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昆虫生理学

科目
昆虫生理学
区分
生物資源学科科目群
授業コード
53011
開設セメスター
6S
曜日・時限
秋 月/12
単位数
2単位
担当者名
佐々木 正己
授業の概要
昆虫の精巧かつ多様な生理機能のうちでも、脱皮、変態、飛翔など昆虫に特異的な点を重視し、とくにその制御機構に注目して講義を進める。一方、ホルモンによる発育や行動の制御、生体リズム、脳における情報処理メカニズムなどは、昆虫に限らない普遍的に興味ある内容とする。
到達目標
昆虫も動物であるから,動物生理学の原理が通用する部分もあるが,昆虫ならではの特徴も多い.これらのなかで重要な点を厳選し,とくに制御メカニズムの面を理解してもらう.それにより,昆虫繁栄の理由が明らかになり,同時にそれらの点を抑えることにより,選択的に防除する可能性の探ろうというもの.
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
緒言、生理学の魅力 木綿糸1本で前胸腺の機能を証明した福田宗一博士の業績を紹介しながらイントロとしたい.歴史を踏まえた理解の重要性を訴えたい.
第2回目
キチンの殻と段階成長(小試験対象) 外骨格を形作っている皮膚の作りを知ることで,脱皮成長の理解へと導く.基本事項として,次週に試験.
第3回目
変態にともなう組織のリモデリング 幼虫が蛹に,蛹がチョウになるメカニズムを明かにする.アポトーシスやリモデリング,遺伝子発現からの説明も.はじめの15-20分を小試験に当てる.
第4回目
昆虫の発生学、休眠 昆虫の発生学ではあるが,ホメオティック遺伝子の役割など脊椎動物にも通用する概念も.
第5回目
消化、吸収、循環系の生理(小試験対象) この回はオーソドックスな昆虫生理学.基本事項として,次週に試験.
第6回目
昆虫の生体防御 免疫記憶系に代わる昆虫独自の優れた生体防御システムについて述べる.はじめの15-20分を小試験に当てる.
第7回目
生体リズムとその分子メカニズム サーカディアンリズムの分子メカニズムを中心に述べるが,逆にマクロの生態学的側面についても紹介.
第8回目
発育、変態とホルモン昆虫ならでは脱皮,変態のホルモン機構をすこし詳しく講義.基本事項として,次週に試験.
第9回目
行動とホルモン行動の制御に関わるホルモンについて講じる.はじめの15-20分を小試験に当てる.
第10回目
配偶行動と生殖における制御蛾類の場合を例に,講義担当者自身のアメリカでの仕事も紹介しながら進める.
第11回目
神経生理学昆虫の視覚,聴覚,嗅覚,触角などの主な感覚について講義.
第12回目
情報の統合と記憶いろいろな感覚信号を統合して行動出力を決定するまでの脳内メカニズムの基本を述べる.この辺の回で,期末試験のやり方について伝える.
第13回目
社会生理学ミツバチの社会を例に,コロニー全体があたかも1匹の個体のように振る舞える原理を探る.
第14回目
昆虫機能利用の展望進歩の著しいゲノム,分子生物学の成果をふまえ,新しい昆虫利用の可能性を探る.
第15回目
総括と質疑

教科書
授業時に毎回プリントを配布の予定.教科書は用いない.
参考文献
本は授業中に随時紹介する.
成績評価方法
70%が試験、小試験,出席その他が30%程度
そのほか受講者への指示/メッセージ

更新日:02/09/2004
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