授業計画 | テーマ | 内容 | 授業を受けるにあたって |
第1回目 | 緒言、生理学の魅力:生体の構成物質 | 動物生理学の意義
生体を構成する物質や元素とそれらの意味 | 一連の動物生理学で勉強する内容・範囲について概観するとともに、脊椎動物に加えて昆虫にも目を向けることにより、比較生理学的な視点で生理機構の進化にも目を向けることを奨める。1回目の講義では、生体を構成する物質とそれらの意味について理解する。 |
第2回目 | 細胞の構造と機能 | 生体を構成する各種細胞の構造と機能、細胞の機能を支配する遺伝子の構造と発現 | 生命現象の基本である細胞の機能と遺伝子発現について理解する。 |
第3回目 | 血液と血液循環 | 血液や体液の循環や組成と基本的機能 | 体液と血液の組成と循環、それらの役割について理解する。 |
第4回目 | 呼吸 | 呼吸系の機能と調節 | 呼吸器系の構造と機能調節とがどの様な関係にあるか、その仕組みを理解する。 |
第5回目 | 消化と吸収 | 食物の消化と消化管での吸収の仕組み | 消化器系の構造と摂取した食物がどの様に消化され体内に吸収されるか、その仕組みを理解する。 |
第6回目 | 栄養と代謝 | 栄養素の種類およびそれらの代謝と利用 | 動物が生命を維持するために外部から取り入れた栄養源(エネルギー源)が、どの様な仕組み(代謝)で利用されるかを理解する。 |
第7回目 | 排泄 | 腎臓における尿の生成機能の調節 | 動物が一定の体内環境を保持するためには、体内で生産される代謝老廃物を排泄する必要があり、腎臓の機能を中心に排泄の仕組みを理解する。 |
第8回目 | 恒常性の維持 | 体温のエネルギー源と調節機構 | 体温はどの様に産生され調節されているか、その仕組みについて理解する。30~40分間の小試験を実施する。 |
第9回目 | 内分泌系と機能 | 視床下部ー脳下垂体系ー標的器官 | 視床下部ー脳下垂体系ー標的器官の構造と機能、それらのネットワークについて理解する。 |
第10回目 | ホルモンと作用 | ホルモンの種類とそれらの作用機序 | ホルモンの種類、構造、作用機序について理解する。 |
第11回目 | 生殖 | 生殖器官の構造と生殖現象 | 雌雄の生殖器官の特徴、性成熟、受精、着床、妊娠、分娩の過程を理解する。 |
第12回目 | 泌乳 | 泌乳と哺乳の生理 | 哺乳類の最も特徴的な生理機能である泌乳と哺乳について理解する。 |
第13回目 | 神経系と情報伝達 | 神経系による情報伝達の調節、神経系の分類、構造と役割 | 神経細胞の基本的な構造と情報伝達機能について理解する。 |
第14回目 | 中枢神経系と末梢神経系 | 中枢神経系と末梢神経系の機能とそれらの役割 | 中枢神経系と末梢神経系の役割とそれらの違いを理解する。 |
第15回目 | 感覚 | 各種感覚器官の種類と役割神経細胞の基本構造とその機能 | 体には様々な種類の感覚器官が存在するが、それらの役割について理解する。30~40分間の小試験を実施する。 |
第16回目
| 骨格と筋肉 | 骨格や筋肉の構造と機能 | 動物の体は多くの骨格や筋肉で支持されており、それらの構造と機能について理解する。 |
第17回目 | 生体防御と免疫 | 生体防御システムと免疫系 | 生体はどの様なシステムで外敵から守られているのか、また、体液性免疫系と細胞性免疫系について理解する。 |
第18回目 | 老化 | 老化と寿命のメカニズム | 動物はなぜ老化するのか、なぜ寿命があるのか、そのメカニズムについて理解する。30~40分間の小試験を実施する |
第19回目 | 昆虫の外骨格・体節システム | 外骨格、体節システムを採用した昆虫の特徴 | この回から講義担当者が変わり、昆虫を主たる対象とした内容となる。キチン質の外骨格による小さな体で繁栄を築いた昆虫の特徴を考察する。 |
第20回目 | 発生、発育と変態 | 形態形成と変態の制御 | 発生、発育、変態にともなう組織、器官のリモデリングについて理解する。この回以降毎回、前回の内容について小テストを行う。 |
第21回目 | 変温動物、休眠 | 適応メカニズムとしての変温と休眠 | 変温動物が四季の中で、適応していく休眠の特徴とその制御を知る。哺乳動物の冬眠についても考えたい。 |
第22回目 | 昆虫の一般生理機構 | 消化、吸収と排泄、呼吸、循環 | 昆虫の主な器官系の構造と機能の概要理解を目的とする。 |
第23回目 | 生体リズム | 概日リズムと概年リズム | サーカディアンリズムの性質と重要性について理解する。 |
第24回目 | 発育・変態の制御 | ホルモンによる制御とその研究法 | 世界をリードした日本の昆虫ホルモン研究の歴史を通じて,内分泌制御の概要を知る。 |
第25回目 | 行動生理学 | 動物行動の調節のしくみ | 動物行動のしくみについて、とくに遺伝子、ホルモン、経験の影響を学ぶ。 |
第26回目 | 情報の統合機構 | 脳における各種情報の統合と記憶 | 各種感覚情報の入力からどのようなプロセスを経て行動出力が決まるのかについて学ぶ。 |
第27回目 | 飛翔 | 飛ぶことのメカニズムと意義 | 昆虫に特異的ともいえる飛翔にスポットライトを当て、その調節機構や意味を知る。 |
第28回目 | 社会生理学 | 社会における情報伝達、分業構造 | ミツバチ社会を例に、群が一つの個体のように、一匹一匹の個体ではなし得ない機能を発揮するメカニズムを学ぶ。 |
第29回目 | 総合討論(予備) | | 復習と総合討論,質問をぜひ。 |
第30回目 | 試験 | | 60分間を予定(19回目以降の内容が範囲となる)。 |