授業計画 | テーマ | 内容 | 授業を受けるにあたって |
第1回目 | コース・ガイダンス
| テキストとして指定した本の取り扱い方、参考文献の紹介やノートのとりかたなどについて話をする。 | テキストに指定された本を持参すること。 |
第2回目 | なぜ、今、多文化社会論なのか? | 多文化社会という表現が使われるに至った理由を見つけるために、近年の世界の社会的・政治的・経済的状況を概観する見る。 | 配布するプリントを参考に予習をする。 |
第3回目 | 何をきっかけに多文化社会を意識するようになったのか? | 第二次世界大戦は、世界の人びとに多文化社会という観点で何を起こすきっかけになったのかを実験国家と評されるアメリカに見る。まずは1945年以降のアメリカ。 | 猿谷要『物語アメリカの歴史』、池田 智・松本利秋『早わかりアメリカ』などで第二次世界大戦以降のアメリカはもとよりアメリカという国についての歴史的知識をつけておいていただきたい。 |
第4回目 | 同上 | 経済学者John Kenneth Galbraithによって「豊かなる社会」(Affluent Society)とレッテルが貼られた1950年代のアメリカに多文化社会を意識するようになるきっかけとなるさまざまな事件が起こったが、それは一体何だったのかを知る。 | キーワードとして、レビット・タウン、ハイウェー法、郊外化、家電製品、テレビ、ディズニーランド、ブラウン裁判、モントゴメリー・バスボイコット、ビート世代、ロックンロール、エルヴィス・プレスリー、公民権運動(Civil Rights Movement)などをアメリカ史やその他、アメリカ文化史関係の本で、該当箇所を読む。 |
第5回目 | 新しい「文化」の誕生 | 1960年代は、50年代のビート世代の影響を受けた若者たちの台頭とブラウン裁判判決に自信を得たアフリカ系アメリカ人台頭の時代である。それまでの白人新教徒、つまりワスプ(WASP)至上主義、あるいはヨーロッパ中心主義を軸とする同化主義/政策に疑問が提示される。 | カウンターカルチャー、ヒッピー文化などについて調べておく。 |
第6回目 | 同上 | 公民権運動から派生する女性解放運動、ゲイ解放運動などを概観し、戦後社会に新しい意味での「多文化社会」が構築されていく様子を見る。 | アメリカン・インディアン運動、女性解放運動、ベティ・フリーダン、全米女性機構、などを調べてみる。簡単には『早わかりアメリカ』が参考になるが、それを元に大型の図書へ向かうことを薦める。 |
第7回目 | 同上 | 同上。 | 同上。 |
第8回目 | 同上 | 50年代及び60年代にかけての多文化社会が顕在化する様子をVideoを用いて検証する。 | ペイパーを提出してもらう予定ですので、Videoを観るときにはメモをとること。 |
第9回目 | 同上 | フェミニズム運動において大きな力となった雑誌『ミズ』を発行したGloria Steinem についてのVideoを観る予定。 | 同上。 |
第10回目 | 同上。 | Ethnic StudiesやEthnic Festival、あるいは小・中・口頭学校におけるEthnic Weekなどについて考察する。 | アメリカにおけるEthnic StudiesやEthnic Festivalなどについて調べておく。 |
第11回目 | 文化多元(多元文化)主義(Multiculturalism)への道 | 公民権運動やカウンターカルチャーを経て社会のリベラル化、平等化が進んだ。その結果、さまざまな意味での共存・共生という方向を探り出し始めた事実を概観する。 | 多文化主義について指定のテキストを読む。また『早わかりアメリカ』で1960年代にかかわる部分を読んでおくこと。 |
第12回目 | 文化多元主義 (1) | 文化多元主義とは? | 『多文化主義とは何か』を読む。 |
第13回目 | 文化多元主義 (2) | アファーマティヴ・アクション(Affirmative Action)によって文化多元主義は促進されたが、アファーマティヴ・アクションとは一体いかなる政策なのか、を見る。 | アファーマティヴ・アクションについて調べておく。ホーン・川嶋瑤子『女たちが変えるアメリカ』を読まれたい。 |
第14回目 | 文化多元主義(3) | 平和の多文化社会を構築していく上で、どうしても通らなければならない壁とは……また差別を越えるためにはどのような経験をしなければならないかをVideoで確認したい。 Blue Eye and Brown Eye. | ラウ裁判などについて調べておく。 |
第15回目 | 『分裂するアメリカ』(ヴィデオ)を見る | 多文化社会を平和に運営することの難しさを観る。 | シュレジンジャーの『分裂するアメリカ』、ハンティントンの『分断されるアメリカ』などを読まれたい。 |