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電磁気学

科目
電磁気学
区分
知能情報システム学科科目群
授業コード
14704
開設セメスター
3S
曜日・時限
春 月/56
単位数
2単位
担当者名
春名 勝次
授業の概要
1年次の物理学Ⅰでは主に静電界について学んだ。ここでは,磁気の問題さらに電界と磁界の関わりから電磁波(電波)の初歩までを学ぶ。始めに静磁界から講義は開始される。そして静磁界と静電界の対応関係からアナロジー(類推)の考えを身につける。時間の許す限り、演習問題を解き理解を深めてゆく。さらに提出された多くの課題を自学自習することにより理解が促進される。
到達目標
S:提出する課題へ意欲的に取り組み姿勢が顕著・講義への出席状況・受講姿勢が極めて優れ講義内容を深く理解し,的確・簡潔・適切で論理性のある表現ができる。
A:提出する課題への取り組み姿勢・講義への出席状況・受講姿勢が優れ講義内容を十分理解し,的確・簡潔・適切な表現ができる。
B:提出する課題への取り組み姿勢・講義への出席状況・受講姿勢が良く講義内容を理解し,適切な表現ができる。
C:提出する課題への取り組み姿勢・講義への出席状況がギリギリで、講義内容の理解度が不十分
F:提出する課題への取り組み姿勢・講義への出席状況が不十分で、講義内容が理解できず,十分な表現力が身に付いていない。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
ガイダンス:授業概要・授業計画・評価方法磁荷・クーロンの法則・磁界と磁位
磁力線・アンペアの周回積分の法則(1)
" 講義内容の紹介と授業計画を具体的に述べる。評価方法にも触れる。物理学Ⅰで学んだことを発展させ他の知識を前提にしないでこの講義だけでも理解できるように基礎的なことも話してゆく。
 磁荷とは何かと磁荷に働くクーロン力について学ぶ。静電界のクーロンの法則と対比整理して示すことで理解が一層進む。とくに電荷と磁荷の違い,磁荷の根元は電子の運動にあることを理解する。このことから電気現象と磁気現象に関連があることに気が付く。 磁界の定義を電界の定義と対比させ理解する。この類推から電位にたいする磁位の考えが理解できる。磁位の考えを利用して,電気双極子との類推から磁気双極子が作る磁界を算出する。特別な場合には磁位の考えが有効であることも合わせて学ぶ。"
"シラバスを前もって目を通すしておくこと。講義の終了時に毎回課題を出すので受け身の受講姿勢から脱却して欲しい。
講義で使用したPower point教材をBlackboardに公開する。
さらに演習問題の解答も公開するので必ず確認しておくこと。
 1年次に物理学Ⅰで学習した静電界のクーロンの法則までを復習しておくこと。
教科書は工学分野の進路には必須となるので所持すること。"
第2回目
アンペアの周回積分の法則(1)  電気力線と同様に磁界の様子を目に見えるように工夫された磁力線と電気力線を対比整理することでその違いが明らかになる。磁界が電流により生じる関係を表しているアンペアの周回積分の法則を学ぶ。この法則を理想化された無限長直線電流に適用し、磁界を求めることによって磁界と電流の関わりを学び法則への理解を深める。さらに無限に長い円柱電流が各部に作る磁界を求め,閉曲線と閉曲線に囲まれた正味の電流の意味の理解を深める。 "物理学Ⅰで学習した電気力線の項を復習しておくこと。以下は全回講義に共通のことですが,講義中でも理解困難な箇所が有れば積極的に質問すること。講義は教師のためでなく,あくまでも受講生のためにある。
時間中に質問できなければE-mailまたは研究室への来訪でも可です。共有すべきと判断した質疑には次回の講義で触れる。"
第3回目
アンペアの周回積分の法則(2) 電流が生じる磁界の強さを求めるアンペアの周回積分の法則を無限長コイルに適用し、コイル中の磁界が場所によらず一定となること・電流と巻き数の積に比例することを理解する。 前回の復習をして受講すること。前回の講義で理解困難な箇所が有れば積極的に質問すること。
第4回目
中間試験(1) ここまでの範囲の中間試験 前回までの復習をし、受験すること。この試験が出来なかった場合にはどこが出来ていないかを必ず聞いて理解困難な箇所が有れば積極的に質問し理解の徹底を図ること。試験は理解不十分な箇所に気づくために行うのであって点数を競う物ではない。
第5回目
ビオ・サバールの法則(1)  アンペアの周回積分の法則では求めにくい曲線電流の磁界を求めるビオ・サバールの法則を学ぶ。微小直線電流の考えを導入し,この電流が作る磁界を考える。ベクトル積の考えが入ってくるためどうしても立体的になりイメージしにくい。授業では簡単な模型を用いて説明する。さらに積分力が要求されるため,講義中で必要な積分の復習を行う。同じ磁界を求める法則でもアンペアの周回積分の法則は比較的理解がやさしいがビオ・サバールの法則でツマズイテしまう受講生が多い。理解してしまえばなんのことはないのに,理解することを拒否してしまう。考えに柔軟性を要求される。 この回から最終回までベクトル積が頻繁に出てくるため早い時期に徹底理解をする努力を惜しまないこと。このことをするとしないでは、その後の理解度に大きな違いが生じる。
第6回目
ビオ・サバールの法則(2) ビオ・サバールの法則を無限長直線電流に適用しその磁界を求める。その結果がアンペアの法則で求めた結果と一致することを確認する。特殊な場合にはアンペアの法則が容易に磁界の大きさを求められることに納得がゆく。 この回までに学ぶ2法則は以後の講義の基礎になるので教科書に出てくる指定された演習問題は必ず自分で解き理解を深めておくこと。
第7回目
ビオ・サバールの法則(3) 円形電流の磁界を求め,次に有限な長さのソレノイドコイルが円形電流の集まりと考える。円形電流が生じる磁界の式を利用し,ソレノイド中の磁界を求め,無限に長いソレノイドコイルの磁界を求める。特別な場合にはいかにアンペアの周回積分の法則が有用かを理解する。 アンペアの法則で無限長ソレノイドコイルの磁界の算出過程を復習しておくこと。
第8回目
中間試験(2)ここまでの範囲の中間試験 理解が難解なビオサバールの法則に特化して、理解度の確認を行う。前回までの復習をし、受験すること。この試験が出来なかった場合にはどこが出来ていないかを必ず聞いて理解困難な箇所が有れば積極的に質問し理解の徹底を図ること。試験は理解不十分な箇所に気づくために行うのであって点数を競う物ではない。
第9回目
電磁誘導の法則(1)静電界の電束に似た静磁界の磁束の考えを理解し,どのように求めるかを学ぶ。この磁束の時間変化が電界を生じ電磁波につながることを知る。演習問題を通して磁束をどう求めるかを体得し、電磁誘導現象への関わりを理解する。 前回の復習をして受講すること。前回の講義で理解困難な箇所が有れば積極的に質問すること。
第10回目
電磁誘導の法則(2) 発電機・トランスの原理とも言えるファラデーの電磁誘導の法則を学ぶ。この法則から身近で何故,直流でなく交流電源が用いられるのかに納得がゆくのではないだろうか。 電磁誘導の法則と変位電流の考えさらに,アンペアの周回積分の法則とを総合して考えるとマクスウェルの方程式へと到ることが分かる。これから日常生活に欠かせない電波及び光が電磁波であることを理解するようになる。 この回から身の回りの電磁気現象に即つながる事項が多くなる。学んだことがどう実際に応用されるかが理解され,電磁気学への親しみを感じてくるようになる。
第11回目
インダクタンス(1) 回路理論で出会ったコイルのインダクタンスの定義とインダクタンスの値がどのように形状と結びつくかを学ぶ。さらに電気回路論との類推で磁気回路の概念を理解する。解する。 今まで学んだことの理解度と学習の成果が問われてくる。これまでの学習内容をシッカリ復習しておいて欲しい。これまでの講義で理解困難な箇所が有れば積極的に質問し,早めに理解する努力を惜しまないで欲しい。
第12回目
インダクタンス(2)前回の手法を再度確認する。さらにコイルに蓄えられる磁気エネルギーが空間に蓄えられる場の考えも合わせて学ぶ。この考えを利用して様々な形状の自己インダクタンスを算出する。今回は無限長ソレノイドコイルの単位長さあたりのエネルギを求め自己インダクタンスを算出する。 電気エネルギーは理解しやすいが,磁気エネルギーは日頃余りなじみがなく分かりにくいと思われる。さらに空間にエネルギーが蓄えられるということは一層理解しにくい。場の考えに早くなじんで欲しい。
第13回目
インダクタンス(3)エネルギー手法を用い、バウムクーヘン型コイルの空間に蓄えられる磁気エネルギを求めてから自己インダクタンスを算出する。 いろいろな形状のコイルがでてくる。想像力が鍛えられると思う。身の回りの物体をヒントにして取り組む計算物体をイメージ出来るようにしてほしい。
第14回目
ローレンツ力電磁界中にある荷電粒子の受ける力を表すローレンツ力を取り上げる。電界と磁界それぞれが単独に印加されているときの荷電粒子に及ぼす力の類似性と違いを理解する。さらにこれらの力とニュートンの運動方程式を組み合わせることにより電磁界中の荷電粒子の運動を解析する。この応用であるブラウン管の電子の運動の解析を行う。 日頃身近に目にするTVの動作原理が理解できると一層TVに親しみを感じてくると思う。
第15回目
電磁波 マクスウェルの方程式が意味していることと電磁波の伝搬について学ぶ。一次元の波動を考え電界と磁界がどのような関係になっているかを考える。さらに電界の時間変化が磁界の時間変化を誘導し,この変化がまた電界の変化を誘導し,これら一連の動きが電波伝搬の状態を理解する。 日頃気にとめずに通信手段に頻繁に利用している携帯電話は電磁波の発見なしには考えられず,マクスウェルの方程式の恩恵を受けている。学習終了時に,このことを知れば先人への感謝の思いが沸き上がれば学習の成果である。

教科書
原康夫「理工系の基礎物理 電磁気学」学術図書出版:(1年次物理学Ⅰで使用) 、物理学Ⅰ電磁気学編(春名勝次作成)玉川大学出版部:(1年次物理学Ⅰで使用)
参考文献
電磁気学の基礎と演習/金古喜代治/学献社,その他は各回で必要に応じて紹介
成績評価方法
レポート、中間期末試験、および出席状況等を総合して評価する。
そのほか受講者への指示/メッセージ
毎回演習問題を解く。自分で考え、他人の解答を単に写したりしないで、自分で解き、分からないところは遠慮なく聞くこと。

更新日:01/24/2005
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