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比較文化入門

科目
比較文化入門
区分
比較文化学科科目群
授業コード
22004220052200622007
開設セメスター
1S
曜日・時限
春 月/56春 水/34
単位数
4単位
担当者名
奥山 望、秋山 紀一、池田 智、藤田 裕二
授業の概要
 この科目は本学科の基幹科目として位置づけられ、比較文化研究の基礎を学ぶものである。「文化を比較する」ということについて、いくつかの具体的テーマを通して考える。衣食住やライフスタイルなど日常生活に密着したものから、学問・思想・芸術・宗教などの精神活動にいたる「人間の営み」のすべてが文化であり、世界のそれぞれの地域によって文化のあり様はさまざまである。そういった文化の異同を考えることを通して、自らの文化的背景や尺度を相対化し、比較文化の視点と方法論を獲得してもらいたい。 
 テーマ別に4名の教員が担当するオムニバス形式、週2回の授業である。
到達目標
各テーマに即した知識、および比較文化に関する基本的な考え方、方法論をを習得し、比較文化学科において学ぶための基礎を身につける。またディスカッションやレポート、プレゼンテーションを通じ、コミュニケーション能力、文章表現能力を高める。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
導入 この授業で何を学ぶか、参考文献の紹介などシラバスに目を通しておく
第2回目
"「ファッション」その1
自分にとってファッションとは何か"
ファッションと文化の関係を知るために、まず自分にとってファッションとはどのような意味を持つかを考えるテーマについて各自考えをまとめおく
第3回目
"「ファッション」その2
オートクチュール"
オートクチュールの出現と19世紀末の社会・文化との関連を考える前の授業で配布されたテキストを読んでオートクチュールの社会・文化的意義を400字以内にまとめる。またテキストを理解するにあたって分からない語句があれば調べておく。
第4回目
"「ファッション」その3
コルセットからの解放"
20世紀初頭のベル・エポックの時代とコルセットから解放されたファッション出現の関連を考える配布されたテキストを読んでコルセットの終焉がファッションの世界にとって何を意味したか、さらに20世紀初頭の社会・文化的変化とどのように対応していたかを400字以内にまとめておく。またテキストを理解するにあたって分からない語句があれば調べておく。
第5回目
"「ファッション」その4
戦争とファッション"
戦争と社会の変化及び戦時下のファッションにはどんな特徴があるかを考える配布されたテキストを読んで近代の戦争が社会をどう変えたか、そして戦時下の日本における国民服や標準服がどのような特徴を持っていたかを400字以内にまとめておく。またテキストを理解するにあたって分からない語句があれば調べておく。
第6回目
"「ファッション」その5
戦後アメリカファッションとプレタポルテ"
ファッション界におけるプレタポルテやファッションショーなどの意味を考え、クレア・マッカーデルのプレタポルテとアメリカ文化の関連について考察する配布されたテキストを読んでプレタポルテやファッションショーが経済・社会的に持つ意味、及びクレア・マッカーデルのプレタポルテとヨーロッパのプレタポルテの違いについてそれぞれ400字以内にまとめておく。またテキストを理解するにあたって分からない語句があれば調べておく。
第7回目
"「ファッション」その6
ミニスカートとストリートファッション"
ミニスカートの社会・文化的意味を考えるとともに、いわゆるストリートファッションの生まれた政治・社会的背景を探る配布されたテキストを読んでミニスカートが女性にとってどのような意味を持ったか、そしてストリートファッションの生まれた背景についてそれぞれ400字以内にまとめておく。 またテキストを理解するにあたって分からない語句があれば調べておく。
第8回目
"「ファッション」その7
日本のDCブランド、試験"
ファッションの歴史におけるDCブランドの持つ意義、及び社会や文化との関係について考える配布されたテキストを読んでファッション業界の歴史におけるDCブランドのもつ意義と、DCブランドの出現はどのような新しい社会・文化的な現象と関係しているかについて400字以内にまとめておく。またテキストを理解するにあたって分からない語句があれば調べておく。
第9回目
「食」その1食文化を題材に比較文化とは何かを考える
生命維持から食の文化へ
「食事」とは何かについて考えてくる
第10回目
「食」その2食文化比較 「食事」概念の違いについて
東洋と西洋の「食事」
グループごとに出された予習課題をやってくる
第11回目
「食」その3食文化比較 食文化の伝播と受容
東アジアの発酵調味料を中心として
グループごとに出された予習課題をやってくる
第12回目
「食」その4食文化比較 第一次分布圏と第二次分布圏
茶とコーヒーを題材として
グループごとに出された予習課題をやってくる
第13回目
「食」その5食文化比較 文化受容におけるフィルターの問題
中国の中華料理と日本の中華料理はどこが違うか
グループごとに出された予習課題をやってくる
第14回目
「食」その6食と健康 生命維持と健康増進
医食同源という考え方の根本にあるもの
グループごとに出された予習課題をやってくる
第15回目
第2部まとめ試験またはレポート

第16回目

「家族」その1 アメリカの家族―その歴史を振り返る:第一回目の授業ゆえ、参考図書などの紹介をまず行う。そのあと、アメリカの家族のあり方を歴史的に振り返る。その理由は、現代のアメリカの家族を正しく理解するためには、やはりその変遷を歴史的に考察する必要があると思われるからである。また、歴史の流れのなかで、どのような社会的要因が家族のあり方を変化させていくのかを考察する。アメリカにヨーロッパからの移民が始まって以降の歴史の流れ、また文化的な事件を猿谷 要著『物語アメリカの歴史』(中公新書)池田 智・松本利秋分担執筆『早わかりアメリカ』(日本実業出版社)などを読み、把握しておいていただきたい。
 アメリカはキリスト教国家としてその歴史を出発させた。そのキリスト教の変化、産業の発達、高等教育の普及などを調べ、知識として身につけておく。
第17回目
「家族」その2第一回目の授業の続き同上。
第18回目
「家族」その3第二回目の授業の続き。同上。
第19回目
「家族」その41950年代のアメリカの家族とは?第二次世界大戦後のアメリカは「豊かなる社会」(Affluent Society)と呼ばれた。そうした時代のなかで、どのような家族が理想的な家族とされたのだろうか?同上。
第20回目
「家族」その5新しい形態の家族「両親がいて子どもがいる」という伝統的な家族形態以外に現在どのような家族形態がありえるかを調べてくる。
第21回目
「家族」その6高齢化社会と家族アメリカの「サン・シティ(Sun City)」や養老院(Nursery Home)などについて調べてくる。
第22回目
第3部まとめ試験またはレポート
第23回目
「映像文化」その1映画の誕生。リュミエールとエジソン。無声映画からトーキーへ授業のコメントを書いてもらう
第24回目
「映像文化」その2映画の発展。戦後のヌーヴェル・ヴァーグとハリウッド映画。日本映画の活躍。授業のコメントを書いてもらう
第25回目
「映像文化」その3喜劇映画の系譜。チャプリンとキートン、フレンチ・コメディ、日本のコメディ。授業のコメントを書いてもらう
第26回目
「映像文化」その4アニメの比較。ディズニー映画と宮崎アニメ、フランス・ベルギーのアニメ。授業のコメントを書いてもらう
第27回目
「映像文化」その5コミック(漫画)文化の比較。日本の少年・少女漫画、アメリカの劇画、フランスの「アルバム」。授業のコメントを書いてもらう
第28回目
「映像文化」その6絵画論。西欧におけるジャポニズム、浮世絵と印象派。授業のコメントを書いてもらう
第29回目
第4部まとめ試験又はレポート
第30回目
総括

教科書
使用せず
参考文献
参考文献は第4図書室の「比較文化入門」コーナーに配架してあるので参照すること。

「衣」:深井晃子『パリ・コレクション-モードの生成・モードの費消』講談社現代新書
「食」:石毛直道『食の文化地理 舌のフィールドワーク』朝日選書
「家族」:岡田光世『アメリカの家族』岩波新書  福島瑞穂『結婚と家族――新しい関係に向けて』岩波新書
 その他の参考文献については授業時に指示する。
成績評価方法
各担当者ごとに、試験またはレポートを課し、その合計で評価をつける。
そのほか受講者への指示/メッセージ
毎回の課題をしっかりこなし、比較文化というものへの視点と方法を身につけてほしい。また、授業時にディスカッションやプレゼンテーションを課すこともあるので、積極的に参加すること。

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