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比較文化事例研究A

科目
比較文化事例研究A
区分
比較文化学科科目群
授業コード
1120000
開設セメスター
5S
曜日・時限
春 月/12
単位数
2単位
担当者名
實川 真理子
授業の概要
比較文化について、導入科目・発展科目で概要を学んで、これから個人個人が自分のテーマを深めていく段階に至りました。比較文化研究に_社会科学_からアプローチする方法論を身につけるため、漠然とした興味・関心や日常的な疑問から「研究課題」を結晶化させ、それを実証していく方法を、履修生が各自で選んだ事例を通して学んでいきます。なお、できるだけ「日本」を客観的に検討するために、日本語以外で書かれた文献(主に英語)を使いたいと思います。
到達目標
日常の疑問を研究課題に結晶化させ、実証科学としてその課題を検証し、自らの結論を導く方法論を、個々の履修生が選んだ事例を通して学び、「Aha!」という体験を通して「リサーチは楽しい!」と思えるようになりましょう。
授業計画
テーマ
内容
学習課題
第1回目
4月11日土曜日です。授業運営課からの掲示に注意して下さい。
イントロダクション
比較の可能性-1「変」
「変数」variablesについて。目の前にある対象物を比較するのは、その対象物間に差異があるかないかを確認し、あればその差異について考えること。差異は定まったもの(定数)ではなく、変わるもの(変数)だから生まれます。何が「変」なら学問的に面白いのでしょうか。すべての回において、授業中に出される指示と課題、及びBlackboardの指示に従って復習・予習だけでなく、個人の課題を深めてくること。第1回目は、自分が1学期かけて研究するテーマを考えてきてください。
第2回目
比較の可能性-2「縁起」 縁起:「エンギでもない」と言いいますが、森羅万象は原因と結果の縁(えにし)によって起きているもの。目の前の事象を「結果」の変数として、それを縁って生起させる「原因」の何が「変」なのでしょうか。自分のテーマの何を「変」として研究するのが、まず複数個の可能性を考えて、そのうえで絞り込んできてください。
第3回目
先行研究の研究-1「誰が何を言った?」 自分の研究をするためには、まず先人たちはどんな用語と方法論を用いてどんな議論を行っていたのかを学びましょう。文献の検索方法を学びたいので、コンピュータ演習室に移動する可能性があります。掲示とBBに注意しておいてください。自分のテーマをキーワードに検索して、先行研究を調べてアブストラクト(要約)を読み、自分の追求したいテーマを研究しているのは「誰」なのか、研究者に親しみます。授業ではアブストラクトまでですが、その中で選んだ研究論文・書籍を次回までに1・2本読んで、クラスでディスカッションするためのレジュメ(要約)を用意してください。すぐに入手できない文献については第5回までに用意してください。
第4回目
先行研究の研究-2「この人はこう言った」 各自が自分のテーマにそって行ってきた文献検索の結果を、ディスカッションします。授業でディスカッションする文献のレジュメは授業の前日(日曜日)の正午までに、BBに掲載してクラスメートが授業前に読んでくることができるようにしてください。
第5回目
先行研究の研究-3「縁起」と「理論仮説」「操作仮説」 科学では「追試可能性」が問われます。同じデータを同じ方法で検証すれば、同じ結果がでなければならないということです。ではこの「同じ」であることを保証手段はなにか?それが「定義」であり、理論の操作化です。前日正午までにレジュメをBBに掲載し、かつ、クラスメートの提出したレジュメを読んできてください。
第6回目
先行研究の研究-4「この人は、こう言うために、こういう方法を使うのか!」 選んだ文献の著者が仮説を検証するために用いた「方法」を検討します。レジュメを提出する前に、必ず担当教員に確認してください。
第7回目
方法の研究-1 数量的把握 母集団と標本集団、社会調査法 第6回までで検討した先行研究から、数量的な方法を用いているものを取り上げて、その手法を追体験しながら、中高で学んだ統計学の基礎をおさらいします。
おそらくコンピュータ演習室に移動すると思うので、BBと掲示に注意しておいてください。
Excelを使えるようにしておいてください
第8回目
方法の研究-2 実験群・コントロール群 心理学的実験計画法文献から実験手法を用いているもの追体験します。まず実験の被験者としての立場を経験し、その体験を通してコントロール群と実験群との結果の「差異」を検証する方法を学びます。レジュメをBBに掲載したら、文献とクラスメートのレジュメをBBで読んでくる
第9回目
方法の研究-3 その他(インタビュー法、質的調査法)テーマによっては数量的方法が適切ではないものが多くあります。また、数量的方法の前提として、定義の適否を検討する段階で質的方法が不可欠です。レジュメをBBに掲載したら、文献とクラスメートのレジュメをBBで読んでくる
第10回目
研究計画-1先行研究にもとづき、研究する対象の用語を変数として定義し、諸変数間の関係を仮説として提起し、それを実証可能な形で操作化し、その仮説の検証方法を決め、どのようにしてデータを収集するかを考えるレジュメをBBに掲載したら、文献とクラスメートのレジュメをBBで読んでくる
第11回目
研究計画-2 人間を被験者とする研究についての覚書社会科学におけるデータ収集は、ほとんどの場合「人間」を被験者としての作業となる。果たして、自分の研究に貢献してくださる方たちに不利益な結果をもたらさないように収集・分析・発表をすることができるか。Human Subject Protocolに関する文献を読んでおく
第12回目
データ収集各自のデータ収集に時間をかけてください。個人指導個人指導の時間調整を行います。研究室前の面談表に記名することで予約してください。
第13回目
データ分析・仮説検証あらかじめ計画しておいた方法で、収集したデータを分析し、仮説の検証を行います個人指導の時間調整を行います。研究室前の面談表に記名することで予約してください。
第14回目
研究発表問題の所在から、先行研究の紹介、仮説の提起と検証方法の説明、データの紹介、検証結果と結論まで、一連の流れをコンパクトにまとめて発表する
第15回目
研究発表・論文提出問題の所在から、先行研究の紹介、仮説の提起と検証方法の説明、データの紹介、検証結果と結論まで、一連の流れをコンパクトにまとめて発表する最終論文のフォーマットをBBに掲載するので遵守してください。

教科書
教科書はとくに定めません。各自の研究テーマが決まった時点で先行研究を深く読み込むという作業をするので、履修生一人ひとりが個々の必読文献を自分で探すことになります。
参考文献
各自で春休み中に、小・中・高校でやっていた「数を扱うこと」を思い出しておいてください。総和・平均・分布・確率を出したり、グラフを描いたりがExcelでできるように、それに役にたつもので、自分が読みやすい文献を選んで練習しておいてください。まんがでわかる統計学とか出ていますし、中高の教科書でもかまいません。
成績評価方法
平常点・発表・提出論文の3要素から総合的に評価します。平常点については、毎回の授業時に、事前に指示された課題を実践して自分なりの回答の用意ができているか;クラスメートの研究から学び・共同して弱点を克服することで、ともに成長する姿勢を示しているか;他者からのコメントに誠実に耳を傾け、反論を通して自分と相手をともに成長させることができるか、などをを見ます。
そのほか受講者への指示/メッセージ
週の初め、月曜日の1・2限から発表とディスカッションは、身体と頭と心の目覚まし時計!くらいの気持ちで楽しくやりましょう。ただし、研究上のアドバイスとしての建設的批判と個人攻撃はまったく別モノであることを念頭においておいてください。個人攻撃はしませんが、建設的批判は教員もやりますがクラスメートからもどしどしやってもらい、互いに切磋琢磨することをめざします。課題文献・映像は適宜Blackboardに掲載します。毎日アクセスすることを習慣としてください。


更新日:02/19/2009
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