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知識社会論

科 目
知識社会論
区 分
教育学科科目群
授業コード
56029
開設セメスター
4S
曜日・時限
秋 月/78
単位数
2単位
担当者名
大倉 健太郎
授業の概要
 本講では、「知識」を複合的学問の範疇で扱っていくため、哲学的問題意識としての認識論(真理や誤謬をめぐる議論)に留まらず、社会学的な問題意識としての権力論(誰が真理を決定するのか、何を真理としているのか)からも「知識とは何か」に迫っていく。
 とりわけ、権力論を軸に展開されている知識への問いは活発で、主に2つの捉え方が代表的である。そのひとつは、イデオロギー論に依拠する見方であり、知識は所有され、所有された知識が人の意識を決定する捉え方。もう他方には、記号論が代表するように、恣意的に構築された知識が実体的意識をつくり出すという捉え方がある。前者では知識を情報として考え、どのような情報が重要なのか、どのように情報が選別されるのか、選抜された情報が人々の生き方がどのように影響するのか、などを関心事とする。後者では知識とは意識と実体をつなぐ媒介として考え、媒介としての知識が人々の物の見方、感じ方、考え方、そして生き方に影響することを明らかにしようとする。このことから、知識を論じることは、「何が真理か」を単に問うことのみではなく、「誰が本当だと決めるのか」、「何を本質だと信じているのか」を問うことを含む。
 こうして「誰が本当だと決めるのか」や「何を真理だと信じているのか」という問いの設定は、権力論によって可能となる。しかし、先の問いが「誰が?」と問題の主体を問うのに対し、後の問いは「わたしは」という主体を問題にする点が、両者の権力に対する立場を大きく隔てるのである。
 本講では、まず知識をめぐる問題を紹介し、「知識とはなにか」をめぐる学問的立場を整理する。その上で、知識を情報と区別し、ポスト情報社会、すなわち知識社会(絶対的権力が消え、「わたし」という主体が現れる社会)について焦点をあてていく。
到達目標
S: 知識社会論について、授業内容をほぼ完全理解し、応用できる力がある
と認められる
A: 知識社会論について、十分に理解し、修得したと認められる
B: 知識社会論について、その大枠を理解したものと認められる
C: 知識社会論について、最低限の理解は得られたものと認められる
F: 知識社会論について、全く理解がみられない
授業計画
テーマ
内 容
第1回目
第2回目
第3回目
第4回目
第5回目
第6回目
第7回目
第8回目
第9回目
第10回目
第11回目
第12回目
第13回目
第14回目
第15回目

使用テキスト
参考文献
『メノン』、プラトン著、岩波文庫、
『判断力批判』、I. カント著、岩波文庫、
『マンハイム/オルテガ』、K. マンハイム著、中央公論社、1971年
『知識社会学』、徳永恂著、東大出版会、1976年
『監獄の誕生』、ミシェル・フーコー著、新潮社、1977年
『歴史教育・3』、弘文堂、1982年
『教養が国をつくる』、E. D. ハーシュ著、TBSブリタニカ、1989年
『読み書き能力の効用』、リチャード・ホガート著、晶文社、1993年
『社会学の社会学』、ピエール・ブルデュー著、藤原書店、1994年
『読み書き能力のイデオロギーをあばく』、J. E. スタツキー著、勁草書房、1995年
『オリエンタリズム(上巻)』、エドワード・サイード著、平凡社、1996年
『性の歴史(全3巻)』、ミシェル・フーコー著、新潮社、1997年
『言葉と物』、ミシェル・フーコー著、新潮社、1997年
『権力の系譜学』、杉田敦著、岩波書店、1998年
『発情装置』、上野千鶴子著、筑摩書房、1998年
『記憶を書きかえる』、イアン・ハッキング著、早川書房、1998年
『日常世界の構成』バーガー=ルックマン著、新曜社、2000年
成績評価方法
毎回の授業後、感想、意見を書くリアクションペーパーの提出(=出席に換算)30%、中間テスト35%、期末レポート35%
更新日:02/12/2003

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