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農薬化学

科目
農薬化学
区分
生命化学科科目群
授業コード
13558
開設セメスター
5S
曜日・時限
春 月/34
単位数
2単位
担当者名
石山 忠之
授業の概要
農薬は人類の食糧確保のために不可欠な薬剤であるにもかかわらず、昨今、そのマイナス面だけが誇張されている感がある。本講義では害虫、病害、雑草防除など,作物保護について学ぶと共に、農薬を科学的立場から概観し、毒とクスリの概念を自らのものとしてほしい。
到達目標
本講義の到達目標は以下の5点を理解することである。
1・毒物とクスリの考え方を学ぶ。2・天然物が安全との一般常識を打破し、安全とはどの様なものか、自ら考えられる能力をつくりだす。3・害虫もヒトも有する神経伝達系を学び、何故、害虫だけが防除されるかを学ぶ。4・病害防除では薬剤ごとに異なる選択毒性の現れる理由を知る。5・雑草防除機構を知る。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
毒とクスリの考え方 この世に存在する物質で毒性の無いものは一つも無いし、閾値(一生涯摂取し続けても何ら影響の無い値)の無いものは無い。その中で、何が毒物で何がクスリであろうか。受講する前に、自分なりに「毒とクスリ」の違いを考えていてください・
第2回目
毒性試験の色々 毒性試験には急性毒性、慢性毒性、催奇性試験、発癌性試験などがある。ヒトや環境に対する影響を調べる各種試験を学ぶ。
第3回目
農薬の安全性評価 農薬残留基準の決定毒性試験に関する講義はここまでです。受講前と後で「毒とクスリ」の考え方がどの様に変わったかをまとめると良いでしょう。
第4回目
害虫防除(1) ヒトや昆虫の正常時での神経伝達系を学ぶ。神経伝達の機構は以下3回にわたる講義の基本となるものである。ここで学んだ内容はしっかりと復習すること。
第5回目
害虫防除(2) アセチルコリンエステラーゼ阻害とはどの様な作用なのか?有機リン系殺虫剤の「選択毒性」が現れる理由。前回学んだ「神経伝達機構」を基本に、薬剤の化学構造と活性との関係を理解してください。
第6回目
害虫防除(3) カーバメート系、ニコチン系殺虫剤の化学と作用機構
第7回目
害虫防除(4) ピレスロイド系化合物は蚊取り線香の殺虫成分。蚊取り線香を焚きながら、あるいは、洋服タンスの防虫剤を体に浴びながら、農薬に被爆していると思っていますか?神経伝達系の阻害剤を中心に話しました。これまでの講義をまとめてください。
第8回目
病害防除(1)植物はヒトや虫に食べられるために生きているのではない。植物の免疫機構植物は天然の殺菌成分を体内に蓄積し、自らを防衛している。植物の免疫機構を活性化するプロペナゾール。植物中に残存している農薬(あるいは殺菌成分)の99.99%は植物が生産した天然物
第9回目
病害防除(2)細胞膜を攻撃する薬剤
第10回目
病害防除(3)農業用抗生物質1・細胞壁生合成阻害、2・貯蔵糖分解酵素阻害、3.タンパク合成阻害など抗生物質は医薬だけではないことを学ぶ。
第11回目
病害防除(4)病原菌を殺さないのに病害を防除する薬剤病害防除は、それぞれのクスリごとに違った様々な作用機構で行われる。それらをまとめ復習すること。
第12回目
雑草防除(1)除草剤の必要性。
ホルモン型除草剤
除草剤は機械化大規模農業には欠かせない。
オーキシン作用で除草する機構。
オーキシン作用を化学的に学び、作用機構を理解する。
第13回目
雑草防除(2)アミノ酸の生合成を阻害する除草剤バリンなどの分岐アミノ酸、フェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸、あるいは、グルタミンの生合成を阻害すると何故除草剤になるのか?阻害機構を学ぶと共に、何故この作用機構で選択毒性が現れるかを知ること。
第14回目
雑草防除(3)光合成を標的にした除草剤植物の最も特徴的生理機構である光合成を標的にした薬剤光合成を阻害する形式も多々あることを理解する。
第15回目
期末試験

教科書
農薬学 佐藤仁彦 朝倉書店        
参考文献
成績評価方法
期末試験による
そのほか受講者への指示/メッセージ

更新日:01/15/2007
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