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光情報処理

科目
光情報処理
区分
知能情報システム学科科目群
授業コード
54770
開設セメスター
6S
曜日・時限
秋 火/34
単位数
2単位
担当者名
白﨑 博公
授業の概要
光学の歴史は古く、17から18世紀のホイヘンス、フレネルの理論がある。光情報処理は100年前のAbbeの顕微鏡結像理論にその起源を見出せる。1960年代になって、レーザやホログラフィが世の脚光を浴びてから、その重要性はますます大きくなっている。さらに、マイクロリソグラフィーの技術の進歩で、ナノメートルの寸法の光学素子が作れるようになってきた。その結果、光を波動として扱える新しい回路素子開発が活発になっている。波長多重通信用デバイスも、この技術である。ここでは、これらの開発を行うための、基礎的な原理を学習する。まず、光波の記述法と物理的意味を理解する。そして、反射・屈折、干渉・回折現象などの基本的性質を学ぶ。次に、光情報処理法について学ぶ。すなわち、光デバイス、光アナログ情報処理、新しい光デジタル情報処理などについて、それぞれの原理と最近の進歩、及び将来の展望について講義する。
到達目標
ナノテクノロジー技術やマイクロリソグラフィー技術の進歩によって、光学回路を取り扱える技術者が必要とされている。ここでは、光波信号処理デバイスを解析でき、さらに新しいデバイス開発が行える技術者になることを目標に講義を行う。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
光の基礎的性質 光の周波数と波長、光波と電波の違い、光波の表現、 マクスウェルの方程式、平面波光も電磁波の一種であること。波のフェーザ表示、オイラーの公式を思い出しておこう。
第2回目
偏光
ガウスビーム
偏光、一般媒質中の平面波、ガウスビーム、走査型レーザ顕微鏡、液晶ディスプレイ偏光サングラスは、どのような役目があるのか。
第3回目
反射と屈折 反射と屈折の境界条件、金属(完全導体)による反射、 誘電体の反射と屈折(スネルの法則)、全反射、薄膜コーティング水から空気に光が進むとき、全反射が起きます。スネルの法則を、思い出しておこう。
第4回目
レンズによる結像 球面の屈折による結像、薄いレンズによる結像、厚いレンズによる結像、像形成のための光線と倍率、球面反射鏡による結像、光線伝搬のマトリックス表示、光線の微分方程式、組合せレンズと非球面レンズ虫眼鏡の焦点や、レンズの公式を思い出しておきましょう。
第5回目
光の回折 回折現象とその表現、フレネル回折とフラウンホーファー回折、レンズによるフラウンホーファー回折の観測、方形開口と円形開口のフラウンホーファー回折、スリットによるフレネル回折、光エンコーダ、回折光学素子、近接場光学顕微鏡音楽CD面を見ると七色に見えるのは、回折現象です。開口面近傍と遠方では、回折現象が異なり、それぞれ名前が付いています。
第6回目
干渉 二光束干渉、干渉縞、干渉によるビート、空間の干渉縞と定在波、繰返し反射による干渉干渉縞はどのような時に生じるのか、無反射コーティングとは何か、考えておきましょう。
第7回目
干渉計 スペックル、コヒーレンス、代表的な干渉計、位相シフト干渉計、レーザ測長器、光ジャイロコヒーレント光とは、波長と位相が揃って干渉の起きる光を言います。レーザ光は、コヒーレント光です。
第8回目
ホログラフィー光波の記録と再生、インラインホログラフィー法、オフアクシスホログラフィー法、ホログラフィー干渉法立体的に見えるホログラフィーの原理を学びます。
第9回目
光導波路光を閉じこめて伝送する、光ファイバの基本構造と光の伝搬、光導波路におけるモード、光ファイバ通信、波長多重通信光ファイバを用いると、なぜ通信容量がふえて、通信速度も速くなるのでしょう。
第10回目
光ファイバ型センサファイバとの結合、ファイババンドルによる照明,画像の伝送、ファイバ型センサ、基板上の光導波路光ファイバは、センサにも利用されていることを、理解しましょう。
第11回目
フーリエ光学画像の周波数成分、光学系の伝達関数、伝達関数、コヒーレント伝達関数、インコヒーレント伝達関数、フィルタリングと光情報処理信号波形を、基本と高調波周波数のサイン・コサイン関数で分解するのがフーリエ変換です。電子・通信・情報・光工学で大事な概念です。
第12回目
レーザの基礎光増幅器と発振器、誘導放出、共振器、レーザ発振、発光ダイオード、半導体レーザレーザポインタと、懐中電灯(LEDや豆電球)の光の違いを考えておこう。
第13回目
光検出器フォトダイオード、光電子増倍管、CCDイメージセンサ、半導体位置検出センサと応用デジタルカメラは、CCDセンサで光(景色など)を取り込んでいることを思い出そう。
第14回目
マイクロ光学と光マイクロマシンフォトリソグラフィーと光マイクロマシン、シリコンのマイクロマシニングとミラーデバイス、表面マイクロマシニングと可変デバイスフォトリソグラフィー技術で、半導体集積回路の線幅は、数10nmになってきています。
第15回目
期末試験総合テスト試験勉強をしっかりやろう。

教科書
・羽根一博著、”光工学”、コロナ社
・最新技術資料は、プリントで配布する。
参考文献
吉村武晃著「光情報工学の基礎」コロナ社
成績評価方法
毎回出る宿題、レポート、中間試験、定期試験、と出席状況で総合的に評価。
そのほか受講者への指示/メッセージ
古典光学、光波動工学、信号処理技術を融合した科目である。電磁気学と電磁波工学を履修していることが望ましい。数学も得意な方が良い。毎回宿題が出る。最終レポートは、MSワードで書き、フロッピー等で提出してもらう。

更新日:01/14/2006
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