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多文化社会論

科目
多文化社会論
区分
国際言語文化学科科目群
授業コード
1194251929
開設セメスター
3S4S
曜日・時限
春 水/78秋 水/78
単位数
2単位
担当者名
池田 智
授業の概要
 多文化主義とか文化多元主義といったことばが盛んに用いられるようになっている。いずれもMulticulturalism に対する日本語訳である。
 1930年代には文化相対主義(cultural relativism)が文化人類学者によって提唱されてはいた。しかし、1960年代以来、共産主義圏をのぞく主要国でさまざまな社会的側面にリベラル化が起こった。そのころからいくつかの国が多文化主義政策を語り始め、80年代には世界の潮流になった。その軌跡と問題を特にアメリカの歴史と現状に追う。
到達目標
 文化多元主義/多元文化主義の概念を理解し、どのような道筋を経て多文化社会が構築されつつあるのかを把握する。また、構築されるについて、どのような要素が不可欠かをアメリカのさまざまな制度などに触れながら理解する。
授業計画
テーマ
内容
授業を受けるにあたって
第1回目
コース・ガイダンス
 
 参考文献の紹介やノートのとりかたなどについて話をする。
第2回目
なぜ、今、多文化社会論なのか?  近年の世界の社会的・政治的・経済的状況を見る青木 保『多文化世界』27ページまでを読んでおく。
第3回目
同上  1970s~1950sの世界の社会的・政治的・経済的状況を見るフェミニズム、女性解放運動、公民権運動、民族的・人種的少数派の台頭について調べておく。
第4回目
同上  同上同上
第5回目
同上  1930s ヒトラーとユダヤ人問題をカギに文化相対主義について考察する。青木 保『多文化世界』pp. 101-113を読んでおく。
第6回目
文化相対主義について  アメリカの民族・人種問題への矛盾HOを読んでおく
第7回目
宗教の役割  さまざまな民族・人種によって構成されているアメリカ人を結びつけている力とは?青木 保『多文化世界』pp. 49-83を読んでおく。
第8回目
同上 同上 同上
第9回目
同上 同上同上
第10回目
公民権運動とカウンターカルチャーが生みだした土壌 一見してアメリカ人として結びついた人々は結局真の意味での結びつきは、今はまだ無理、という現実に立ったとき、彼らは何を求めるのか?公民権運動とは何だったのか? カウンターカルチャー(counterculture)とは何だったのかを調べておく。
第11回目
メルティング・ポットからサラダ・ボウルへ アメリカにおける現実の社会における多文化社会の在り方をさぐるEthnic Studies、Ethnic Revival、Ethnic Festivalなどについて調べる。
第12回目
文化多元(多元文化)主義(Multiculturalism)への道 公民権運動やカウンターカルチャーを通して社会のリベラル化、平等化が進んだ。その結果、共生という方向を探り出した。青木 保『多文化世界』pp. 30-48を読んでおくこと。
青木 保『文化の否定性』(中央公論社)を読まれたい。
第13回目
アファーマティヴ・アクション 文化多元(多元文化)主義を結果的に促進する一つの手段として、アメリカではaffirmative actionが施行されている。これを考察する。affirmative actionについて調べておく。
第14回目
予備回
第15回目
『分裂するアメリカ』(ヴィデオ)を見る 多文化社会を運営することの難しさを見る

教科書
青木 保『多文化社会』(岩波新書 840)
参考文献
青木 保『文化の否定性』(中央公論社)
有賀 貞編『エスニック状況の現在』(財団法人 日本国際問題研究所)
載 エイカ『多文化主義とディアスポラ』(明石書店)
シュレジンガー, Jr. アーサー『アメリカの分裂――多文化社会についての所見』(岩波書店)
ジェームズ・バンクス『多文化教育』(サイマル出版会)
杉本良夫『オーストラリア--多文化社会の選択』(岩波新書)
--------『「日本人」をやめられますか』(朝日文庫す-9-1)
関根政美『マルチカルチュラル・オーストラリア』(成文堂)
--------『多文化主義社会の到来』(朝日選書)
多文化社会研究会編『多文化主義--アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリスの場合』(木鐸社)
森 孝一編『アメリカと宗教』(財団法人 日本国際問題研究所)
ロイス・ストールヴィ著池田 智訳『ワスプの教育--人種・宗教・女性差別への挑戦』(明石書店)
成績評価方法
教室内試験70%+レポート20%+出席10%
そのほか受講者への指示/メッセージ
 教科書だけを読んでも理解できないところが多いかと思います。したがって、参考文献に積極的に手を伸ばすように努力していただきたい。とくにアーサー・シュレジンガー,Jr.の『アメリカの分裂――多文化社会についての所見』は一読を薦めます。

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