検索 検索トップページ トップページ担当別50音一覧 担当別50音一覧

メカニズム

科目
メカニズム
区分
機械工学科科目群
授業コード
1411114129
開設セメスター
3S
曜日・時限
春 火/34春 木/34
単位数
2単位
担当者名
鈴木 夏夫
授業の概要
「メカニズム」は「機構学」,「機械運動学」などと呼ばれる学問分野で、機械を構成する要素単体、もしくは複合体の運動を取り扱う。運動とは、機械要素の特定の点が動く軌跡(ときには速度、加速度も含める)を表している。いくつかの基本的な機構(メカニズム)について、どこをどのように動かしたい(出力)のか、そのためには、どこをどのように動かせば(入力)よいのかについて要点を学習する。
到達目標
まず第1に基本的な機械要素でありかつ運動を行う機構(メカニズム)について、その名称、定義、運動の原理、法則、役割,機能,性能,特徴などを理解する。次に実際にどのような機械のどこの部分にこれらの機構が使われているかを観察する(事例を調べる)。また,どのような理由でそれが使用されているかを考察する。最終的に設計の原理がわかることを目標にする。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
ガイダンス 1.授業の方式,参考文献などの紹介
2.「機械」とは何か
  ①機械の定義
  ②機械の種類
3.「機構」とは何か
  ①構造物と機構
  ②機素,対偶,連鎖,節(リンク)
  ③機構の自由度
「機械」ってそもそも何?:
改めて「機械」の役割を考えてみる。
それから何がわかるか考察する。
第2回目
機構(メカニズム)の運動 1.運動とは何か
  ①質点と剛体
  ②座標系と運動
2.運動の種類
  ①機械の運動
  ②運動学と動力学
3.瞬間運動、瞬間中心
  ①瞬間中心の考え方
  ②瞬間中心の個数
  ③3瞬間中心の定理
動くもののどこに目をつけるの?:
特定の点は直線運動や円運動を行っていることが多い!
逆に動かない部分はどこか,またその理由は何か?
第3回目
機構(メカニズム)の速度、加速度 1.機構の速度
  ①速度と角速度
  ②速度の求め方
2.機構の加速度
  ①加速度と角加速度
  ②加速度の求め方
3.機構解析ソフトウェア
どのくらい速く動けるの?:
動きの「速さ」を表す量は何か?
またその「速さ」をどのように表現するか?
第4回目
リンク機構(1) 1.4節リンク(自動車のワイパー)
2.スライダクランク機構
  ①ピストンとクランク軸
  ②楕円コンパス
  ③パンタグラフ
3.(疑似)直線運動機構
4.球面運動機構(ユニバーサルジョイント)
組合されて動くもの!:
単純な形状のものをいくつか組み合わせると
複雑な運動を実現できる。どのように組合せ
たらよいのだろうか?
第5回目
リンク機構(2) 1.ロボットの機構
  ①運動の機能
  ②開リンク機構と閉リンク機構
  ③座標系とロボットの機構
  
ロボットの骨組み!:
人間は筋肉が骨を動かしている。
ロボットの「筋肉」と「骨」は何なのか?
第6回目
カム機構(1) 1.カム装置
2.カムの種類
3.カム同士の接触形態
4.カム線図
  ①カムの速度比
  ②カム線図と運動
単純な動きと形の関係!:
機械に行わせる運動とその形には
どのような関係があるのだろうか?
簡単な例で考えてみよう。
第7回目
カム機構(2) 1.立体カム機構
2.運動の最適化
目が回るような動き!:
複雑な運動はどのようにすれば
実現できるのだろうか?
第8回目
摩擦伝動装置1.ころがり接触の条件
2.輪郭形状曲線
3.角速度比
  ①角速度比が変化する例
  ②角速度比が一定の例
4.摩擦車
  ①トラクションドライブ
  ②無段変速機
こすり合わせて動かそう!:
力や運動を伝えるにはどのような方法
があるのだろうか?
第9回目
巻き掛け伝動装置1.ベルト伝動方式
2.ロープ伝動方式
3.チェーン伝動方式
離れたところに力を伝えるには?:
離れたところに力や運動を伝えるには
どのような道具を用いればよいのだろうか?
第10回目
歯車(1)1.歯車の機構学的条件
2.歯形曲線
  ①インボリュート歯形
  ②サイクロイド歯形
  ③その他の歯形
3.インボリュート歯車の基本特性
  ①かみあい率
  ②すべり率
  ③干渉と転位
確実な力の伝達手段!:
力や運動を正確に伝えたり,大きくしたり
小さくしたりするにはどのようにすれば
よいのであろうか?
第11回目
歯形(2)1.各種歯車
  ①平歯車
  ②かさ歯車
  ③ウオームギヤ
  ④その他
2.歯車の作製方法
3.歯車の強度
4.歯車の精度
5.歯車のメンテナンス
歯車の形は機械の代表!:
歯車の歯はどのようにすればできる
のだろうか?
第12回目
歯車(3)1.歯車列
2.歯車減速機
  ①遊星歯車減速機
  ②ハーモニックドライブ減速機
組み合わせると面白い動きができる!:
遅くても力は強い状態,逆に力は弱くても速い
状態はどのようにすれば替変えられるのか?
第13回目
機構学のトピックス1.研究組織と研究動向
2.機構学と人工知能
3.メカトロニクス/ロボティクスにおける機構
4.機構学と数学
もっと知りたい人のために:
機構学は成熟した学問か?
これからどのように発展するのか?
あるいはしないのか?
第14回目
第15回目

教科書
稲田重男,森田鈞,共著,「大学課程 機構学」,
オーム社 
参考文献
最初の講義で紹介の予定
成績評価方法
学期末試験(50%)およびときどき実施する小テスト(50%)で評価する。
そのほか受講者への指示/メッセージ
機械を中までとにかくよく観察しよう!特に自分にとって興味のある機械
(例えば,2輪車,自動車,鉄道車両,航空機,ロボット,工作機械など)
の動く仕組みがどのようになっているかを調べよう。そこで基本的に重要な
役割を果たしているのはどのような機構部品であるかを考える。まず,原理や
機能,特性を理解する。機械技術者として最低限ここまでの理解は必要と思われる。
次の段階は設計・開発である。そこまで到達すれば一人前?かも知れない。

更新日:02/09/2004
検索トップページ担当別50音一覧