応と暗反応,デンプン合成など光合成とは何か予習してください
第12回目
葉と光合成(応用)光合成のメカニズムについてトピックスをあげて解説します(応用編)光合成の作用について応用練習をします
第13回目
花の各器官の構造(基礎)花の構造についてー花の各器官の基本的構造(単性花と両性花,がく片,花弁,雄蕊,雌蕊などの構造)花の構造について予習してください
第14回目
花の各器官の構造(応用)花の構造についての例を多くあげて解説します.野外学習も入れる可能性があります(応用編)花の複雑な構造について理解を深めます
第15回目
開花と受粉(基礎)受粉,受精,和合性のメカニズム,単為結果性,重複受精とは何か,予習してください

第16回目

開花と受粉(応用)花色などについて解説します(応用編)色素発現,花弁表面の細胞構造花色にはどのようなものがあるか,理解を深めます
第17回目
果実の構造(基礎)果実の発達と構造についてー真果と偽果,果実の構造について理解します
第18回目
果実の構造の複雑さ,起源植物の構造(果実の構造の複雑さや起源などを紹介しまうー応用編)果実の形成される仕組みの応用編です
第19回目
果実の成熟果実が熟すメカニズムー各種の植物ホルモンの作用,果肉の軟化,糖質転化の仕組み果実が熟すとは何か理解します
第20回目
果実の成熟(応用)果実の成熟生理,果実の成熟をつかさどる遺伝子,物質など解説しますー応用編果実の成熟についての応用(熟度の判定など)
第21回目
植物ホルモン1(概要)植物ホルモンの種類と作用(各種の植物ホルモンとその作用)植物ホルモンについて理解します
第22回目
植物ホルモンを使った応用編特に植物ホルモンの中でトピックス的なものを扱います植物ホルモンの利用法につき理解しておくようにして下さい
第23回目
植物ホルモン2応用編エチレンの作用について解説しますオーキシン,ジベレリンについて理解します
第24回目
植物の老化植物の老化のメカニズムとアポトーシス,ネクローシス,器官脱離,離層形成,萎凋のメカニズム植物の老化のメカニズムとアポトーシスについて理解します
第25回目
環境への応答ー不良環境抵抗性様々な環境への植物の適応について基礎を解説します環境応答について理解します
第26回目
不良環境抵抗性について塩や温度ストレスが成長に及ぼす影響とメカニズム(応用編)塩・温度ストレスの影響について理解します
第27回目
植物による環境汚染物質の除去(ファイトレメディエーション)環境汚染物質を植物により除去するメカニズムの基礎を解説します(ファイトレメディエーション)室内環境汚染物質につき理解します
第28回目
植物による室内環境汚染物質の除去(応用編)環境汚染物質を植物によって除去するメカニズムの応用編,代謝について解説します代謝経路につき理解してください
第29回目
室内園芸,室内での園芸作物と癒し(ヒーリング)室内における植物の心的癒し効果,水草園芸(アクアリウム),室内園芸作物とその効果の基礎室内園芸作物について理解しておいて下さい
第30回目
室内園芸,室内での園芸作物と癒し(応用編)植物と小動物とのコラボレーション(応用編)癒し効果について再度理解をしておいて下さい

教科書
園芸学(金浜耕基編 文永堂ー4月出版予定),野菜園芸学(金浜耕基編 文永堂),生活と園芸(玉川大学出版部)各自で購入してください
参考文献
花き園芸(今西英雄編 文永堂),果樹園芸(志村・池田他編 文永堂),植物の生長と発育(小西国義 著 養賢堂),植物科学キーノート(シュプリンガー・フェアラーク東京)その他に各テーマごとに紹介します
成績評価方法
授業態度20%(出席,講義中の態度,レポートや宿題を含む),試験80%
水曜日,金曜日,それぞれで出席(出席を12回以上要求)します.双方の講義に規定回数を出席してパスとなります.したがって,これらの回数のうち,一方の曜日の講義が不可である場合は,「植物生理学」の単位を取得できませんので注意してください
そのほか受講者への指示/メッセージ
講義は教科書と毎回配布するプリントを使って行います(書き込み式のプリント学習形式).水曜日の講義は基礎的な内容,金曜日は関連するような応用,研究紹介,トピックスなどが入ります.講義は質疑応答形式であるので質問を受けた場合には積極的に(間違ってもかまいませんー間違っても減点にはなりませんが,一生懸命に答えようとする努力があればプラスになることがあります)答える能力を身につけてください.1回の講義でほぼ全員が当ります.

全講義の内容を理解し,目的意識を深めることで,植物生理学の基礎と応用,農学(食料生産)への応用と意義,さらに地球環境問題などについても「植物を通して」幅広く学ぶ力をつけてください.質問は講義中、講義以外の時間でも歓迎します。

更新日:01/19/2009
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