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教育学基礎演習I 人間と社会

科目
教育学基礎演習I 人間と社会
区分
教育学科科目群
授業コード
1500097
開設セメスター
3S
曜日・時限
春 水/78
単位数
2単位
担当者名
今尾 佳生
授業の概要
教育を最も広義に、「人間の成長、発達、変化に関わるあらゆる働きかけ」と一先ず定義すれば、教育現象は時代や場所を問わず我々の実生活のありとあらゆる局面にまで顕在的・潜在的に浸透しているといわなければならない。人間の社会や文化は極めて多様・多元的であり、複雑な諸要素、諸要因が相互に綾なして我々の実生活が営まれているのである。教育もその例外ではない。従って、教育の問題についてごく一般的、抽象的にのみ語ってしまうことは、我々の実感から遊離した空理空論に陥る危険を免れないのである。本講においては、教育現象を人間集団との関わりにおいて社会科学的視点から考察し、自律的な研究の前提となる文章の読解・作成力、さらに調査の論理手続きといった基礎的リテラシーの涵養を目的とする。本年度は特に排除と逸脱の問題に焦点を当てる。この演習への参加者の生活経験の具体的なすがたに対して感性を研ぎ澄ますことを最も大切にしていきたいと考えている。
到達目標
社会科学分野における理論的/実証的研究の視点と文献の読解方法の修得を目指す。具体的には次の3箇条に焦点を当てる。
 1.社会科学的視点の特質の理解できる。
 2.排除と逸脱をめぐる社会科学的諸理論を具体的事例へ適用し、批判
   的に検証できる。
 3.社会科学的視点で書かれた文献が正しく読解できる。
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
社会科学研究の基礎 社会科学的思考法/概念の定義/現象と理論/関係論的視点の必要性/倫理主義・心理主義・生物学理論の陥穽/排除・差別の諸要因身の回りにおける排除・逸脱の事例をよく検討すること。
第2回目
社会科学的文献の読解1 社会科学的文献の特徴:データ/実証/仮説教科書の当該箇所を事前に呼んでおくこと
第3回目
逸脱者の発生1 アノミー論/緊張理論: 社会規範の変動による社会病理としての逸脱パーソナリティの形成事前配布プリントをよく読み、課題に答えて置くこと
第4回目
社会科学的文献の読解2: 統計データの読み方と批判 教科書の当該箇所を事前に呼んでおくこと
第5回目
逸脱者の発生2 ラベリング理論: 社会規範による逸脱の生成事前配布プリントをよく読み、課題に答えて置くこと
第6回目
社会科学的文献の読解3: 批判的読解 概念の定義と理論批判 教科書の当該箇所を事前に呼んでおくこと
第7回目
逸脱者の発生3 スティグマ理論: 象徴的傷痕と演技としての逸脱事前配布プリントをよく読み、課題に答えて置くこと
第8回目
社会科学的文献の読解4:インタヴューデータの解読 教科書の当該箇所を事前に呼んでおくこと
第9回目
共同体の形成因子としての排除・逸脱1第三項排除理論: 集団成立の要因としてのスケープゴート事前配布プリントをよく読み、課題に答えて置くこと
第10回目
社会科学的文献の読解5ドキュメント資料の解読教科書の当該箇所を事前に呼んでおくこと
第11回目
共同体の形成因子としての排除・逸脱2コントロール理論: 同調確保のメカニズム事前配布プリントをよく読み、課題に答えて置くこと
第12回目
社会科学的文献の読解6: 文献読解演習教科書の当該箇所を事前に呼んでおくこと
第13回目
共同体の形成因子としての排除・逸脱3文化の中心と周縁: 対極的価値併有者の供犠とヴァルネラビリティ事前配布プリントをよく読み、課題に答えて置くこと
第14回目
復習: 理解度の確認第1~13回の授業内容ノートをよく整理しておくこと
第15回目
まとめ:社会学的視点からみた排除と逸脱 復習/レポート提出ノート・教科書をよく復習しておくこと

教科書
『社会学研究法・リアリティの捉え方』/今田高俊編/有斐閣/2,200円
プリント
参考文献
『教育と社会変動 上・下』/J.カラベル他編/東京大学出版会/4,326円
『子ども文化の原像-文化人類学的視点から』/岩田慶治編著/日本放送出版協会/6,000円
『メゾッド/社会学-現代社会を測定する』/栗田宣義編/川島書店/2,200円
その他随時紹介する。
成績評価方法
1.理解度の確認 50% 社会科学的文献の読解方法と理論適用に関する理解度を確かめる。
2.レポート   50% 社会科学的視点の学習程度を測るためのレポート執筆を課す。
そのほか受講者への指示/メッセージ

更新日:01/18/2009
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