授業計画 | テーマ | 内容 | 学習課題 |
第1回目 | イントロダクション
「文化とは何か?」 | 文化という概念がもつ意味について講義する。そもそも文化という言葉が意味する内容は社会や生活などとどのように異なっているのかを整理説明する。 | 指定教科書を十分理解できるよう、読み込んでほしい。その上で、授業を受けるにあたり、各講義ごと個別の指示を行う。
なお、関心ある文化について講義を希望する場合、ぜひ申し出てほしい。15回という制限はあるが、できる限り答えていきたいと考えている。 |
第2回目 | 文化理論
1 大衆文化論とフランクフルト学派 | 19~20世紀にかけて発達したメディア文化と、文化を輸出してきたアメリカの影響とその影に関して。
それらを理解するための大衆文化論と、フランクフルト学派、特にアドルノの文化産業論の意義を中心として講義する。 | 以下、第1回目と同じ |
第3回目 | 文化理論
2 構造主義と記号論 | 1960年代以降に着目された構造主義と記号論に関してとりあげる。
特にロラン・バルトとレヴィ・ストロースの社会に流通する神話の構造とその意味を理解する方法を中心として講義する。 | 同上 |
第4回目 | 文化理論
3 マルクス主義とイデオロギー | マルクス主義の政治経済学から文化の側面に注目したイデオロギー分析の方法に関して。
特にアルチュセールやグラムシにおける文化と経済の関係の理論を中心として講義する。 | 同上 |
第5回目 | 文化理論
4 カルチュラル・スタディーズ | 1980年代以降注目されたカルチュラルスタディーズに関して。
特にサブカルチャー論やスチュワート・ホールなどの文化の政治学におけるが概念などについて講義する。 | 同上 |
第6回目 | 文化理論
5 ポストモダニズムと文化社会学 | いわゆるポストモダニズムに関して。
文化と社会、高級文化と低俗文化、芸術とポピュラー文化という区分の消失など、現代における文化状況について講義する。 | 同上 |
第7回目 | 社会と文化
1 差別と排除 | 社会はマジョリティとマイノリティ、中心と周縁というように境界設定をおこなう。文化のその境界によって相違を持つことになる。
ここでは、エスニシティ、人種、ジェンダーという概念の理解を通じて、文化における階層性や異文化理解について講義する。 | 同上 |
第8回目 | 社会と文化
2 宗教あるいは宗教的なもの | 文化の理解に関して重要な概念として「聖なるもの」がある。
この概念の理解を通じて、現代社会における宗教のありかた、あるいは宗教以外の領域に見いだせる「宗教的なもの」がもつ脱魔術化と再魔術化について講義する。 | 同上 |
第9回目 | 社会と文化
3 構築される身体 | 人間が身体を持っているのは当たり前のことである。しかし、身体は社会的文化的に構築されている。
いくつかの身体論を紹介しながら、スポーツやファッション、あるいはメディア化における身体の諸相について講義する。 | 同上 |
第10回目 | 社会と文化
4 個人/家族の変容 | 家族のあり方は歴史や社会が異なれば異なっている。そして、個人のあり方も同様である。
ここでは社会学における親密性の概念について紹介し、現代における親密性の氾濫と進む個人化について講義する。 | 同上 |
第11回目 | オーディエンス/ファン論
1 オーディエンス論/オタク論 | メディア文化に関するオーディエンス論について紹介する。
そのうえで、最も現代的なオーディエンスであるオタクに関して、アイデンティティ論やコミュニケーション論を通して彼らの文化の意義について講義する。 | 同上 |
第12回目 | オーディエンス/ファン論
2 サポーター論 | メディア文化論におけるファン論について紹介する。
その上で、サッカーのサポターに関して、公共性論、暴力論、かるチュラル・スタディーズの立場から読み解き講義する。 | 同上 |
第13回目 | オーディエンス/ファン論
3 ポピュラー文化におけるファン論 | 第12回の講義を受けて、様々なファンに関して扱う。
浜崎あゆみファン、尾崎豊、ジャニーズファン、宝塚ファンなどなど、ファンとその対象との関係、ファン同士の関係、ファンの行為を読み解き講義する。 | 同上 |
第14回目 | オーディエンス/ファン論
4 プロレス/格闘技ファン論 | 第12回の講義を受けて、プロレス/格闘技ファンに関して扱う。
彼らファンは非ファンと何が違っているのか。何を読み解く能力を持っているのか。文化資本論という立場から講義を行う。 | 同上 |
第15回目 | まとめ/補講/あるいは試験 | 全講義のまとめを行う | 同上 |