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欧米文化概説

科目
欧米文化概説
区分
国際言語文化学科科目群
授業コード
61117
開設セメスター
2S
曜日・時限
秋 木/34
単位数
2単位
担当者名
花 永明、秋山 紀一、池田 智、平高 典子、油谷 耕吉
授業の概要
古代ローマの最盛期はトラヤヌス帝の時代(紀元2世紀)で、その版図は現在の英国から地中海沿岸の全ての地域とアラビアにまで及んでいました。それは、軍事的・経済的・文化的な様々な側面にわたってです。そうした意味で、仮にその支配圏や影響力が広い範囲に及ぶ国を大国や強国と呼び、その国が君臨した時代を「○○の世紀」を呼ぶとすれば、それぞれ軍事的側面、経済的側面、文化的側面の何れかへの比重の違いはあるとしても、16~17世紀は「スペインの世紀」、18世紀は「フランスの世紀」、19世紀は「イギリスの世紀」、20世紀は「アメリカの世紀」と言えるでしょう。(20世紀前半の一時期は、ドイツが軍事的にヨーロッパを席巻しました)。すなわちこれら五つの国々は、それぞれが過去の歴史の中で一定の役割と独自性を発揮しながら、全体として現在に繋がる「欧米文化圏」を形成してきたのです。
ではそこに見られる共通項とは何でしょうか。それは何れも「キリスト教文化圏」であること、そしてそれぞれが世界の歴史における「近代市民国家」成立の先駆けとなったことです。しかし、その在り方は一様ではありません。例えば宗教について見ると、フランスは「ローマの長女」を自任してカトリック(旧)教徒を主体とし、ドイツは新教(プロテスタント)発祥の地となり、英国はアングリカン・チャーチ(英国国教会)として新・旧何れでもない道を選び、スペインはイスラム教の影響下からレコンキスタ(国土回復運動)を成し遂げることでカトリックの牙城となり、アメリカはヨーロッパを捨てた清教徒達の国造りよって「旧大陸」に対する「新大陸」となりました。
つまり「欧米文化圏」は、そのどの地域を取っても、共通性と独自性の双方を併せ持っていると言えます。五人の担当者によるオムニバス形式の授業により、そのような全体的な繋がりと個々の特色とが重層的に理解されることを期待しています。
到達目標
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
授業全体の紹介
英国文化-第一回:議会政治(花)
英国の文化を議会政治抜きでは語ることができない。誰が議会を作ったか、議会政治が何を作ったか。議会と政治はどのような関係にあったか。法とは何か。(共通事項を除き)各担当者の指示に従うこと
第2回目
英国文化-第二回:甲斐閣と保守(花) 英国は特徴ある学校制度を持つ。また大学の歴史は非常に古い。現在まで伝わるパブリックスクール、伝統的な大学。誰が学校を作ったか、学校はどんな国民を作ったか。学問と英国民はどんな関係を持ったか。同上
第3回目
英国文化-第三回:改革と保守(花) 英国民は改革と保守を繰り返してきた国民である。宗教、政治、文学、風俗、戦争、ありとあらゆるところに英国民のそのような性格があらわれている。いろいろな例をあげながら、英国文化の概観をまとめてみる。同上
第4回目
ヨーロッパの中のスペイン(秋山) 現代のスペインをさまざまな角度から概観し、さらに建築、絵画、日常生活などを見ながらスペイン文化の特色である文化の多重性についての問題提議を行う。同上
第5回目
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教(秋山) ローマ時代から現代の歴史を概観し、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の共生と地方主義について触れ、スペインのアイデンティティを求める戦いを考察する。同上
第6回目
中南米の文化(秋山) 中南米の歴史を概観し、スペイン的要素とインディオ的要素を対照させ、そこに見られる文化の多様性を考察するとともに21世紀の中南米諸国を展開する。同上
第7回目
現代のドイツ(平高) ドイツのEUで占める位置、日常生活、芸術など、ドイツの現在を紹介します。同上
第8回目
ドイツと第2次世界大戦(平高)ドイツは現在も第2次世界大戦の後遺症をひきずっています。当時ナチが行ったことが何だったのかを紹介します。同上
第9回目
ドイツの環境問題(平高)環境問題に関しては先進国であるドイツの環境との取り組みを紹介します同上
第10回目
文化的伝統(油谷)フランスにおける地方自治体の単位は「コミューヌ」と言い、その数は38000である。一方、フランスのカトリック教区(パロワッス)の数は33000で、コミューヌとほぼ一致する。この事は何を意味するのだろうか。同上
第11回目
共和国の理念(油谷)現在、フランスの閣僚の大多数は「国立行政学院」の出身である。また、日産のカルロス・ゴーン始め実業界で活躍する者の多くはフランス革命の最中に創設された「理工科学校」の出身である。「赤と黒」(スタンダール)は現代に生きている。同上
第12回目
フランスの独自性(油谷)フランス外務省の基本方針は「第一に自主外交、第二にヨーロッパ」である。このような独自性は、フランスの政治・経済・文化・芸術の各方面に見られる。その所以は何だろうか?同上
第13回目
アメリカにおける「政教分離」の意味(池田)第34代大統領(1953-61)は、かつて「アメリカの政治体制は、熱心な宗教的信条の上に基づいていなければ意味をなさない」と言ったことがある。これはアメリカを文化史的にみた場合、どのような意味をもつのだろうか?同上
第14回目
「アメリカ至上主義」とは?(池田)2001年9月11日、ニューヨークで同時多発テロが起こった。その報復として、アメリカはイスラム原理主義アルカイダ絶滅のためにいくつかの国家へ進出している。それ以来「一国主義」という表現が盛んに使われている。その背後の思想とはいったい何なのであろうか?同上
第15回目
「ワスプ(WASP)」体制は崩懐したのか?(池田)「神」を共通項としてアメリカはまとまってきた。その核にあるものが「プロテスタンティズム」と言ってよいだろう。またこの思想を形成してきたのが「ワスプ」と称される人々である「ワスプ」の現状はどのようになっているのであろうか?同上

教科書
特に定めず
参考文献
別途指示する
成績評価方法
各担当者毎に期限を設けて提出するリポートによることを原則とする。
そのほか受講者への指示/メッセージ

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