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人間行動論

科目
人間行動論
区分
人間学科科目群
授業コード
60020
開設セメスター
4S
曜日・時限
秋 火/56
単位数
2単位
担当者名
河野 哲也
授業の概要
人間の行動の特徴はどこにあるのでしょうか?それは、ロボットや動物の行動とどう違うのでしょう。人間には心がある。それでは心とは何でしょう。心は身体や脳とどう関係しているのでしょうか?こうした心の科学の根本にかかわる問題について考察してゆきます。後半では、人間の心は、脳のなかにではなく、環境(外界)のなかに拡散して存在しているという生態学的心理学(エコロジカル・サイコロジー)の理論を紹介します。
到達目標
(1)人間の行動の根本にかかわる諸問題について考察し、心についての理論の最新の考えを学ぶこと。(2)自分で考え、自分の意見を表現できる力を身につけること。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
イントロダクション 講義の概要、講義法、評価などの説明
第2回目
人間の心とは何か、意識とは何か? 「心」とは何だろうか。心理学の出発点としてのデカルトとロックの心の定義。心身問題の発生。クオリアの問題。配布プリントを読んでおくこと。
第3回目
他人の心は存在するのだろう はたして自分以外の心は存在するのだろうか。他者問題とチューリングテスト。配布プリントを読んでおくこと。
第4回目
コンピュータと人間の心は同じか サールの「中国語の部屋」、ロボットは「場」や「空気」をわきまえることができるか(フレーム問題)配布プリントを読んでおくこと。
第5回目
表象主義と脳中心主義 近代の認識論と知覚論の特徴。デカルト・ロックの知覚論が、「個室の中に住んでいるような意識」の概念を作り出した。これが引き起こす多くの問題。テキスト『エコロジカルな心の哲学』の指定された箇所を読んでおくこと。以下同じ。
第6回目
生態学的知覚論(1):世界は外にある J.J.ギブソンの生態学的知覚論、世界は直接に知覚される。脳の中には世界は映し出されない。 〃
第7回目
生態学的知覚論(2):アフォーダンスとは何か アフォーダンスの理論、意味や価値は世界のなかに実在し、それを私たちは直接に知覚する。 〃
第8回目
生態学的時間論時間は存在するか、時間知覚と出来事の知覚、時間そのものなど存在しない、心理学の存在論的背景の問題点。 〃
第9回目
生態学的記憶論記憶は何種類あるのか、「頭の外にある記憶」、新しい記憶理論、文化を無視する心理学。 〃
第10回目
生態学的思考論思考はどこにあるのか、人間はどうやって思考しているのか、「計算は脳でするものではない。紙と鉛筆でするのだ」。道具なしにはほとんど考えられない。 〃 
第11回目
生態学的身体論ロボット工学と身体論、心の肉体性(材質、サイズ、形態)。 〃
第12回目
生態学的人間論他者問題は擬似問題である。心の理論と自閉症、対話と相互作用 〃
第13回目
生態学的自己論私とは誰か、主観とは何か、自己はいかなる存在か、自己は環境から切り離されて論じることはできない。 〃
第14回目
生態学的心理学と芸術生態学的心理学の芸術、建築、運動への応用。配布プリントを読んでおくこと。
第15回目
まとめと講評

教科書
河野哲也『エコロジカルな心の哲学』(勁草書房)
参考文献
柴田正良『ロボットの心』(講談社新書)、河野哲也『環境に拡がる心』(勁草書房)。これ以外は講義中に指摘します。
成績評価方法
期末試験(ないしレポート)60%、平常点(出席と提出物)40%
そのほか受講者への指示/メッセージ
「人間の心とはなにか」「人間の認識と行動の特徴とは何か」「人間とコンピュータはどう違うのか」など人間の心と行動に興味のあるひとに向いたクラスです。

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