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動物生理学

科目
動物生理学
区分
生物資源学科科目群
授業コード
53044
開設セメスター
4S
曜日・時限
秋 月/34秋 金/34
単位数
4単位
担当者名
東條 英昭、佐々木 正己
授業の概要
動物は正常な生体機能を維持するために、体を構成している様々な細胞や器官系を働かせています。また、それらはお互いに連携、調節、統合し、さらに高度な生命活動を営んでいます。本講義では、この様な動物の生命現象を理解するために、生理学の観点からわかりやすく講義します。第19回以降は、佐々木が担当し、比較の立場から昆虫を主たる対象とした内容とします。
到達目標
広く生命現象を理解する基礎として、動物の様々な組織や器官とそれらの生理的機能について基礎知識を得るとともに、地球上でもっとも繁栄しているともいえる昆虫について、そのメカニズムを知る。また、生理学が私たちの日常生活や農業とどの様に関わっているかを理解する。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
緒言、生理学の魅力 一連の動物生理学で勉強する内容・範囲について概観するとともに、脊椎動物に加えて昆虫にも目を向けることにより、比較生理学的な視点で生理機構の進化にも目を向けることを奨める。
第2回目
細胞の機能 各種細胞の特徴と機能生命現象の基本である細胞の機能と遺伝子発現について理解する。
第3回目
血液および循環系 血液や体液の循環や組成と基本的機能体液と血液の循環や組成とそれらの役割について理解する。
第4回目
呼吸 呼吸系の機能と調節呼吸器系の構造と機能調節とがどの様な関係にあるか、その仕組みを理解する。
第5回目
消化と吸収 食物の消化と消化管での吸収消化器系の構造と摂取した食物がどの様に消化され体内に吸収されるか、その仕組みを理解する。
第6回目
栄養と代謝 栄養素の種類およびそれらの代謝と利用動物が生命を維持するために外部から取り入れた栄養源(エネルギー源)が、どの様な仕組み(代謝)で利用されるかを理解する。
第7回目
排泄 腎臓における尿の生成機能の調節動物が一定の体内環境を保持するためには、体内で生産される代謝老廃物を排泄する必要があり、腎臓の機能を中心に排泄の仕組みを理解する。
第8回目
体温調節体温のエネルギー源と調節機構体温はどの様に産生され調節されているか、その仕組みについて理解する。30~40分間の小試験を実施する。
第9回目
内分泌系視床下部ー脳下垂体系ー標的器官視床下部ー脳下垂体系ー標的器官の構造とそれらのネットワークについて理解する。
第10回目
内分泌器官とその機能ホルモンの種類とそれらの作用機序ホルモンの種類、構造、作用機序について理解する。
第11回目
神経系I神経細胞の基本構造とその機能神経細胞の基本的な構造と情報伝達機能について理解する。
第12回目
神経系II中枢神経系と末梢神経系中枢神経系と末梢神経系の役割と違いを理解する。
第13回目
感覚各種感覚器官の種類と役割体には様々な種類の感覚器官が存在するが、それらの役割について理解する。30~40分間の小試験を実施する。
第14回目
骨格と筋肉骨格と筋肉の構造とそれらの機能動物の体は多くの骨格や筋肉で支持されており、それらの構造と機能について理解する。
第15回目
生殖生殖器官の構造と生殖現象雌雄の生殖器官の特徴、性成熟、受精、着床、妊娠、分娩の過程を理解する。

第16回目

泌乳泌乳と哺乳の生理哺乳類の最も特徴的な生理機能である泌乳と哺乳について理解する。
第17回目
免疫と病気生体防御システムと病気の原因生体はどの様なシステムで外敵から守られており、また、どの様な原因で病気になるかを理解する。
第18回目
老化老化と寿命のメカニズム動物はなぜ老化するのか、なぜ寿命があるのか、そのメカニズムについて理解する。30~40分間の小試験を実施する
第19回目
外骨格・体節システム外骨格、体節システムを採用した昆虫の特徴特徴キチン質の外骨格による小さな体で繁栄を築いた昆虫の特徴を考察する。
第20回目
発生、発育と変態 形態形成と変態の制御発生、発育、変態にともなう組織、器官のリモデリングについて理解する
第21回目
変温動物、休眠適応メカニズムとしての変温と休眠変温動物が四季の中で、適応していく休眠の特徴とその制御を知る
第22回目
昆虫の一般生理機構消化、吸収と排泄、呼吸、循環特徴的な器官系の発達を中心に理解する
第23回目
生体リズム概日リズムと概年リズムサーカディアンリズムの性質と重要性について理解する
第24回目
発育・変態の制御ホルモンによる制御とその研究法世界をリードした昆虫ホルモン研究の歴史を通じて学ぶ
第25回目
行動生理学動物行動の調節のしくみ動物行動のしくみについて、とくに遺伝子、ホルモン、経験の影響を学ぶ
第26回目
情報の統合機構脳における各種情報の統合と記憶各種入力情報に基づいて行動出力が決まるメカニズムんみついて学ぶ
第27回目
飛翔飛ぶことのメカニズムと意義昆虫に特異的ともいえる飛翔にスポットライトを当て、ちょうその調節機構や意味を知る
第28回目
社会生理学社会における情報伝達、分業構造ミツバチ社会を例に、群が一つの固体のように、固体ではなし得ない機能を発揮するメカニズムを学ぶ
第29回目
総合討論(予備)
第30回目
試験

教科書
教科書(新編生理学(仮題)/東條英昭著/アドスリー/9月発行予定)ならびに毎回配付する資料を基に講義する。
参考文献
やさしい生理学/岩瀬善彦、森本武利(編)/南江堂、獣医生理学 第2版(高橋 迪雄 監訳、文永堂)、昆虫生理・生化学/池庄司敏明ほか共著/朝倉書店
成績評価方法
80%が試験、小試験、出席その他が20%程度。
19回以降の内容について、60分間の期末試験を行う。
そのほか受講者への指示/メッセージ
動物生理学の講義を通じて、生命の神秘とその仕組みの素晴らしさに興味をもつことを期待しています。

更新日:01/14/2006
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