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教育哲学

科目
教育哲学
区分
乳幼児発達学科科目群
授業コード
56011
開設セメスター
2S
曜日・時限
秋 月/34秋 水/12
単位数
4単位
担当者名
佐久間 裕之
授業の概要
この講義では、教育哲学の学問的な特徴について解説し、教育の基礎概念や現代のさまざまな教育問題について教育哲学の立場から検討を加えていく。
到達目標
教育哲学の特徴を理解し、教育の基礎概念や現代の教育問題について、教育哲学の立場から考察することができる。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
はじめに 授業のねらい、授業日程、授業方法、成績評価の仕方、受講上の留意点、学習の進め方などについて説明。あらかじめシラバスに記載された内容を確認しておく。
第2回目
教育哲学の位置 教育学の中で教育哲学はどのような位置を占めるのかについて解説。「教育~学」「~教育学」という表現の学問分野にはどのようなものがあるか、できる範囲で調べておく。
第3回目
教育への哲学的アプローチ(Ⅰ) 教育哲学の基盤を形作る「哲学」の学問的特徴である、「全体性」「根源性」「主体性」「論理性」などについて解説。「哲学」という言葉の意味を調べておく。
第4回目
教育への哲学的アプローチ(Ⅱ) 哲学の特徴のうち、特に「論理性」についてさらに探求する。その際、教育に関するさまざまな文書を事例として、その論理性を吟味しつつ解説していく。前回「論理性」について解説したところを再確認しておく。
第5回目
「教育」概念の再検討(Ⅰ) 「教育」の語義というと、すでにわかりきったもののように思われるかもしれないが、実はさまざまな問題点・論争点をはらんでいる。それを浮き彫りにする。「教育」という言葉の意味を辞書・事典等で調べておく。
第6回目
「教育」概念の再検討(Ⅱ) 「教育」概念をはじめ、一般に概念を解明する際の方法論がはらんでいる問題点を検討する。特に解釈学的方法と分析哲学的方法との対立点を軸に論じる。「解釈学」「分析哲学」について辞書・事典等で調べておく。
第7回目
教育の「本質」(Ⅰ) まず、「本質」を明かにするとはいかなることなのかについて説明し、教育の本質探求の手がかりについて検討する。「本質」という言葉について辞書・事典等で調べておく。
第8回目
教育の「本質」(Ⅱ)教育の「本質」に関する教育哲学者の諸説を批判的に検討して、教育の「本質」に関する理解を深めていく。前回の「本質」に関する講義内容を踏まえて、各自、教育の「本質」に該当すると考える事項をノートに記しておく。
第9回目
教育目的の諸相誰のための教育か、何のための教育かについて、さまざまな教育哲学者の教育目的観をひもときながら、検討する。あなた自身は何のために教育が必要だと考えるか?あなた自身の「教育目的」観について記しておく。
第10回目
教育の可能性と限界今日、「~教育」という表現が多用されているが、はたして教育の可能性は無制限に拡大し得るものなのであろうか。教育の可能性にのみ関心が向かいがちだが、教育には限界がないのだろうか。改めて教育の可能性と限界について考察する。最近の教育動向を踏まえて「~教育」という言葉を集めてくる。時間的に余裕のある学生は、その「~教育」が実際にどの程度可能なものなのか、あるいは無理があるものなのかについて、自分の考えをノートに記しておく。
第11回目
教育観の再検討(Ⅰ)子ども中心主義vs.おとな中心主義:二項対立の前提・背景について再検討する。教育における「子ども中心主義」(あるいは児童中心主義)について教育関係の事典等で調べておく。
第12回目
教育観の再検討(Ⅱ)性善説vs.性悪説:二項対立の前提・背景について再検討する。「性善説」「性悪説」について辞書・事典等で調べておく。
第13回目
教育観の再検討(Ⅲ)旧教育vs.新教育:二項対立の前提・背景について再検討する。「新教育」(あるいは新教育運動)について、教育関係の事典等で調べておく。
第14回目
教育観の再検討(Ⅳ)連続的教育観と非連続的教育観:「陶冶」と「出会い」の概念を中心に、2つの教育観の違いと関係について考察する。ある人物、ある出来事、ある作品との「出会い」によって、自分の生き方や考え方が変わったことがあれば、そうした「出会い」について振り返っておく。
第15回目
教育の前提としての人間観人間像と人間観の違い/歴史の中にあらわれたさまざな「危ない」人間像/人間像から人間観へ一例として古代ギリシアのスパルタの教育について、事典等で調べておく。時間的に余裕のある学生は、プルターク(プルタルコス)の『英雄伝』(岩波文庫)からスパルタに関する記述を読んでおこう。

第16回目

教育観と人間観
みずからの教育観・人間観を深めていくための手がかりの1つとして、哲学的人間学について解説する。「哲学的人間学」について事典等で調べておく。時間的に余裕のある学生は、参考文献として挙げてあるO.F.ボルノー著『人間学的に見た教育学』の第2章「教育学における人間学的な考察法」を読んでおく。
第17回目
教育の諸段階(Ⅰ)
子どもの教育について:「子ども」観の変遷を概観し、「子ども」の教育の特質について考察する。教育関係の事典・教育入門書等をによって「子どもの発見」という言葉の意味について調べておく。
第18回目
教育の諸段階(Ⅱ)
成人教育について:成人教育の諸課題について検討する。「成人教育」という言葉について辞典・事典等で調べておく。
第19回目
教育の諸段階(Ⅲ)
老年教育について:老年の特質と老年教育の諸課題について検討する。「生涯発達」について事典等で調べておく。
第20回目
教育の諸段階(Ⅳ)
生涯学習(生涯教育)について:生涯学習(生涯教育)の特質及び諸課題について検討する。「生涯学習」と「生涯教育」の違いについて辞典・事典等で調べておく。
第21回目
教育の場所(Ⅰ)
家庭教育の諸問題:家庭の教育機能の特質と家庭教育のめぐる諸問題について考察する。家庭教育の問題点について、あなたが思い浮かぶことをノートに記しておく。
第22回目
教育の場所(Ⅱ)
学校教育の諸問題:学校の教育機能の特質と学校教育をめぐる諸問題について考察する。学校教育の問題点について、あなたが思い浮かぶことをノートに記しておく。
第23回目
教育の場所(Ⅲ)
社会教育の諸問題:社会の教育機能の特質と社会教育をめぐる諸問題について考察する。「社会教育」という言葉について、辞典・事典等で調べておく。
第24回目
現代の教育問題をどう読み解くか?(Ⅰ)
教育改革の真相:ゆとり教育と学力低下をめぐって「ゆとり教育」「学力低下」について、事典・書物・インターネットなどを活用してできる範囲で調べておく。
第25回目
現代の教育問題をどう読み解くか?
(Ⅱ)
教育改革の真相:新自由主義と自己責任論「新自由主義」「自己責任」について、事典・書物・インターネットなどを活用してできる範囲で調べておく。
第26回目
現代の教育問題をどう読み解くか?
(Ⅲ)
教育改革の真相:「心の教育」vs.「知識教育」?「心の教育」とはどのような教育なのか。事典・書物・インターネットなどを活用してできる範囲で調べておく。
第27回目
現代の教育問題をどう読み解くか?(Ⅳ)
「少年犯罪の凶悪化」と「命の大切さ」の教育:「少年犯罪の凶悪化」という思想の背景にあるもの「少年犯罪は凶悪化しているか?」について、統計資料・書物・インターネットなどを活用してできる範囲で調べておく。
第28回目
現代の教育問題をどう読み解くか?
(Ⅴ)
「〈学び〉からの逃走」の背景:ニヒリズムとシニシズム「ニヒリズム」「シニシズム」という言葉について辞典・事典等で調べておく。時間的に余裕のある学生は、参考文献に挙げた佐藤学著『「学び」から逃走する子どもたち』を読んでおく。
第29回目
まとめ
これまでの講義を振り返り、重要事項について整理する。これまで学んできたことを復習しておく。
第30回目
試験

教科書
必要に応じてプリントを配付
参考文献
高山岩男『教育哲学』玉川大学出版部/O.F.ボルノー『人間学的に見た教育学(第二版)』玉川大学出版部/三井浩『愛の場所 教育哲学序説』玉川大学出版部/齋藤昭『教育的存在論の探求 教育哲学叙説』世界思想社/武安宥・長尾和英編『人間形成のイデア』昭和堂/三井善止『哲学の立場』玉川大学出版部/佐藤学『「学び」から逃走する子どもたち』岩波ブックレット/その他、授業時に随時紹介する。
成績評価方法
出席10%、授業参加10%、提出物30%、試験50%
そのほか受講者への指示/メッセージ
授業への積極的な参加を期待する。

更新日:02/09/2004
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