授業計画 | テーマ | 内容 | 学習課題 |
第1回目 | 序論:昆虫学研究の現状 | 昆虫学の位置づけと,日本における昆虫学研究の体制,現状を概観する. | 農学、生物学の中での立場、関係研究施設、学会の構造を知る。なお、初回なので、授業中のルールを決める。教科書持参のこと。 |
第2回目 | 昆虫の起源と進化 | 進化と繁栄のバックグランドについてビデオを交えながら論じる. | 地球の歴史の中でいつごろ、どういう形で昆虫が現れ、進化してきたか。 |
第3回目 | 昆虫の構造上の特徴と機能(小試験対象) | 昆虫の体のつくり(外部および内部形態)の基本を講じる. | 構造の基本を理解し、重要部分の名称を覚える。次週の時間のはじめ15-20分をさいて小試験を行うので復習をしておく。 |
第4回目 | 系統と分類 | パワーポイントのイラストと実物の写真を併用しての基本的講義. | 主要な目の名称、特徴を知り、代表する種にはどんなものがあるかを言えるようにする。小試験に遅刻するとその分,点数にひびく。 |
第5回目 | 野外観察(雨天の場合延期) | もっとも特徴ある実物授業.キャンパス内の自然の中で,その時に居合わせた昆虫で講義. | 補虫網での捕獲係など数名のアシスタントを募集.事前に申し出てくれるとありがたい.当日は記入用紙にメモし、最後に提出。 |
第6回目 | 発育、変態とその制御 | 昆虫の大きな特徴であるキチン質の外骨格と,それにともなう脱皮,変態成長の特徴を知る. | 脱皮成長について知り、変態に関わる3種のホルモンの役割を言えるようにする。 時間中,講義の理解を助ける実物資料を廻す。 |
第7回目 | 栄養、寄主植物特異性と化学生態学 | 各作物には決まった害虫がつく.そのメカニズムを明らかにし,植物-昆虫間のせめぎ合いの実体を紹介. | 誘因や忌避などを起こさせる化学物質にはどんなものがあるか。どうして食べられる植物と食べられない植物があるのか。 |
第8回目 | 行動とその制御 | 昆虫の繁栄の一因に,その活発な行動力があげられる.その基本メカニズムを探る. | 配偶行動を例に、視覚、嗅覚、聴覚などをどのように使って昆虫が情報をやり取りしているかを知る。 |
第9回目 | リズム、光周性と季節適応 | 昆虫には顕著な日周期活動がみられ,また変温動物であるため,冬季は休眠するなどの季節適応がみられる.その基本メカニズムを講義する. | サーカディアンリズムの特徴について言えるようにする。休眠とはどんな状態か。昆虫は何を手掛かりに季節の到来を知るのか。 |
第10回目 | 個体群動態論 | いかに有名な害虫でも,その個体数が少ない時は害虫とはいえない.個体数変動の原理を探る. | この回までが,いわば基礎昆虫学の内容.昆虫の数は何できまるか。 |
第11回目 | 農業生態系の特徴と総合的害虫管理(小試験対象) | ここからの数回は応用昆虫学のエッセンスを講義する.まずは総合的害虫管理(IPM)の基本概念から. | IPMの基本的考え方を理解する。経済的被害許容水準、要防除密度について説明できるようにする。小試験の対象とする。 |
第12回目 | 防除手段方法論1(殺虫剤,フェロモン,抵抗性など) | 2回にわたり防除の方法論について概説する. | 防除法を挙げられるだけでなく、どういう場合にどのような手段が望ましいかを理解することが大切。 |
第13回目 | 防除手段方法論2(天敵,微生物の利用など) | 講義中に相談し,その結果によっては,望ましい防除の考え方などについて,いくつかの立場に分かれての論議を試みることにするかもしれない. | 同上。この辺の回で期末試験のやり方について説明. |
第14回目 | 昆虫資源、機能の利用 | 昆虫資源の有用利用について最新のトピックスを交えて紹介の予定. | 有用昆虫、昆虫の役に立つ面について具体的に言えるようにする。 |
第15回目 | 総括と質疑 | | |