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民法

科目
民法
区分
国際経営学科科目群
授業コード
14004215400422
開設セメスター
3S4S
曜日・時限
春 月/34水/34秋 月/34水/34
単位数
4単位
担当者名
稲垣 明博
授業の概要
民法は一般人の原則法です。経営学を学ぶ者は、商法、会社法に目を向けがちです。会社法1条には会社の設立、組織、運営、管理を規定しています。それではその会社はどのように社会で行動しているのでしょうか。たとえば、売買契約を見ると会社法では524条から528条まで規定されています。それだけで済むのでしょうか。この5カ条は民法の例外を規定しているだけです。多くの原則はすべて民法が適用されるのです。民法を知らなければ会社は活動できません。また、会社とは関係のない一般生活の法律関係も民法に規定されています。民法は多くの法律の根本法であるのです。最近は経済的強者、弱者の対立のほか、法知識の有無の対立も起こっています。講義では1条から1044条までの民法とそれに関連する法律問題を扱います。できるだけ事例問題を元に考える講義となります。そのため、予習が必要となります。Bbで指示したことを「ある程度理解したことを前提」に講義を進めていきます。
到達目標
さまざまな問題が起こったとき、あなたはどうしますか。その解決法はたくさんあります。多くの法律上の道筋が考えられるのです。その中で、どれが今までの裁判所の考え方や学説の考え方などから、もっともだと思われる道筋を考えることです。これには今までの考え方や条文さらには制度趣旨から、自らの批判能力が問われます。これをもとにして、将来起こりえる問題に対処できる能力を養います。今まで「その通りだ!」と思っていたことが違う場合もあります。原点に戻って、みなさんの「硬い頭から柔軟な頭への改良」した思われることがこの講義の到達目標です。
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
法とは、法律とは、民法とは何か考えます 多くの法律との関係を学びますテキスト13-16を読むこと。公法と私法の違いと約束は破っていいのかを考えましょう。
第2回目
民法にも基本原則があります 信玄公旗掛松事件、歯医者の妻が妾になった事件。権利を濫用すると権利が失われることがあります。テキスト16-23を読むこと。権利の濫用とは何でしょうか。濫用の基準は何でしょうか。また、濫用した場合、どうなるのか考えて来てください。常盤御前とは何をした人か調べてください。
第3回目
ヒトの誕生 いのちが宿ることとは何でしょうか。子どもの権利条約。悪魔ちゃん事件。胎児の損害賠償事件、人工授精、代理母事件。父親は誰?嫡出推定テキスト24-31を読むこと。命が宿ることは人の誕生でしょうか。いつから人として認められるのでしょうか。親は勝手に子供の名前を付けることができるでしょうか。
第4回目
年齢によって人の能力は異なってきます 意思能力、責任能力、行為能力の違い、小学生、中学生、高校生、大学生、成人と段階をおって能力が異なりますテキスト31-37を読むこと。意思表示をする場合に意思能力を必要とするのかそれ以上の能力を必要とするのか。年齢で違うかどうか考えます。
第5回目
意思を表示する 勘違い、談合、錯角、詐欺、脅迫など真意と外部に現れた意思が異なる場合の効果を学びますテキスト46-51を読むこと。意思表示の構造では真意から表示意思そして表示行為で意思表示は完成します。もし、真意と表示上の意思表明の内容が異なる場合どうなるでしょうか。
第6回目
意思表示は自由ではありません 殺人依頼、不倫、高利貸し、人身売買などは認められません。公序良俗違反にはさまざまな形態があります。テキスト42-46を読むこと。意思表示は自由です。しかし、それには限界があります。その限界を考えましょう。
第7回目
契約は自由にできます あらかじめ決まっている契約にはどのように対処するのでしょうか。契約自由の原則と約款の問題。テキスト82-88。99-101を読むこと。ATMで振り込みをしましたが、確認の場面で「確認」ボタンを押してしまいました。しかし、振込人の名前が違っていました。修正できるでしょうか。
第8回目
人に依頼する自分ではできないことや専門知識を必要とする場合に代理人を選任できますテキスト51-56を読むこと。すべての法律行為を一人ではできません。その際に、代わって行ってもらう人と相手方の法律関係を考えます。
第9回目
契約は民法では13種類あります有名契約・無名契約、有償契約・無償契約、双務契約・片務契約の違いは何でしょうかテキスト89、82-119を読むこと。13種類を大まかに分類しましょう。
第10回目
物の売り買い売買契約で隠れた欠陥があった場合どうしますか。瑕疵担保責任と債務不履行責任テキスト90-99、68-74を読むこと。約束違反の場合にどのような責任が生じるか考えましょう。
第11回目
物を借りる場合には3種類あります有償でその物を返す、有償で借りたものと同価値の物を返す、無償でそのものを返すテキスト101-116を読むこと。4体型の貸し借りの権利義務関係とその担保を大まかに考えます。
第12回目
消費者金融からお金を借りた場合はどうなりますか利息制限法、出資法、貸金業法で利息が違いますテキスト101-116を読むこと。特に金銭消費貸借を考えます。ここで人的担保と物的担保を考えます。圧力団体も考えます。
第13回目
土地や建物を借りた場合はどのような保護が図られているでしょうか民法605条、建物保護法1条、借地法、借家法、借地借家法ではその保護はかなり違いますテキスト110-115を読むこと。物権と債権の力関係を考えます。地震売買とは何でしょう。民法605条は有益な条文かも考えます。
第14回目
契約には必ず三つ条件がなければなりません意思表示、目的、当事者のどれを欠いても無効です。これを原始的不能といいます。テキスト4章を読むこと。契約全体から契約の意味を考えます。申込の誘引から見ていきます。
第15回目
契約は成立したが履行されなかった場合には責任を負います債務不履行責任といい、損害賠償の問題が生じます前回と同じ4章を読むこと。成立した契約の応力を考えます。債務不履行責任を考えます。

第16回目

アクシデントの形(不法行為)桃中軒雲右衛門事件、大学湯事件、梅毒輸血事件、ルンバール脊髄注射ショック事件、新聞少年事件、光蔵うつぞ事件。庶務課課長株券私的発行事件、暴力団組長責任事件、応援団の下級生暴行事件テキスト5章を読むこと。今までは契約関係のある者どおしの問題を扱ってきました。ここからは契約関係のない者どおしの債権発生を考えます。不法行為責任の要件を考えます。
第17回目
特殊なアクシデント(不法行為)ブロック倒壊事件、ペット犬飛びつき事件、大阪国際空港事件、厚木基地騒音事件、吸殻ポイ捨て事件。失火した人の責任は免れることもある。卵豆腐事件テキスト5章を読むこと。709条以外の不法行為を扱います。
第18回目
アクシデントと契約の解決急騰した物はいくら払えばよいのか。風がふくと桶屋が儲かる話。時効とはどんな機能を持つのでしょうかテキスト5章を読むこと。損害の穴埋めが目的です。損害には何があるでしょうか。
第19回目
物権物権法定主義。物権が移る時いつでしょう。登記や引渡しはどのような効力があるのでしょうテキスト62-67まで読むこと。176条と177条、178条の関係を考えます。
第20回目
所有権は一番強い権利です使用・収益・処分。建物区分所有権。マンションの権利義務。建て替えはできるのでしょうか。テキスト93-96を読むこと。強い権利ですが、どのくらい強いか考えます。
第21回目
占有権も強い権利と推定されます無権利者からの権利の譲受で権利は生まれるでしょうか(即時取得)。不動産はどうでしょう。テキスト91-93を読むこと。占有権は本当に所有権などを持った人なのか考えます。
第22回目
用益物権と担保物権地役権とAir Rightは今後考えられます。担保物を相手に渡す質権と渡さない抵当権。テキスト103-109を読むこと。
第23回目
家族・家庭旧民法から明治民法そして現行民法と変わりましたテキスト143-147を読むこと。家族法の変遷を考えてきてください。家制度はどうして出てきたのでしょうか。
第24回目
結婚と婚姻。婚姻はどのような効力が生じるでしょうか制度としての婚姻。内縁はどうなりますか。キリスト教の影響を受けています。夫婦の財産関係はどうすればよいでしょう。147-156を読んでくること。婚姻の本質は何でしょうか。
第25回目
離婚は当事者だけの問題ではありません。ドメスティックバイオレンスは悲惨です婚姻の条件、6ヶ月待たないと再婚できません。踏んだり蹴ったり判決、有責配偶者からの離婚請求(有責主義と破綻主義)。36年の別居はどうでしょう。テキスト156-166を読むこと
第26回目
子ども①親権は権利であるし義務です。成年後見人や保佐人、補助人は保護する人です。166-181を読むこと。
第27回目
子ども②166-181を読むこと。
第28回目
相続の公平をしないと身内争いになります法定相続ではプラスの財産以外にマイナスの財産も一緒についてきます特別受益者や寄与者の再計算で公平を保ちます7章を読むこと。計算をします。
第29回目
遺言を書くに当たって最後の意思の尊重、でも死んでからでは書き直しはできません7章を読むこと。遺言の種類を考えます。
第30回目
遺言の問題後継ぎ遺贈について稲垣ホームページを読破してきてください。

教科書
稲垣明博著「民法概論」玉川大学出版部2400円+税。六法はポケット六法(有斐閣)など1800円程度のもので十分です。
参考文献
稲垣明博著「生活と法律 改訂版」泉文堂は民法を学ぶ基礎的なことが書かれています。これは図書館に置いてあります。パソコンは講義中でもかなり役に立ちます(推奨)。稲垣明博のホームページを参照のこと。http://www.tamagawa.ac.jp/business_administration/teachers/inagaki/
成績評価方法
上記の到達目標に達していれば、最高の評価となります。客観的評価は難しいものです。講義受講資格は予習をしていることです。A4の紙で後でまとめておけるようなノート類に書いてきてください。この方法は最初の講義でお話しします。あとでバインダーでまとめられます。この方法で「民法が分かった!」といえるような効果が期待できます。評価はこの予習課題ができているか(加算点40%)と講義中に行う何度か小テスト(60%)で評価します。これによってみなさんは民法をある程度理解できます。やや面倒ですがこれもみなさんのためなのです。
そのほか受講者への指示/メッセージ
受身ではなく自分から率先して講義に向かう姿勢で臨んでください。また、積極的に発言してください。とっぴょうしもない発言も歓迎します。参加する講義であり、自ら学ぶ講義にしていきます。遅刻および講義中の出入りはできません。携帯電話を使った場合は即履修を取り消します。電子辞書はかなり役に立ちます。第1回目に写真撮影をします。これは個人の名前と顔を一致させるためです。これは個人の名前と顔を一致させるためです.これは個人情報保護の見地から他の目的には使用しません。また学期終了後このデータは削除します。これらのことを確認して受講してください。稲垣明博のホームページを適時みてください。楽しく役に立つ講義を計画しています。講義室でお会いしましょう。
(このシラバスは平成21年2月現在に書いたものです)

更新日:02/12/2009
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