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国際開発論

科目
国際開発論
区分
生物環境システム学科科目群
授業コード
1215230
開設セメスター
5S
曜日・時限
春 木/12
単位数
2単位
担当者名
登丸 求己
授業の概要
Introduction to International Development 関連する問題の全体像を広く扱う国際開発の概論である。人類が長い歴史の中で地球という環境に適応しながら、その環境を人間の生存に都合よく作り変えていくこと、即ち開発によって発展を遂げてきたことは疑う余地がない。地球環境の破壊は、古代人が定着農業を開始したときから始まったといわれるが、近年人類文明の発展が環境破壊だけでなく、貧富の格差拡大や紛争など地球規模の問題を引き起こし、人類の生存を危うくしていることは明白である。地球規模の問題を検討しながら開発の功罪について考え、人類が生き残るために持続可能な開発と国際協力について考える。この授業は、(1)開発に関連する基礎用語と基本概念の習得、(2)開発の実践スキルの演習からなっている。
(この授業は、最初の20分間だけ英語による講義とする。)
到達目標
地球規模の問題について理解を深め、持続可能な開発と国際協力について自分の意見を明確に述べることが出来る。
授業を通じて、(1)国際開発に関する基礎知識・用語の習得、(2)社会科学的思考と論理的レポートの作成、(3)レポート作成、発表、討論を通じた自己表現の習熟
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
オリエンテーション(Course Orientation) 授業のねらいと進め方、国際開発論の枠組み社会科学的思考への転換
第2回目
人類の進化と文明 (Evolution of Mankind and Civilization) 人類の進化、自然界の掟と発展の要因、農業革命、都市革命、古代文明、産業革命、人口増加曲線、動物としての人間と自然界の掟について考える
第3回目
発展がもたらしたもの(What's "Development"?) 経済発展、南北問題、東西冷戦の終結と市場経済化、グローバル化、地球規模問題、幸福とは、豊かさの基準、人間開発指数(HDI)人間の幸せとは何かについて多面的に考える
第4回目
南北問題と開発 (The North-South Problem and Development) 経済格差の要因、植民地主義、市場経済制度と政府、市場の不完全性、貧困が引き起こす国際社会の問題、伝統的開発の理論、開発のテーマと取り組みの変遷市場経済と自由競争社会が抱える制度的矛盾について考える
第5回目
地球環境と持続可能な開発 (Environment and Sustainable Development) 環境保護か開発か?過開発と環境破壊、環境問題の社会科学的側面、ブルントラント委員会報告、リオの地球サミット、気候変動枠組み条約、生物多様性条約百年後千年後の人類が、現代と同様にこの地球で快適に生存するために、今我々がしなければならないことは何かについて考える
第6回目
飢餓と食料安全保障 (Hunger and Food Security) 貧困と飢餓、マルサスの人口論、世界の食糧生産と消費、市場経済制度における資源配分、食糧資源の特殊性、食糧安全保障の戦略、自由貿易と食料自給率、食糧支援と開発援助生きるための食糧と商品としての食糧の違いを考える
第7回目
貧困からの脱出 (Escape from Poverty) 金持ちになるためのシナリオ、経済成長のプロセス、産業構造、開発戦略と開発計画、開発援助と外部資金、技術協力と資金協力、開発のオーナーシップ貧しい人が金持ちになるための条件とプロセスを考えながら貧しい国はどうすれば豊かな国になれるのか考える
第8回目
貧困撲滅と国際社会の取組み (Challenge to Poverty Eradication)国際連合の理念、国連経済社会理事会、国連開発システム、国連開発計画、世界銀行グループ、国連専門機関、NGO国際社会の中心である国連が世界の貧困撲滅と開発にどのような取り組みをしどのような問題を抱えているのか考える
第9回目
地球規模問題と国際協力 (The Global Issues and International Cooperation)地球規模の問題、人類と地球、国連は世界政府か、国際協力の理念、政府も軍隊も警察もない地球という共同体において、いったい誰が平和を守り、地球環境を守り、飢えや病気に苦しむ貧しい国の人達を守るのかについて考える
第10回目
日本の政府開発援助(Official Development Assistance)日本のODAの理念と実績、ODAの構成、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、日本のNGO、開発援助の現状わが国の政府開発援助の取り組みとその問題について考える
第11回目
開発の取組:(1)開発計画 (Development Planning)市場経済制度と開発、政府の役割、開発戦略と政策手法、マクロ経済指標と統計、開発計画の策定、国家計画と地域計画、分野別計画とプロジェクト、開発の財政と外部資金貧しい国が、最短時間で最大の開発効果をあげるための開発手法を考える
第12回目
開発の取組:(2)実施管理 (Project-Cycle Management)開発計画と開発プロジェクト、計画の実施主体、計画実施のプロセス、プロジェクト・サイクル・マネージメント(PCM)、参加型開発プロジェクト開発計画の目標はプロジェクトによって達成されるが、プロジェクトはどのように計画・実行され、どのように計画目標を達成するのかについて検討する
第13回目
開発の取組:(3)PCM ワークショップ (PCM Workshop)PCM、開発プロジェクトの策定と実施、プロジェクト・モニタリングと評価ログ・フレイムという手法を通して企画書作成の要点を理解する、プレゼンテーションを通してより効果的で説得力のある主張方法を演習する
第14回目
開発の取組:(4)発表(Project Document Presentation)PCM、開発プロジェクトの策定と実施、プロジェクト・モニタリングと評価ログ・フレイムという手法を通して企画書作成の要点を理解する、プレゼンテーションを通してより効果的
第15回目
国際開発論のまとめ (Concluding Summary)

教科書
指定しない
参考文献
やさしい開発経済学、山形辰史、アジア経済研究所
国際連合の基礎知識、国連広報局広報センター、世界の動き社
援助の潮流が分かる本、国際協力機構国際協力研修所、国際協力出版会
成績評価方法
レポート、共同作業参加度、試験
そのほか受講者への指示/メッセージ

更新日:02/14/2009
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