授業計画 | テーマ | 内容 | 授業を受けるにあたって |
第1回目 | コース・ガイダンス
| テキストとして指定した本の取り扱い方、参考文献の紹介やノートのとりかたなどについて話をする。 | |
第2回目 | なぜ、今、多文化社会論なのか? | 多文化社会という表現が使われるに至った理由を見つけるために、近年の世界の社会的・政治的・経済的状況を概観する見る。 | 青木 保『多文化世界』27ページまでを読んでおく。 |
第3回目 | 何をきっかけに多文化社会を意識するようになったのか? | 第二次世界大戦は世界の人びとに、多文化社会という観点で何を起こすきっかけになったのかを実験国家と評されるアメリカに見る。まずは1945年以降のアメリカ。 | 猿谷要『物語アメリカの歴史』、池田 智・松本利秋『早わかりアメリカ』などで第二次世界大戦以降のアメリカはもとよりアメリカという国についての歴史的知識をつけておいていただきたい。 |
第4回目 | 同上 | 経済学者ガルブレイスによって「豊かなる社会」とアメリカの社会にレッテルが貼られた1950年代のアメリカに多文化社会を意識するようになるきっかけとなる事件がさまざまに生じるが、それは一体何だったのかを知る。 | キーワードとしてブラウン裁判、ビート世代、ロックンロール、エルヴィス・プレスリーなどを記憶に留め、書籍インデックスで該当部分を読む。 |
第5回目 | 新しい「文化」の誕生 | 1960年代は50年代のビート世代の影響を受けた若者たちの台頭とブラウン裁判判決に自信を得たアフリカ系アメリカ人台頭の時代である。それまでの白人新教徒、つまりワスプ(WASP)至上主義、あるいはヨーロッパ中心主義に疑問が提示される。 | 同上 |
第6回目 | 同上 | 公民権運動から派生する女性解放運動、ゲイ解放運動などを概観し、戦後社会に新しい意味での「多文化社会」が構築されていく様子を見る。 | 猿谷、池田、松本らの書籍、推薦図書一覧の中からの書籍で1960年代についての知識を固める。 |
第7回目 | 同上 | 50年代及び60年代にかけての多文化社会が顕在化する様子をVideoを用いて検証する。 | 50年代、60年代の主たる事件などを復習しておく。 |
第8回目 | 同上 | 50年代から60年代の社会の流れの変化から生み出される価値観を検証する。女性解放運動やグロリア・スタイネムらの活躍の様子をヴィデオに見る(予定)。多文化社会とは必ずしも異民族・異人種の共存によるものだけとは限らない。男性・女性、健常者・障害者、異性愛・同性愛の共存も多文化社会を構築する上で重要な要素となることを認識する。 | 同上 |
第9回目 | 同上 | Ethnic Studies、Ethnic Revival、Ethnic Festivalなどについて考察する。 | 青木 保『多文化世界』pp. 101-113を読み、文化相対主義について理解しておく。 |
第10回目 | アメリカにおける宗教の役割と多文化社会へのその意味 | 一見してアメリカ人として結びついた人々は結局真の意味での結びつきは、今はまだ無理、という現実に立ったとき、彼らは何を求めるのか? | 信仰復興運動について調べておく。また森孝一著『宗教から読む「アメリカ」』を読むとよい。 |
第11回目 | 宗教の役割 | さまざまな民族・人種によって構成されているアメリカ人を結びつけている力とは? | 青木 保『多文化世界』pp. 49-83を読んでおく。 |
第12回目 | 文化多元(多元文化)主義(Multiculturalism)への道 | 公民権運動やカウンターカルチャーを通して社会のリベラル化、平等化が進んだ。その結果、共生という方向を探り出した。 | 青木 保『多文化世界』pp. 30-48を読んでおくこと。
青木 保『文化の否定性』(中央公論社)を読まれたい。 |
第13回目 | アファーマティヴ・アクション | 文化多元(多元文化)主義を結果的に促進する一つの手段として、アメリカではaffirmative actionが施行されている。これを考察する。 | affirmative actionについて調べておく。 |
第14回目 | Mock Segregation の役割 | 平和な多文化社会を構築していく上で、どうしても通らなければならない壁とは……
Riceville, Iowa の小学校から始まった Blue Eye and Brown Eyeを見る。 | さまざまな意味での差別問題に関心を寄せる。 |
第15回目 | 『分裂するアメリカ』(ヴィデオ)を見る | 多文化社会を平和に運営することの難しさを見る | アーサー・シュレシンジャー・ジュニアの『分裂するアメリカ』を読んでいただきたい。 |