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情報と社会

科目
情報と社会
区分
eビジネスコース科目群
授業コード
1147751479
開設セメスター
3S4S
曜日・時限
春 金/34秋 金/78
単位数
2単位
担当者名
近藤 佐保子
授業の概要
情報社会の発展に伴って、われわれは好むと好まざるとに関わらず、そこに参画することを余儀なくされるようになった。しかし、コンピュータはあくまで道具であり、われわれはつねにそこに主体として関わっていかなければならない。
 本講は、情報の機能的側面についての考察を通して、今一度、人間の輪郭付けを行い、情報社会において取るべき行動の指針を明らかにすることを目的とする。
 本講は主として三つの部分に分かれる。
 はじめに、「インターネットコミュニケーション」1、2章を用いて、情報社会の文化的特性と、そこに参画していく上でわれわれが取るべき態度について考察する。
 次に、「インターネットコミュニケーション」3章を用いて、情報の機能的側面を社会制度や法制度との関わりの中で論じる。社会制度とりわけ法制度は、社会状況の変化にリアルタイムでは即応し得ない性格を内在的にもっているため、その対応には必ず時差が生じる。情報社会の生み出した新たな社会問題とそれを規制する制度に、われわれはどのように主体的に関わっていくべきかを考察する。
 最後に、参考文献「人間と情報」を用いて、人間の意識の問題を心理的側面から考察し、主体的意識の喪失を特徴とする情報社会において各人が取るべき行動の指針について検討する。
到達目標
情報社会における社会システムと、そこに参画する個人のあり方の検討を通じて、情報社会の特性を理解し、制度という機能的側面のみならず心理的側面からも、情報社会に主体的に関わっていく態度を養うことを目標とする。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
情報社会の文化的特性(1)
コミュニケーションとは何か
コミュニケーションとは何かを、いくつかのコミュニケーションモデルを提示しながら考え、「相互作用性」について理解する。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.1~P.7)を予め読んでおくこと。
第2回目
情報社会の文化的特性(2)
インターネットの役割
コミュニケーションツールとしてのインターネットの役割を理解し、電子メールコミュニケーションの特性を考える。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.7~P.28)を予め読んでおくこと。
第3回目
情報社会の文化的特性(3)
情報社会のコミュニケーションの特性
マスメディアと比較したインターネットの特性(双方向性・非同期性・脱大衆性など)を理解する。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.29~P.45)を予め読んでおくこと。
第4回目
情報社会の文化的特性(4)
情報社会への参画
情報過剰の中で、メディアの批判的理解やコミュニティへの積極的参加の必要性について検討する。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.45~P.54)を予め読んでおくこと。
第5回目
情報と社会システム(1)
情報社会における倫理と法
法理論上、法と道徳を峻別する観点から、情報社会における法と道徳は何であるかを考える。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.55~P.57)を予め読んでおくこと。
第6回目
情報と社会システム(2)
情報社会の問題と法規制のあり方
急発展した情報社会と社会制度との間にはギャップがあることを理解し、規制はどうあるべきかを考える。パワーポイントの教材の該当部分を指示するので、予めダウンロードして印刷し読んでおくこと。
第7回目
情報と社会システム(3)
具体的な問題の概観
情報社会の急速な発展がもたらした問題には、具体的にどのようなものがあるかを概観する。パワーポイントの教材の該当部分を指示するので、予めダウンロードして印刷し読んでおくこと。
第8回目
情報と社会システム(4)
情報社会と知的所有権
著作権法の趣旨を理解し、引用、不正コピー、ファイル交換ソフトなどをめぐる問題について考える。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.57~P.81)を予め読んでおくこと。
第9回目
情報と社会システム(5)
コンピュータ犯罪
不正アクセスと情報の不正入手、コンピュータウィルス、名誉毀損と表現の自由、猥褻情報などの問題を考える。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.82~P.122)を予め読んでおくこと。
第10回目
情報と社会システム(6)
情報公開と個人情報の保護
情報社会における個人情報の保護を考える。情報公開法、個人情報保護法のあり方に触れる。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.122~P.140)を予め読んでおくこと。
第11回目
情報と社会システム(7)
被害者や加害者にならないために
情報社会で実際に被害者や加害者にならないために必要な心構えとは何かを考える。パワーポイントの教材の該当部分を指示するので、予めダウンロードして印刷し読んでおくこと。
第12回目
情報と社会システム(8)
情報社会の展望とあり方
情報社会とはどのように発展し、われわれはそこにどのようにかかわっていくべきかを多文化主義の観点から考察する。教科書「インターネットコミュニケーション」の該当部分(P.140~P.146)を予め読んでおくこと。
第13回目
人間と情報のかかわり(1)
情報の量と意味/
情報の処理と意図
情報は数えられるのか?われわれはありのままを見ているのか?情報の量と意味、および情報の処理と意図について考える。参考文献「人間と情報」の該当部分(P.3~P.43)を予め読んでおくことが望ましい。
第14回目
人間と情報のかかわり(2)
情報の操作と合理化/
情報の発信と他者性
情報の誤解を積極的に利用する情報の操作と、情報の内容を都合の良いように解釈する情報の合理化について考察する。また情報の他者性についても理解する。参考文献「人間と情報」の該当部分(P.45~P.86)を予め読んでおくことが望ましい。
第15回目
人間と情報のかかわり(3)
情報の帰属と身体性/
情報の選択と信頼性
情報の身体への帰属と、ネットワークが身体感覚を拡張する可能性、ネットワーク社会における信頼の形成などについて考える。参考文献「人間と情報」の該当部分(P.87~P.126)を予め読んでおくことが望ましい。

教科書
和田悟・近藤佐保子「インターネットコミュニケーション」培風館
参考文献
石川幹人「人間と情報」培風館
夏井高人「ネットワーク社会の文化と法」日本評論社
岡村久道・近藤剛史「インターネットの法律実務」新日本法規
成績評価方法
期末レポートを含めた数回のレポート、Web上でのアンケートなどを総合的に評価する。
そのほか受講者への指示/メッセージ
情報と社会に関するインターネット上のサイトを提示し、題材として利用したい。コンピュータを操作できる技術は本科目履修のための必須条件ではないが、内容の理解のためには、自己学習などにより実際にコンピュータに触れて情報社会の感覚を養っておいて欲しい。

更新日:01/07/2007
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