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教育学基礎演習I思想

科 目
教育学基礎演習I思想
区 分
教育学科科目群
授業コード
16105
開設セメスター
3S
曜日・時限
春 水/56
単位数
2単位
担当者名
佐藤 隆之
授業の概要
「社会・人生に対する一定の見解」である「思想」という観点から教育について考えることは、教育の現実や問題に直接アプローチするのではなく、その根底にある原理や概念や思考様式を洞察し再構築することを主たる目的とする。地味で地道な作業が多くなることは否めない。
 しかし、教育思想を学ぶことは、教育の成り立ちや目的などを理解するうえで重要である。それはまた、教育に関わる様々な現象や事件を分析し、問題の所在を明らかにしたり、新しい観方や展望を切り開く、創造的で魅惑的な研究領域でもある。学級崩壊にみる学校教育の正統性や自明性の揺らぎ、少年法の改正にみる「子ども」観の変化など、教育が大きな転換期を迎えているといわれる現在、そのような根源的な問い直しは緊要な課題にもなっている。
 本講では、一見とりつきにくいが、教育を論ずるうえでの強力な武器となる「思想」という視角から人間や教育について考える力を育成することを目的とする。基礎演習であることから、読み書きにくわえて、発表する、レジュメを作成する、ディスカッションをするといったことにも力をいれる。毎回、受講者にはなんらかの課題がだされる。その課題についての発表とディスカッションが授業の中心になる。
 具体的には、次の二つの作業を並行して行いながら、授業を展開する。
 1ルソーの『エミール』第一部、第二部を読んで、重要と思われる言葉を見つけ出し、いかなる意味でそれが重要であるかコメントする。(第3回から、1回につき一人を目安に発表)
 2『子どもに伝えたい<三つの力>』をテキストとして、子どもたちに伝えていくべきであり、また、われわれ自身が身につけるべき「基礎力」について学ぶ。それを習得するための作業にも実際に取り組む。
到達目標
1ルソーのエミエールをとりあげ、人間や教育に関する思想について理解する。
2研究上の「基本的なスキル」を理解する。
授業計画
テーマ
内 容
第1回目
オリエンテーション 講義計画の説明、授業の進め方、発表の割り振りなど
第2回目
「生きる力」とは テキスト第1章の輪読と要点の整理
第3回目
教育の「基礎力」とは何か(1)
『エミール』に学ぶ教育思想(以下、毎回発表・講義)
「要約力」について理解する。
「子どもの発見」について
第4回目
第5回目
教育の「基礎力」とは何か(2) 「質問力」について理解する。ルソー:教育の自然主義について
第6回目
第7回目
教育の「基礎力」とは何か(3) 「コメント力」について理解する。ルソー:教育のロマン主義について
第8回目
第9回目
教育の「基礎力」とは何か(4) 「段取り力」について理解する。ルソー:消極教育について
第10回目
第11回目
教育の「基礎力」とは何か(5) 「まねる盗む力」について理解する。ルソー:利己愛と自己愛の相違
第12回目
第13回目
アイデンティティの教育 「自分とは何か」という基本的な問いに答えることが、教育の原点にあることを学ぶ。
第14回目
ルソーにみる人間と思想 ルソーの教育観について、教育史に位置づけてその特長を考察する。ルソーのいう「幸福」の意味についても検討する。
第15回目
総括

使用テキスト
斎藤孝『子どもに伝えたい<三つの力>』NHKブックス、2001年ルソー『エミール(上)』岩波書店。
参考文献
適宜指示する。
成績評価方法
発表(『エミール』の発表を含む)40%、レポート40%、授業参加10%、出席10%
更新日:02/14/2003

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