検索 検索トップページ トップページ担当別50音一覧 担当別50音一覧

行動の科学・人間性の科学

科目
行動の科学・人間性の科学
区分
人間学科科目群
授業コード
51049
開設セメスター
2S
曜日・時限
秋 木/56
単位数
2単位
担当者名
河野 哲也
授業の概要
本講義は「現代の身体論」をテーマとします。私たちの身体は、あらゆる行動とあらゆる表現の基盤になっています。その意味で、身体性とは人間性そのものだと言ってよいほどです。本講義では、哲学・心理学・認知科学・社会学・言語学・美学などのさまざまな分野から身体にアプローチし、身体のもつ役割と人間的意味を多角的に検討してゆきます。
到達目標
(1)現代の身体論を通して、人間の行動や人間性についての理解を深めること。(2)自分で考え、自分で意見を表現できる力を身につけること。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
イントロダクション 講義の概要、講義法、評価などの説明
第2回目
心にとって身体とは何か なぜ身体が問題になるのか。哲学における心身問題、現代哲学における身体論、デカルトからメルロ=ポンティへ。テキスト・参考書・配布プリントなどの指定箇所を前もって読んでおくこと。
第3回目
コンピュータに身体を 現代の認知科学における身体性の重視。現象学的身体論と人工知能研究、ロボット研究。   〃
第4回目
他者の身体と自閉症 他者理解における身体の根源性。「他者問題とは何か」、近年の認知科学における「心の理論」と自閉症研究、「心の理論」で自閉症を説明できるか。   〃
第5回目
身振りとしての言語 言語の身体性。身振りの延長としての言語、言語的意味にしみこんだ身体的比喩、認知意味論・プロトタイプ意味論、対話の原理。   〃
第6回目
動物の身体 動物に心はあるか。デカルトの動物論、心の科学における動物の扱い、動物と人間の豊かな関係の構築   〃
第7回目
身体技法:社会化された身体 身体の社会学と文化人類学。モースの身体技法の概念、ブルデューの「ハビトゥス」の概念と社会化された身体、シンボルとしての身体。   〃
第8回目
M.フーコーの身体論『監獄の誕生』と『性の歴史』を読む。近代社会に見られる身体の管理、瑣末なものの政治学としてのディシプリン、古代ギリシャにおける自己のテクノロジーと自己身体への配慮。   〃
第9回目
病気・障害・身体(1)身体医文化における身体の扱い。医の文学に見られる「病気の表象」「食餌の技法」「優生学思想」「女性の身体」。   〃
第10回目
病気・障害・身体(2)今日のディスアビリティ・スタディーズ。身体に障害をもつこと、「障害は個性」と言えるか?、障害と「淡い主体」。   〃
第11回目
眼と絵画(1)身体と絵画表現の関係について。メルロ=ポンティの『眼と精神』、パノフスキーの近代絵画論。   〃
第12回目
眼と絵画(2)絵画知覚の心理学。アルンハイム、ゴンブリッチ、ギブソンの画像知覚の理論。   〃
第13回目
まとめ:行動と身体意図することと身体、身体の延長としての行動。   〃
第14回目
第15回目

教科書
検討中
参考文献
石塚・鈴木編『身体医文化論』1-4(慶応出版, 2005)。これ以外の参考分文献に関しては、講義中に紹介します。
成績評価方法
中間ミニ・レポート(30%)、期末レポート(50%)、平常点(20%)
そのほか受講者への指示/メッセージ
身体というテーマを中心にして、さまざまな分野の研究を取り上げてゆきます。医学や生理学の対象としてではなく、心理的・文化的・社会的存在としての身体に焦点をあてます。

検索トップページ担当別50音一覧