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教育学基礎演習I 人間と社会

科目
教育学基礎演習I 人間と社会
区分
教育学科科目群
授業コード
16062
開設セメスター
3S
曜日・時限
春 水/56
単位数
2単位
担当者名
今尾 佳生
授業の概要
教育を最も広義に、「人間の成長、発達、変化に関わるあらゆる働きかけ」と一先ず定義すれば、教育現象は時代や場所を問わず我々の実生活のありとあらゆる局面にまで顕在的・潜在的に浸透しているといわなければならない。人間の社会や文化は極めて多 様・多元的であり、複雑な諸要素、諸要因が相互に綾なして我々の実生活が営まれているのである。教育もその例外ではない。従って、教育の問題についてごく一般的、抽象的にのみ語ってしまうことは、我々の実感から遊離した空理空論に陥る危険を免れないのである。本講においては、教育現象を人間集団との関わりにおいて社会科学的視点から考察し、自律的な研究の前提となる文章の読解・作成力、さらに調査の論理手続きといった基礎的リテラシーの涵養を目的とする。本年度は特に排除と逸脱の問題に焦点を当てる。この演習への参加者の生活経験の具体的なすがたに対して感性を研ぎ澄ますことを最も大切にしていきたいと考えている。
到達目標
社会科学分野における文献の読解と小論文執筆に関する基礎理論の修得、及びそれらに臨む時に必要な態度の涵養を目指す。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
社会科学研究の基礎 社会科学的思考法/概念の定義/現象と理論/関係論的視点の必要性/倫理主義・心理主義・生物学理論の陥穽/排除・差別の諸要因身の回りにおける排除・逸脱の事例をよく検討すること。
第2回目
社会科学的文献の読解1 : 要旨を把握する 文献読解の意味と意義/文章の構成/形式段落の構造『非行のリアリティ』■-1章を事前に読んでおくこと
第3回目
逸脱者の発生1 アノミー論/緊張理論: 社会規範の変動による社会病理としての逸脱パーソナリティの形成『非行のリアリティ』■-3章を事前に読んでおくこと
第4回目
社会科学的文献の読解2: 要旨を把握する2 文献のスキミング法『非行のリアリティ』■-3章を事前に読んでおくこと
第5回目
逸脱者の発生2 ラベリング理論: 社会規範による逸脱の生成『非行のリアリティ』■-2章を事前に読んでおくこと
第6回目
社会科学的文献の読解: 批判的読解 実証性の検討と反証の提起/分析装置の妥当性の検証/シミュレーション『非行のリアリティ』■-2章を事前に読んでおくこと
第7回目
逸脱者の発生3 スティグマ理論: 象徴的傷痕と演技としての逸脱『非行のリアリティ』■-4章を事前に読んでおくこと
第8回目
社会科学的文献の読解: 文献読解演習1批判的読解演習『非行のリアリティ』■-3章を事前に読んでおくこと
第9回目
共同体の形成因子としての排除・逸脱1第三項排除理論: 集団成立の要因としてのスケープゴート事前配布プリントをよく読んでおくこと。
第10回目
社会科学的文献の読解: 文献読解演習2批判的読解演習事前配布プリントをよく読んでおくこと。
第11回目
共同体の形成因子としての排除・逸脱2コントロール理論: 同調確保のメカニズム事前配布プリントをよく読んでおくこと。
第12回目
文章作成法: 文章執筆演習1キーワードでつなぐ文章/連文の作成 事前配布プリントをよく読んでおくこと。
第13回目
共同体の形成因子としての排除・逸脱3文化の中心と周縁: 対極的価値併有者の供犠とヴァルネラビリティ事前配布プリントをよく読んでおくこと。
第14回目
文章作成法 : 文章執筆演習パラグラフの論理関係/ 語彙の選択事前配布プリントをよく読んでおくこと。
第15回目
文章作成法 : 文章の推敲悪文とは何か/書式とルール/文章批評/註記

教科書
『非行のリアリティ』/竹内洋・徳岡秀雄編/世界思想社/2,000円
『読み書きの技法』/小河原誠/筑摩書房/680円
参考文献
『教育と社会変動 上・下』/J.カラベル他編/東京大学出版会/4,326円
『子ども文化の原像-文化人類学的視点から』/岩田慶治編著/日本放送出版協会/6,000円
『メゾッド/社会学-現代社会を測定する』/栗田宣義編/川島書店/2,200円
その他随時紹介する。
成績評価方法
(1)テスト 1回 50%
☆文献の読解及び文章作法に関するテストを学期末に実施する。
(2)レポート 1通 50%
☆各自が選択した社会学的文献についての要約と批判的検討を含めたブック・レヴューを執筆してもらう。
そのほか受講者への指示/メッセージ

更新日:01/24/2005
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