授業計画 | テーマ | 内容 | 授業を受けるにあたって |
第1回目 | ガイダンス、イントロダクション
担当:目黒 | 授業について
言語系統樹、インド・ヨーロッパ語族について | ヨーロッパの地理、大まかな歴史を確認してくること。 |
第2回目 | ロマンス諸語
担当:目黒 | ラテン語、ロマンス語について | ラテン語の果たした役割を理解しよう。 |
第3回目 | 古期、中期フランス語
担当:目黒 | 16世紀までのフランス語 | ことばの変遷の過程で、ことばと文学、ことばと音楽の関係を考えてみよう。 |
第4回目 | 近代フランス語
担当:目黒 | フランス革命とフランス語 | フランス革命がフランス語に与えた影響について理解しよう。 |
第5回目 | 現代フランス語と近代日本におけるフランス語について
担当:目黒 | 植民地におけるフランス語教育について
近代日本の成立期にフランス語を始めとする外国語が与えた影響 | フランスの植民地にはどのような国があったか調べてくること。
日本語に入っているフランス語はどのようなものがあるか? |
第6回目 | ゲルマン語のあらまし
担当:宮澤 | ゲルマン語の分類
第1次子音推移,第2次子音推移
北ゲルマン語:Edda, Saga
東ゲルマン語:Wulfilaの聖書
西ゲルマン語:出土品,Otfried,Heliand
ゲルマン語の文字:ルーン文字,亀の甲文字
音声を聞きながらゲルマン語に親しむ。 | インド・ヨーロッパ語族について第1回目の授業より復習しておこう。ゲルマン語に含まれる言語とその発話される地域を下調べしておくとなお良いだろう。 |
第7回目 | 標準語への道程(1)
ドイツ語の場合
担当:宮澤 | 古期・中世ドイツ語時代には共通語があったのか?
古期ドイツ語を文書に残したのは誰?
ユダヤ人のドイツ語:イディッシュ語
ハンザ都市の公用語:ハンザドイツ語
ルターの聖書翻訳と国語教育
国語協会と外来語文法書と辞書の成立
作家による標準語の使用
Dudenと正書法,Siebsと発音辞典 | 中世までヨーロッパではラテン語がエリート階級の言語であり,大衆のことばは卑しい言語と見なされていたことを調べておこう。 |
第8回目 | 標準語への道程(2)
他のゲルマン語の場合
担当:宮澤 | ドイツ語以外のゲルマン語の標準語化への道程として,講義では以下のエピソードから複数の言語を取り上げる。
<北ゲルマン語と標準語化>
アイスランド語:国民的遺産の継承
デンマーク語:ドイツ語からの脱却
スウェーデン語:旧体制からの独立
ノルウェー語:国語への模索
<低地ドイツ語の標準語化>
オランダ語:ドイツ語からの独立
フリジア語:オランダ語からの独立
アフリカーンス語:クレオール語の誕生 | 政治と言語の接点こそが○○語を誕生させる原因になることを考えてみよう。 |
第9回目 | 方言と標準語のはざまで
担当:宮澤 | 少数言語のアイデンティティーと教育
低地ドイツ語:方言から地域語へ
再洗礼派の公用語:Pennsylvania Deitsh,Plautdietsch
講義では低地ドイツ語を中心に取り上げる予定である。 | 自分の存在の証と母語の関係を考えてみよう。母語が必ずしも標準語ではないことを自分の言語体験から考えてみよう。 |
第10回目 | 古英語以前のイングランドについて
担当:小倉 | イングランドの原住民は誰だったのかはわかっていないが、その後大陸からケルト人が海を渡り、さらにローマ帝国の軍隊が侵入し、そして撤退するのが5世紀初期である。ケルト語・ラテン語からの借入語について。 | テキストの「第1部古英語期」第1章を予め読んでくること |
第11回目 | 古英語
担当:小倉 | 古英語期の概略(歴史、文化、語形成、語順などの説明。Beowulfの作品の音読) | テキストの「第1部古英語期」第5章を読んでくること |
第12回目 | 中英語
担当:小倉 | 中英語期の概略。(歴史、文化、語形成、語順などの説明。Chaucerなどの作品の音読) | テキストの「第2部中英語期」第1,2章を読んでくること。 |
第13回目 | 近代英語、現代英語
担当:小倉 | 母音大変移について。Shakespeareとその後の英語について。綴りの固定、ジョンソンの『英語辞典』の出版。アメリカ英語、イギリス英語の違いについて。 | テキストの「第3部近代英語期」第1,2章を読んでくること。 |
第14回目 | 補講・講義予備日 | 補講については必要に応じて連絡する。 | |
第15回目 | 期末試験 | ロマンス語,ゲルマン語,英語それぞれの担当者が期末問題を作成する。問題は60分で終了するように考慮しているので安心されたし。 | |
教科書 | 英語部分のみテキストを使う。 ハイナー・ギルマイスター著(小野茂訳)『英語史の基礎知識』開文社出版(ロマンス語、ゲルマン語部分については、それぞれの担当者が作成した資料を配布する) |
参考文献 | 
<ロマンス語>
山田秀夫『フランス語史』駿河台出版社
島岡茂『フランス語の歴史』大学書林
家島光一郎ほか『現代フランス語のできるまで』白水社
森本英夫『フランス語の社会学―フランス語史への誘い』駿河台出版社
ドーザ『フランス語発達小史』駿河台出版社
セルキリーニ『フランス語の誕生』白水社
風間喜代三『印欧語の故郷を探る』岩波新書
ヘルマン『俗ラテン語』白水社
カンプルー『ロマン諸語』白水社
島岡茂『ロマンス語の話』大学書林
<ゲルマン語>
石川光庸『古ザクセン語 ヘーリアント』大学書林
ウォルシュ『北欧語入門』北海道大学図書刊行会
古賀允洋『中高ドイツ語』大学書林
小島公一郎『ドイツ語史』大学書林
児玉仁士『フリジア語文法』大学書林
下宮忠雄『世界の言語と国のハンドブック』大学書林
シルト『図説ドイツ語の歴史』大修館書店
シュミット『ドイツ語の歴史』朝日出版社
新保雅浩『古高ドイツ語 オトフリートの福音書』大学書林
高橋輝和『古期ドイツ語』大学書林
B.C.ドナルドソン『オランダ語誌』現代書館
藤代幸一他『中世低地ドイツ語』大学書林
Donaldson, B. C.: A Grammar of Afrikaans. Mouton de Gluyter, Berlin/New York 1993
Haag, E.: A Pennsylvania German Reader and Grammar. Pennsylvania 1994
Haldeman, S. S.: Pennsylvania Dutch. Evolution Publishing Bristol 2003
Lindow, W. et al.: Niederdeutsche Grammatik. Schuster, Leer 1998
Ponelis, F.: The development of Afrikaans. Peter Lang, Frankfurt/M 1993
Sanders, W.: Sachsensprache, Hansesprache, Plattdeutsch. Vandenhoeck, Goettingen 1982
<英語>
北村達三『英語を学ぶ人のための英語史』桐原書店
市河三喜『古英語・中英語初歩』研究社
ハイナー・ギルマイスター『英語史の基礎知識』(小野茂訳)開文社出版
ジェリー・ノールズ『文化史的にみた英語史』開文社出版
H・コツィオル『英語史入門』(小野茂、恭子訳)南雲堂
K・ブルンナー『英語発達史』(松浪有他訳)大修館書店
George Jack, Beowulf. Oxford UP, 1994. (A student edition)
Bruce Mitchell and Fred C. Robinson, A Guide to Old English. Blackwell
J.A. Burrow and Thorlac Turville-Petre, A Book of Middle English. Blackwell |
成績評価方法 | 試験+出席代わりの課題提出 |
そのほか受講者への指示/メッセージ |  |