授業の概要 | ゲルマン人であるアングロ・サクソン人が5世紀中頃に英語をブリテン島に持ちこんでから、英語が文献に登場するまでに約200年の歳月を要した。7世紀の文献に現れたこの頃の英語は古英語と呼ばれ、文法、語彙、スペリング、発音の点で現代英語とは著しく異なっており、むしろ今日のドイツ語と類似点が多々見られる。現代英語の祖先である古英語は、英語の母語者にとっても、また英語を母語としない人たちにとっても外国語のように思われるはずである。英語の歴史は、大きく三つの時代に区分出来る。即ち、屈折語尾により文法関係を表した古英語の時代、徐々に屈折語尾が水平化された中英語の時代、そして屈折語尾の消失に伴い語順が確立されるに到った近代英語の時代に区分出来る。講義の前半では、今日国際語になった英語の歴史及び英語の系譜を概観したいと思う。講義の後半では、古英語から中英語を経て現代英語に到る1300年の歴史を持つ英語の歴史の中で被った史的変化(音変化-母音の変化及び子音の変化)を明らかにすることにより、現代英語の理解を深めたいと思う。 |