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学生と大学

科 目
学生と大学
区 分
コアII生活関連科目群
授業コード
1011150116
開設セメスター
1S2S
曜日・時限
木/56木/56
単位数
2単位
担当者名
大倉 健太郎
授業の概要
        本講の目的は、わたしたち自身が「大学」という場を改めて問うことによって、どのような時代や社会に生きているのか、批判的に問うことにある。
         今日、わたしたちの大学に対する認識は様々であり、人によって、大学は単なる一通過点や社会に出る前の「休息」の場であるかもしれない。また、他方には大学を立身出世の足掛かりや、能力/技術を積極的に身につける場とする人たちもいる。すなわち、大学という場は、わたしたちの価値観が交錯している場でもある。言い方を換えるなら、大学とは、価値観の違いが交錯している社会の縮図とも考えられる。そこで、常識的に大学を単なる学習の場として捉えるのではなく、さらに広い視野から、批判的に「大学」という場を問い直していこうとするのがこの講義のテーマである。
授業計画
テーマ
内 容
第1回目
        本講の概説
第2回目
        日本の大学教員とはどのような「商売」か?(1)
                  大学の「仕組み」、大学の授業から成績評価まで、外国との比較や現役大学教授による自己批判を参考にしながら、大学のいまを考える。
第3回目
        日本の大学教員とはどのような「商売」か?(2)
                  学生が「消費者」であり、「顧客」であるという見方を、アメリカの大学の事例を紹介しながら、資本主義社会の中の「大学」教育を紹介していく。
第4回目
        「学生と就職」(1)
                  学生諸君によるプレゼンテーション 
                  大学への進学が常識的になりつつある今日、日本より早く大学進学が大衆化したアメリカで、人々にとって「大卒」がどのような意味を持つのか、「一流」と「三流」はどのように彼らの目に映るのか、考えていく。
第5回目
        「学生と就職」(2)
                  学歴をめぐる個人間の競争を考える。大卒と高卒の「差」に、わたしたちは何を見出すのか、賃金の側面と結婚という側面から、考えていく。
第6回目
        「試験」(1)
                  学生諸君によるプレゼンテーション
                  「試験」とは何か。試験が、何故、「制度化」されたのか。「できる」人間と「できい」人間の区別は、学生の間にみられる「サークル族」と「ダブルスクール族」の区別に関係あるのだろうか、考えてみて欲しい。
第7回目
        「試験」(2)
                  「試験」信仰を支え続ける、日本社会のメカニズムを考える。果たして、試験に代わる制度をわたしたちは生み出せるのだろうか。
第8回目
        中間試験
第9回目
        学生運動(1)
                  学生諸君によるプレゼンテーション
                  いまから数十年前に全国中に巻き起こった学生運動を考える。当時の学生が、なぜ社会運動に関わっていったのか、考えてもらいたい。
第10回目
        学生運動(2)
                  学生と社会との関係を、「学生運動」を通して考える。同時に今日の学生が、どのように社会や政治に関わっているのか(関係していないのか)考えてみたい。アメリカのG. I. Billと大学進学についても参考にしたい。
第11回目
        知識社会(1)
                  学生諸君によるプレゼンテーション
                  知識社会とはなにか、新古典派経済学の理解を超えた社会と大学について考える。知識が商品になるとはどのような事なのか、大学に期待される役割と重ねながら、読んでほしい。
第12回目
        知識社会(2)
                  知識社会の時代を迎えて、大学では何を教えるべきなのか考える。知識の功利性と非功利性についても、言及したい。
第13回目
        大学とは何か(1)
                  学生諸君によるプレゼンテーションと講義
                  大学論の「古典」、J. H. ニューマンの作品を通して、大学とはなにか、問う。知識社会時代にニューマンは何と応えるだろうか、考えてもらいたい。
第14回目
        大学とは何か(2)
第15回目

使用テキスト
『過激派はどこへ行く』、村田幸雄著、エール出版社、1972年
『学歴病患者たち』、J. キーツ著、東大出版会、1975年
『大学の入り口と出口』、天城勲著、サイマル出版会、1981年
『高学歴社会の大学』、M. トロウ著、東大出版会、1983年
『大学で何を学ぶか』、J. H. ニューマン著、大修館書店、1983年
『現代学生気質:敗戦・60年安保・大学紛争・「新人類」』、田口寛治著、
 神戸新聞出版センター、1987年
『現代女性の地位』、袖井・矢野編、勁草書房、1987年
『続 大学教授』、桜井邦朋著、地人書館、1992年
『アメリカの大学・ニッポンの大学』、苅谷剛彦著、玉川大学出版部、
 1992年
『大学から職業へ』、苅谷剛彦著、広島大学大学教育研究センター、
 1995年
『学生消費者の時代』、喜多村和之著、玉川大学出版部、1996年
        『高等教育研究・第4集・大学/知識/市場』、日本高等教育学会編、
         2001年
参考文献
成績評価方法
1. 授業毎の感想と意見の提出(テストを受けるための最低条件)
2. プレゼンテーション(30%)
3. 中間テストと期末レポート(70%)
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