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人間学特論

科目
人間学特論
区分
人間学科科目群
授業コード
60049
開設セメスター
4S
曜日・時限
秋 木/78
単位数
2単位
担当者名
河野 哲也
授業の概要
人間とは何か。人間の条件とは何か。本講義では、これらの問題を深く見つめた現代のもっとも優れた女性思想家であり、政治哲学者であるハンナ・アーレントの思想を扱います。アーレントは、ハイデガーとヤスパースに師事したユダヤ人女性で、ナチスの迫害を逃れてアメリカに亡命し、そこでナチズムを生み出した現代社会の病理とするどく抉り出すような著書を発表します。本講義では、彼女の『人間の条件』をテキストとしながら、現代社会における公共性と人間性の条件について、一緒に考察してゆきましょう。
到達目標
(1)アーレントの思想を通して、現代社会と現代人の問題点を明らかにし、より良い社会とは何か、どのように構築すればよいのかについて考えること。
(2)自分で考え、自分の意見を表現し、人と議論できる力を身につけること。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
イントロダクション 講義の概要、講義法、評価などの説明
第2回目
ハンナ・アーレントの思想 ハンナ・アーレントの生い立ちと経歴、時代状況、業績。中心的主張と主著の紹介。『人間の条件』の概説。以下に指定されたテキストの箇所を事前に読んで、要約しておくこと。
第3回目
人間の条件 活動的生活と人間の条件、政治的動物としての人間、ポリスと社会。テキスト第1章~2章6節
第4回目
公的領域と私的領域 公的領域と私的領域、社会的なものと私的なもの、人間的活動の場所。テキスト第2章6~10節
第5回目
労働(1) 肉体の労働と手の労働、世界の物的性格、労働と生命、労働と繁殖力テキスト第3章
第6回目
労働(2) 財産の私的性格と富、仕事の道具と労働の分業、消費者社会テキスト第3章
第7回目
仕事(1) 世界の耐久性、物化、手段性と労働する動物テキスト第4章
第8回目
仕事(2)工作人、交換市場、世界の永続性と芸術作品テキスト第4章
第9回目
活動(1)言論活動における行為者の暴露、関係の網の目と演じられる物語、人間事象のもろさテキスト第5章
第10回目
活動(2)ギリシャ人の解決、権力と出現の空間、工作人と出現の空間、労働運動テキスト第5章
第11回目
活動(3)活動の代替物としての製作、活動の過程的性格、不可逆性と許しの力、不可予言性と約束の力テキスト第5章
第12回目
活動的性格と近代(1)世界疎外、アルキメデスの点の発見、宇宙科学対自然科学、デカルト的懐疑の勃興テキスト第6章
第13回目
活動的性格と近代(2)内政と共通感覚の喪失、思考と近代的世界観、観照と活動の転倒、活動的生活内部の転倒と工作人の勝利テキスト第6章
第14回目
活動的性格と近代(3)工作人の敗北と幸福の原理、最高善としての生命、労働する動物の勝利テキスト第6章
第15回目
まとめと講評

教科書
H. Arendt 『人間の条件』 志水速雄訳、ちくま文芸文庫。
参考文献
講義中に指定します。
成績評価方法
平常点(ミニ・レポートなど提出物と出席率)40%、期末テスト60%
そのほか受講者への指示/メッセージ
現代の古典というべき名著ですので、しっかり読んで考えましょう。

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