授業の概要 | 文化人類学は広義には人間についての総合的研究を目指す学問であるが、その基盤は、未開民族の生活の仕組み、慣習、社会構造、価値観、宗教などの研究に置かれている。
本講義では、人間社会を文化的に読み解き、人間の本質を理解するための視点を提示するにあたり、通過儀礼(人生儀礼)を取り上げる。
人間はこの世に生を受けてから死に至るまでの間、人生の節目節目にあたって、誕生・養育・成年・結婚・厄年・死亡など、いくつもの通過儀礼を経験する。こうした儀礼の構造のなかには、離脱と統合、死と再生、聖と俗などの原理が包含されている。本講義では、文化人類学の代表的研究分野の一つである通過儀礼の意義と理論を、具体例を通して検証・考察する。 |