第1回目 | 1.概要と進め方
企業価値評価法を学ぶ。視点は2つ。①最近価値評価法として注目されつつあるDCF法(割引現在価値法)の手法を身につける。②企業の価値評価(valuation)は何のために行うのかという目的を議論する。①はHow To の問題であり、②は企業評価を行う前提となる公共性(publicity)の問題となる。アメリカにおいて不正会計問題が惹起し、会計学、財務論がこれに対して無力であったのは議論が①に偏重していることに由来すると考えられる。この100年ほどの歴史的スパンで観るならば、これからは①、②のバランスの取れた視点が必要となる。①についてはテキストに沿った学生の報告によって進め、②については最近の研究成果を披露しながら討議形式で議論を深めていく。
2.DCF法について
DCF(discounted cash flows)法とは将来キャッシュフローを生み出す力を現在価値に割り引いて企業の市場価値を評価する方法である。ここでは設備などの有形資産だけなく、研究開発能力や特許などの無形な知的財産、インタンジブル(intangible)がキャッシュフローを生み出す源泉として注目されつつある。
3.公共性について
価値評価の目的としてこれまで唱えられてきた株主価値の最大化をゴーイング・コンサーン(going concern)―不断に前進する運動体としての企業制度―という視点から見直していく。これは何のために、誰のために価値評価を行うのかという目的を根本的に問い直す作業であり、ここに「価値評価と公共性」という歴史哲学的テーマが浮上する。
4.キーワード
価値評価、DCF法、ゴーイング・コンサーン、公共性、インタンジブル | 左記の内容で各回に担当者を決めプレゼンテーション形式で進めていく |