授業計画 | テーマ | 内 容 |
第1回目 | 感染症防除の歴史的背景とクスリの考え方。特に選択毒性 | 抗生物質発見までの歴史。
農学部で何故、医薬である抗生物質を学ぶのだろうか。それは、農学部の歴史で作物生産→農産物利用学→発酵化学→応用微生物学へと発展した経緯があった。抗生物質は微生物の発酵で得られる物質で、農学部の最も得意の微生物を応用する分野の一つであったからである。 |
第2回目 | 〃 | 近代の感染症薬として初めて開発されたサルファ剤(これは合成薬で抗生物質ではない)を例に、その作用機構を講義する。生命現象の基本は人も微生物もほとんど同じである。では何故、細菌感染症薬サルファ剤は細菌を殺すのに人には害が無いのだろうか?これが「選択毒性」の考え方の基本になった。 |
第3回目 | β-ラクタム系抗生物質(ペニシリン、セファロスポリン類) | ペニシリンはあまりにも有名なクスリである。では、このβ-ラクタム抗生物質とはどのような物質か? そして、その作用機構は? ここにも「選択毒性」の秘密があった。 |
第4回目 | 〃 | 同一薬剤を連続して用いると、すぐに耐性菌が出現する。耐性菌出現はどのような機構でおこるのか?また、耐性菌を防除する薬剤の開発はどのような考えで行われるのか? |
第5回目 | 〃 | 糸状菌の代謝産物と思われていたβ-ラクタム系抗生物質が新しい手法で放線菌から発見されるようになった。新しいβ-ラクタム系抗生物質の特徴はどのようなものであったか? |
第6回目 | アミノグリコシド系抗生物質(ストレプトマイシン、カナマイシンなど) | 肺結核の特効薬として発見されたストレプトマイシン。このアミノグリコシド系抗生物質とはどのようなものか? そして、その作用機構は? |
第7回目 | 〃 | アミノグリコシド抗生物質に耐性を示す病原菌もたやすく出現する。この出現の機構はどのようなものであろうか? |
第8回目 | 〃 | アミノグリコシド抗生物質の耐性菌を制御する抗生物質の開発について。 |
第9回目 | ポリケチド生合成系で作られる抗生物質 | 多くの種類の病原細菌に有効なテトラサイクリン類、癌の治療で用いられているアンスラサイクリン類、細菌や糸状菌に有効なマクロライド類などは、化学構造は大きく異なっているが、全て「ポリケチドの生合成系」で作られる。これらの生合成について学ぶ。また、テトラサイクリン類の作用機構も講義する。 |
第10回目 | 〃 | アンスラサイクリン類の癌細胞に対する作用機構。 |
第11回目 | その他の抗生物質の化学と生理活性作用 | 核酸系、ポリエンマクロライド、その他、多種多様な抗生物質。
発ガン機構とその細胞を制御する制ガン抗生物質、など |
第12回目 | 〃 | 〃 |
第13回目 | 〃 | 〃 |
第14回目 | 免疫系とその系を制御する薬剤 | 人が本来持っている免疫系とはどのようなものであるか。また、その制御は、何に役立つのか。免疫賦活剤=制ガン剤、免疫抑制剤=臓器移植で使われる抗生物質 |
第15回目 | 〃 | 〃 |