授業の概要 | パフォーミング・アーツ(上演芸術)の成立に不可欠な本質的要素とは、上演される内容、上演する人、それを鑑賞する人、そして上演する場所である。この授業では、その場所つまり劇場・ホールについて様々な角度から概観し、上演の場とは何か、またそれはどうあるべきかを考察する。このテーマはパフォーミング・アーツを学ぶものにとって恐らく関心の薄い問題かもしれない。事実、今日の日本の劇場・ホール事情を見てもそのことが問題となっている。劇場・ホールは確かに建築物ではあるが、単にうつわや箱といった入れ物ではなく、演者と観客とのコミュニケーションに直接関わるものである。その認識の上に立ち、古今東西の芸能とその空間の関係を取り上げ、なぜそうであったのか、またそうであるのかを考える。この問題に対して視野を広げ、関心を持ってもらいたい。 |