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環境園芸学

科目
環境園芸学
区分
生物資源学科科目群
授業コード
53006
開設セメスター
4S
曜日・時限
秋 月/34
単位数
2単位
担当者名
田淵 俊人
授業の概要
本講義では、地球全体を巨大な一つの「施設」として捉え、その中で植物が様々な環境要因に対してどのような生命活動を営んでいるのか、様々な環境へどのように反応しているのかを、植物生理学、植物発育生理学を基礎として、生態学、地球物理学など多岐に渡る方面から学びます。特に、近年における地球環境はまさに危機的な状態にあります。「地球環境SOS」といわれるほどの地球環境の変化、例えば二酸化炭素濃度の増加に伴う温暖化、オゾンホールの拡大による有害な紫外線の増加、エルニーニョによる冷夏、あるいは乾燥、大水害、砂漠化、塩害・・・など数えればきりがありません。しかも、これらの地球環境の変化は人為的な活動を伴った結果生じる場合も多々含まれています。さらに、我々の生活は90%は屋内で過ごしていますが、ここにも生活に問題のある現象が生じて来ています。いわゆる「シックハウス症候群」とよばれるもので、日常違和感なく使っているものから、揮発性の有害物質が発生し、極めて重大は悪影響を及ぼしています。そこで、本講義では、まず地球環境のおかれている現状をピックアップしながら、園芸植物を用いてこれらの環境を改善する方法はないのかについて考えていきます。
到達目標
地球環境、室内環境についてどうしてそのような問題が生じたのか(問題提起)、いかにして解決していくか(解決方法)、解決方法を植物を使って改善していく方法はあるのか(発展性)へと考えを進めていくことができるように、広く、さらには細かく事象を任地してから「一つの流れる川」のようなストーリーを各自が作ることができる様にする、これが本講義の最大の目標です。磯力の定着とアップ、専門的研究の理解っを通して「環境問題」とはいかなるものか,漠然としたものでなく自分でしっかりと捉え、話すことができる学生になって欲しいと思います。このような考えを修得することは、単に暗記だけに頼る勉強法を脱却していくことでもあり、創造性豊かな新しい発想を有無きっかけになると考えています。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
地球がかかえる様々な環境変化 まずはイントロダクションです。どのような問題が生じているのか、学生諸君は認識していることが条件です。どのような問題が生じているのか、しっかりと予習をお願いします(Key Word:地球環境の問題点、いくつ知っているか?)
第2回目
人間にとってCO2とは何か? 植物に限らず動物も生命活動にCO2を必要としていますが、それはどうしてか、必ずしもCO2は有害物質ではないことを理解します。地球の空気組成を知っていますか?動物は呼吸をしてCO2を吐き出していますが、そのメカニズムを理解しておいてください(KeyWord:地球の空気組成、酸素呼吸)
第3回目
植物にとってCO2とは何か? 植物の光合成について再度理解します。光合成の知識に、理解を再度深めていく必要がありますので、植物発育生理学、植物生理学の講義を思い出しながら、整理をしておいてください。
第4回目
光合成の復習 水、光、CO2の光合成における役割について復習します。光合成についての概要をしっかりと理解しておいてください(Key Word: 水、光、CO2)
第5回目
CO2施与の植物への効果 園芸植物では、CO2施与を行うことで生産性、品質の向上を行っています。その概要について解説します。さまざまな事例についてレポートを提出して戴きます
第6回目
光合成におけるCO2 の役割 明反応と暗反応、rubiscoの役割についてさらに理解を深めていきます。key Word:rubisco
第7回目
in vitroにおける植物の組織培養にCO2が有効である 近年盛んなバイオテクノロジーの技術にもCO2施与が有効であることがわかっています。学術論文に触れる機会を作ります。この内容は宿題にしますから英語の辞書を持参してくだ咲い(Key Word:in virto, CO2施与)
第8回目
CO2の生い立ちについて地球の誕生、火山活動、海水中に多く含まれるCO2について詳細に述べます。Key: Word: 地球の誕生、火山活動、水惑星としての地球
第9回目
宇宙園芸の現状とその可能性宇宙で生活する場合の空気浄化の問題について考えます。Key Word:宇宙園芸、宇宙環境、惑星、宇宙ステーション
第10回目
園芸植物による有害物質、ホルムアルデヒドの植物による浄化作用について(基礎編)いわゆる「シックハウス症候群」は、場合によってはダイオキシンよりも極めて有害です。室内環境の浄化を植物によって除去する事例研究を本研究室で学会発表している例を中心に述べます。Key Word:シックハウス症候群、ホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOCs)
第11回目
園芸植物による有害物質、ホルムアルデヒドの植物による浄化作用について(応用編)園芸植物による有害物質の除去の事例について学びます。社会的な事例について説明できるようにしておいてください
第12回目
園芸植物による重金属やあおこの浄化作用鉱山跡地での重金属、海水面、内水面でのあおこを園芸植物を用いて浄化する事例、可能性について学びます。これまでの社会事例につき、復習しておいてください。
第13回目
メダカを園芸植物で救う以前はどこにでもいたメダカは絶滅危惧種となり、環境変化に追い詰められています。園芸植物学分野では、全国各地から河川ごとに分けて飼育し植物、特に水草との関係を調査・研究していますので、その事例を述べます。Key Word:トマトの野生種、ガラパゴス諸島、エルニーニョ、耐塩性
第14回目
耐塩性の問題耐塩性を有するガラパゴス諸島原産の野生種トマトとの紹介、ガラパゴス諸島やアンデスの野生種トマトが、エルニーニョなどによる環境変化で絶滅しそうであること、その維持・管理をしている本研究室の事例を報告します園芸植物の遺伝資源としての有用性について総括します(KeyWord:遺伝資源、保護)
第15回目
園芸植物の保護と環境との役割これまでの講義では、地球環境の悪化、園芸植物を使った浄化作用について述べて来ました。一方でこれらの資源の保護について考えます。Key Word:遺伝資源の保護

教科書
各講義内容に合わせて随時、プリントを配付します。また、関連する本や実際に発表した論文も随時、紹介、配付します。
参考文献
同上
成績評価方法
まずは基礎力のアップ、さらに発展性のあるレベルまで広くかつ深く、一つの現象を多方面から学ぶことができているかを評価基準にします。出席率(学習意欲をみる)、レポート(復習や宿題をこなせるか)、その他への課題学習、最終試験を総合して評価します。出席だけ良くても合格とせず、全てを総合的に判断して評価します。
そのほか受講者への指示/メッセージ
講義内容は、一方的な講義によるものではなく、対話が主体になります。その時々の講義内容に関して問いかけることから始まりますので、留意してください。

更新日:
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