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植物分類学

科目
植物分類学
区分
生物環境システム学科科目群
授業コード
13316
開設セメスター
1S
曜日・時限
春 木/12
単位数
2単位
担当者名
有川 智己
授業の概要
地球上には現在140万種もの生物が知られているが、まだ知られていないものも含めると生物の種数は300万から3000万にも及ぶと言われている。この多様な生物の世界は、38億年の歳月をかけて作られてきた。長い歴史をもった多様な生物の世界を理解する基礎となるのが分類学である。多様な生物の個々の姿を調べ、理解し、名付けて体系化することは、生物学の基礎でもあるし、生物学全分野の成果を結集して行われることでもある。そのため、生物学は分類学に始まり分類学に終わる、とも言われる。この講義では、この多様な生物の世界について、植物を中心にその実態を紹介するとともに、この多様な生物の世界を研究する方法や実際について解説する。陸上植物については個々の植物群について紹介する。また、自然環境を理解する基礎として、身近な植物の名前の調べるための知識とテクニックについて解説するとともに、そのような知識がどのような意味をもつのかについて考える。
到達目標
(1) 系統や進化、種分化といった、生物の多様性に関する基本的な概念を、正しく身につける。(2) 多様な生物の世界の全体像や、植物や藻類といった個々の生物群について、具体的なイメージを身につける。(3) 学名や分類階級といった多様な生物の世界を理解するためのツールを、適切に使えるような基礎知識を見につける。(4) 植物の基本的な形態用語を理解し、図鑑や検索表を用いて身近な植物の同定がスムーズにできるようになる。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
分類学とは何か 分類学の基本概念や歴史。分けることの意味について。なぜクジラは魚でないか考えてくること
第2回目
学名とは何か 学名や分類階級などのしくみとルール(命名規約)について。分類階級について調べてくること。
第3回目
種とは何か さまざまな種概念、「種」をめぐる議論や種分化について。種分化を引き起こすメカニズムについて調べてくること。
第4回目
同定とは何か 図鑑や検索表の使い方、植物形態の基本用語などについて。植物図鑑に目を通してくること。使い慣れた図鑑があれば持参すること。
第5回目
植物観察 実際にキャンパス内で植物を観察します。歩きやすい服装・靴で参加すること。
第6回目
被子植物とは何か(1) 被子植物・単子葉類・双子葉類・クロンキストの体系について。図鑑で被子植物がどのように分けられているか調べてくること。
第7回目
被子植物とは何か(2) 花と昆虫の共進化について。個々の分類群の各論。風媒花と虫媒花の実例について調べておくこと。
第8回目
裸子植物とは何か裸子植物について。被子植物の起源や花の進化について。裸子植物の4つの群とはなにか、その関係はどうか調べてくること。
第9回目
シダ植物とは何か陸上植物の進化史について。無配生殖や雑種について。シダ植物の特徴について把握してくること。
第10回目
コケ植物とは何か蘚類・苔類・ツノゴケ類について。蘚類・苔類・ツノゴケ類とはなにか調べてくること。
第11回目
藻類とは何か多様な藻類の仲間について。細胞内共生について。植物とは。緑藻類・褐藻類・紅藻類とはなにか調べてくること。
第12回目
菌類とは何か菌類について。生物界全体の区分について。五界説など。粘菌とはなにか調べてくること。
第13回目
系統とは何か系統学、分岐学の考え方。系統樹。分子系統解析など。DNAの転写と翻訳について、突然変異について調べておくこと。
第14回目
生物多様性とは何か生物多様性とはどのような意味を持っているのか。まとめ。生物多様性条約とはなにか調べておくこと。
第15回目
期末試験期末試験

教科書
特に指定しない。必要に応じて資料を配付する。
参考文献
・バイオディバーシティ・シリーズ 1 生物の種多様性(岩槻邦男・馬渡峻輔(編)/裳華房)・バイオディバーシティ・シリーズ 2 植物の多様性と系統(加藤雅啓 (編)/裳華房) など。その他講義中に紹介する。
成績評価方法
レポート(課題・期日は講義において指示する)30%、平常点(聴講姿勢・講義へのコメントカードなど)20%、期末試験50%
そのほか受講者への指示/メッセージ
講義項目の順番や構成は変更することがあります。とくに、第5回目の「植物観察」は、講義の進度や天候などにより変更になることがありますのでご注意下さい。

更新日:01/12/2007
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