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科学倫理学

科目
科学倫理学
区分
人間学科科目群
授業コード
60065
開設セメスター
6S
曜日・時限
秋 金/78
単位数
2単位
担当者名
河野 哲也
授業の概要
科学・技術はわたしたちの知らないうちに日常生活に深く浸透し、生命、医療、情報、環境などさまざまな分野でときに深刻な問題を引き起こしています。科学と技術はいかにすれば人間の幸福に貢献するものとなるか、科学・技術の倫理について考察します。本講義では、とくに環境問題、情報の問題、安全と医療・看護の問題に焦点を当てることにします。
到達目標
(1)科学とテクノロジーにかかわる倫理的問題、科学の民主的な制御の仕方について考察すること。(2)自分で考え、自分で意見を表現できる力を身につけること。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
イントロダクション 講義の概要、講義法、評価などの説明
第2回目
科学・技術の倫理的問題 科学・技術(テクノロジー)とは何か。科学とテクノロジーのどこが問題なのか?何が危ないのか?配布プリントを前もって読んでおいてください。
以下、各回の主要参考文献を示す。
第3回目
テクノロジーと環境問題 環境保護とは何か。環境の何を守るのか。ディープ・エコロジーとシャロー・エコロジーの違い。新しい自然観と価値観の出現。環境アセスメントについて。参考文献:ネス『ディープ・エコロジー』、ホフマン「ディープ・エコロジーとビジネスの倫理」、『思想』(技術の哲学)2001年7月号ほか
第4回目
チャレンジャーはなぜ爆発したか:工学倫理と組織の倫理 技術者による警告が会ったにもかかわらず、スペースシャトル・チャレンジャー号はなぜ爆発事故を起こしたのか。組織が引き起こすテクノロジーの問題。参考文献:『思想』(技術の哲学)2001年7月号参考文献:蔵田「スペースシャトルの爆発と技術者の倫理」、石原「科学技術のリスク評価とリスク認知」、新田孝彦他『科学技術倫理を学ぶ人のために』
第5回目
民主主義とテクノロジー(1):ウィナーの科学倫理 テクノロジー社会における市民のあり方、テクノロジーの被害に対して、市民はどう対処し抗議してゆけばよいか?参考文献:ウィナー『鯨と原子炉』、「テクノロジー社会における市民の徳」
第6回目
民主主義とテクノロジー(2):フィーンバーグの技術論 A.フィーンバーグの技術論:民主主義とテクノロジー、技術決定論とディストピア、ハイデガーと技術論参考文献:フィーンバーグ『技術』、『技術への問い』、直江清隆「技術の哲学と倫理」
第7回目
民主主義とテクノロジー(3):サイエンスショップとコンセンサス会議 A.フィーンバーグの技術論:技術の構成主義、民主的な合理化、コンセンサス会議と民主的なテクノロジー参考文献:小林伝司『誰が科学技術について考えるのか』、平川「サイエンスショップ」、若松「科学技術への市民参加」
第8回目
中間のまとめとディスカッション以上のテクノロジーの民主化についてまとめて、クラス・ディスカッションを行う。
第9回目
高度情報化社会の倫理情報化社会とは何か、メディアと社会の歴史的変遷、コミュニケーションと心のあり方、ヴィリリオの情報社会論、コンピュータ・エシックス、情報参考文献:フーコー『監獄の誕生』、ヴィリリオ『情報エネルギー化社会』『瞬間の君臨』
第10回目
心の科学の倫理知能テスト・性格テストと優生学、骨相学と血液型テストの嘘、新しい心理学史と理論心理学参考文献:グールド『人間の測りまちがい』、ダンジガー『心を名づけること』、村上亘寛『心理テストはうそでした:受けたみんなが馬鹿を見た』、バニアード『心理学への異議』、松田薫「血液型と性格」の社会史
第11回目
医療事故と安全学医療事故をいかにして防ぐか、安全学とは何か、医療と組織倫理、現代医療の問題、参考文献:山内圭子・山内隆久『医療事故』
第12回目
医と看護の倫理医療と看護(ケア)の倫理、ノーマライゼーションとユニヴァーサル・デザイン参考文献:フーコー『臨床医学の誕生』、イリッチ『脱病院社会』、メイヤロフ『ケアの本質』
第13回目
科学者の社会的責任(1)オッペンハイマーとマンハッタン計画:なぜ原爆開発を止められなかったのか。参考文献:森永茂『ロバート・オッペンハイマー』
第14回目
科学者の社会的責任(2)なぜ原爆が投下決定がなされたのか:オッペンハイマーとフランク報告、連合軍が最も恐れた男ハイゼンベルグ参考文献:内井惣七『科学の倫理学』
第15回目
まとめと講評

教科書
配布プリント
参考文献
基本的な参考文献は以下の2冊です。①ウィナー『鯨と原子炉』(紀伊国屋書店)、②フィーンバーグ『技術への問い』(法政大学出版)
成績評価方法
中間ミニ・レポート(30%)、期末レポート(50%)、平常点(20%)
そのほか受講者への指示/メッセージ
環境や情報、安全と医療・看護など科学とわたしたちの生活の接点について関心のあるひとに向いている講義です。科学についての特別の知識はまったく不要です。

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