授業の概要 | 本年度春学期は平安朝の文学、主として女性に仮託した体裁をとることで著名な紀貫之『土左(佐)日記』を対象とする。承平4年(934)12月に土佐・国府を出発し、同5年2月に京に到着する旅日記であり、和文の日記としては現存最古ともいわれる。作者の情報量は豊富であり、その開示方法である叙述も学ぶ点が多い。今日では中学・高等学校の教科書に広く採用され、教職を目指す者にとっても、日本の文化を理解するとともに、古典を自ら読み、考え、後世へ伝えていく目的を理解してもらいたい。このことは自ずと教育の意義をも考える機会となろう。 |