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文化人類学

科目
文化人類学
区分
国際言語文化学科科目群
授業コード
11100025110001
開設セメスター
3S4S
曜日・時限
春 月/56秋 月/56
単位数
2単位
担当者名
實川 真理子
授業の概要
「同化」・「啓蒙」、「植民地支配」など、言葉は色々あるが、人類学者は、「We」、すなわち西欧列強による「ヒトがヒトを搾取する営み」を手助けしてきたという、甚だ恥ずかしい歴史をもっている。その恥ずかしい歴史を反省しこれを教訓として、文化人類学は、ヒトが自分とちょっと違うヒトを、「違うけれど同じ」と、対等にしかし違いに尊敬を持って、付合っていく可能性を模索している。
 この授業では、反省も含めて文化人類学の過去2世紀の歩みを振返り、その歴史の上に現在の文化人類学がどのような学問となってきたのか、を考えながら、古典とよばれる研究やEthnographyを読んでいく。特に次の2点を念頭に置く:
 (ア) 文化の相対性、即ち、文化(cultures, 複数形)の違いは決して優劣や進化の程度を示すものではなく、個々がそのままに尊敬・尊重されるべき存在であるとする、文化相対主義
 (イ) 自らを取り巻く「文化環境」の自然化(Naturalization、自然であると思い込むこと)のプロセスを明らかにして、「われわれにとっての自明と思われる世界のあり方を括弧にくるんで、もう一度その正当性のメカニズム、秩序の成り立ちを考える」(田中雅一、1991:228)。異なる文化やその根底にある価値システムなどを知ることによって、「違うことも可能」だと成員が知ることから、「当たり前」「常識」を見直し、より生きやすい社会を目指すきっかけを提供する。
到達目標
文化人類学の学問としての成立と発展の歴史と、学問的アイデンティティの中心であるフィールドワーク(参与観察)を学ぶことから、上記概要にある「文化の相対性」と脱常識・常識見直しの方法を体得する
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
イントロダクション
春学期第1回は4月11日土曜日です。
講義の概要 
「見るもの」と「見られるもの」の出会い
Blackboardが使えるように、玉川大学のEmailアカウントを確認しておく
第2回目
文化人類学者の責任
フィールドワーク
文化人類学者のやってきたことを振り返る
自然化する力(Naturalizing Power)を見抜く
課題文献を読んでくる
第3回目
19世紀 1 「インディアン」とよばれた人々 1
アメリカ合衆国と原住民についての映画
映画をみるためのガイダンスシートを読んでくること
第4回目
19世紀 2 「インディアン」とよばれた人々 2課題文献を読んでくる。授業の最後に記入済みのガイダンスシート提出
第5回目
文化のサバイバルゲーム、同化と多文化共存 「同化」政策から「-アイデンティティ」へ:ネイティブ-アメリカンの過去と現在を事例として文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第6回目
19世紀 3 ビクトリア女王期:宗教から科学へ、適者生存の自由資本主義、進化論、列強の植民地進出・西部開拓
と日本の開国 →「文化進化論」
文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第7回目
20世紀 1 文化進化論批判 →文化伝播主義とフィールドワーク文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第8回目
20世紀 2構造機能主義 文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第9回目
20世紀 3機能主義
贈与と交換、互酬性と社会的紐帯
文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第10回目
20世紀 4構造主義:体系に占める位置と「禁止」文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第11回目
20世紀 5構造主義:二項対立
ジェンダーの非対称性
ミニ・フィールドワーク提出
文献を読んでくる
第12回目
20世紀 6「混沌を名付ける」聖書「創世記」を読んでくる
第13回目
20世紀 7構造主義、象徴人類学、解釈人類学:
タブーとアイデンティティ
文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第14回目
いま日本文化論文献(配布またはBlackboard)を読んでくる
第15回目
評価期末試験

教科書
Blackboardに必要な文献を適宜掲載、特に重要なものは授業中にプリントとして配布する。これは授業中に随時実施するクイズでテストされる。
参考文献
綾部 恒雄(編)よくわかる文化人類学 ミネルヴァ書房 2006年
綾部 恒雄(編)文化人類学20の理論 弘文堂 2006年
山下 晋司 (編)文化人類学キーワード 改訂版 (有斐閣双書) 2008年
波平 恵美子(編)文化人類学―カレッジ版 医学書院 2002年
成績評価方法
期末試験、宿題クイズ、フィールドワークの総合評価。
そのほか受講者への指示/メッセージ
履修人数によってシラバスを修正する可能性があることに留意して下さい
日常生活の中であなたが「自然化された」行動をとっていませんか?自分も含め身の回りで何が起こっているのか、五感をフルに使って観察しましょう。
連絡がある場合はBlackboardのアナウンスで行います。緊急の連絡がある場合は、履修生の玉川大学のEmailアカウント(***@lits.tamagawa.ac.jp)にメール送信しますので、定期的にチェックする習慣をつけておいて下さい。


更新日:02/19/2009
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