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農薬化学

科目
農薬化学
区分
生命化学科科目群
授業コード
1225100
開設セメスター
5S
曜日・時限
春 水/12
単位数
2単位
担当者名
藤森 嶺
授業の概要
害虫、病害、雑草の防除など,作物保護について理解すると共に、農薬を科学的立場から概観し、毒とクスリの概念を身につける。また、環境保全型の微生物農薬や遺伝子組換え作物と農薬の関係についても知る。
到達目標
1.毒物とクスリの考え方を説明できるようになる。
2.安全とはどの様なものか、判断できるようになる。
3.害虫もヒトも有する神経伝達系を学び、何故、害虫だけが防除されるかを論述できる。
4.病害防除では薬剤ごとに異なる選択毒性の現れる理由を論述できる。
5.雑草防除機構を論述できるようになると共に、遺伝子組換え作物との関連も説明できる。
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
毒とクスリの考え方 この世に存在する物質で毒性の無いものは一つも無いし、閾値(一生涯摂取し続けても何ら影響の無い値)の無いものは無い。その中で、何が毒物で何がクスリであろうか。受講する前に、自分なりに「毒とクスリ」の違いを考える。
第2回目
毒性試験のいろいろ 毒性試験には急性毒性、慢性毒性、催奇性試験、発癌性試験などがある。ヒトや環境に対する影響を調べる各種試験を学ぶ。教科書で毒性試験に関する用語を確認する。
第3回目
農薬の安全性評価 農薬残留基準の決定受講前と後で「毒とクスリ」の考え方がどの様に変わったかをまとめてみる。
第4回目
害虫防除(1) ヒトや昆虫の神経伝達系を学ぶ。神経伝達の機構と殺虫剤の作用点の関係を考える。
第5回目
害虫防除(2) アセチルコリンエステラーゼ阻害とはどの様な作用なのか?有機リン系殺虫剤の「選択毒性」が現れる理由。前回学んだ「神経伝達機構」を基本に、薬剤の化学構造と活性との関係を理解する。
第6回目
害虫防除(3) カーバメート系、ニコチン系殺虫剤の化学と作用機構天然物の殺虫活性と殺虫剤の活性を比較し、薬剤開発のポイントを見出す。
第7回目
害虫防除(4) ピレスロイド系化合物は蚊取り線香の殺虫成分。
フェロモン
家庭で使用している殺虫剤の特性を理解する。
第8回目
病害防除(1)、小テスト植物は天然の殺菌成分を体内に蓄積し、自らを防衛している。植物の免疫機構を活性化するプロペナゾール。植物病理学的に病気にかかる仕組みを理解する。
第9回目
病害防除(2)細胞膜を攻撃する薬剤細胞膜の成分、機構を復習する
第10回目
病害防除(3)農業用抗生物質1・細胞壁生合成阻害、2・貯蔵糖分解酵素阻害、3.タンパク合成阻害など抗生物質は医薬だけではないことを学ぶ。
第11回目
雑草防除(1)除草剤の必要性。除草剤は機械化大規模農業には欠かせない。
オーキシン作用で除草する機構。
オーキシン作用を化学的に学び、作用機構を理解する。
第12回目
雑草防除(2)アミノ酸の生合成を阻害する除草剤バリンなどの分岐アミノ酸、フェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸、あるいは、グルタミンの生合成を阻害すると何故除草剤になるのか?阻害機構を学ぶと共に、何故この作用機構で選択毒性が現れるかを知る。
第13回目
雑草防除(3)光合成を標的にした除草剤植物の最も特徴的生理機構である光合成を標的にした薬剤光合成を阻害する形式も多々あることを理解する。
第14回目
遺伝子組換え作物と農薬現在生産されている遺伝子組換え作物は農薬と深く関係する。遺伝子組換え作物の生産状況を調べる。
第15回目
まとめと補足まとめと追加理解しにくかったところを教科書で復習すると共に質問する

教科書
農薬学 佐藤仁彦 朝倉書店        
参考文献
授業において紹介する
成績評価方法
出席20% 小テスト20% 期末試験60%
そのほか受講者への指示/メッセージ
農薬関係の報道に関心を持ち、科学的判断ができるように知識を確認する

更新日:01/19/2009
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