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教育学演習I 人間と思想

科 目
教育学演習I 人間と思想
区 分
教育学科科目群
授業コード
開設セメスター
3S
曜日・時限
木/56
単位数
2単位
担当者名
佐藤隆之
授業の概要
        「社会・人生に対する一定の見解」である「思想」という観点から教育について考えることは、教育の現実や問題に直接アプローチするのではなく、その根底にある原理や概念や思考様式を洞察し再構築することを主たる目的とする。地味で地道な作業が多くなることは否めない。
         しかし、教育思想を学ぶことは、教育の成り立ちや意味(意義)を理解するうえで重要である。それはまた、教育に関わる様々な現象や事件を分析し、問題の所在を明らかにしたり、新しい観方や展望を切り開く、創造的で魅惑的な研究領域でもある。学校・が級崩壊にみる学校教育の正統性や自明性の揺らぎ、少年法の改正にみる「子ども」観の変化など、教育が大きな転換期を迎えているといわれる現在、そのような根源的な問い直しは緊要な課題でもある。
         本講では、一見とりつきにくいが、教育を論ずるうえでの強力な武器となる「思想」という視角から教育を考える基礎を育成することを目的とする。教育学演習の入門であることから、読み書きにくわえて、発表する、レジュメを作成する、ディスカッションをするといったことにも力をいれていく。受講者の発表とディスカッションが授業の中心になる。
         教育学演習Ⅰにおいてはとくに、古典や名著にできるだけ多く目を通し、そこから学ぶ意義と方法を習得することに主眼をおく。原点(英語文献)を原語で読みこなすことにも挑戦する。
授業計画
テーマ
内 容
第1回目
        オリエンテーション
                  授業の目的、進め方などについて
第2回目
        発表とディスカッション-古典・名著に学び転換期の教育を考える
                  プラトン『メノン』、エリクソン『幼児期と社会』
第3回目
                  ブルデュー=パスロン『再生産論』、フレイレ『被抑圧者の教育学』
第4回目
                  ヴィゴツキー『思考と原語』、シュタイナー『教育の根底を支える精神的心意的な諸力』
第5回目
                  イリイチ『生きる思想』、ノディングズ『ケアリング』
第6回目
                  ハミルトン『学校教育の理論に向けて』、コメニウス『大教授学』
第7回目
                  フレネ『フランスの現代学校』、野村芳兵衛『新教育に於ける学級経営』
第8回目
                  アリエス『<子ども>の誕生』、ルソー『エミール』
第9回目
                  デュルケーム『教育と社会学』、ポストマン『子どもはもういない』
第10回目
                  国際連合『子どもの権利条約』、藤田英典『市民社会と教育』
第11回目
        英語文献講読-原点を読みこなす
                  Kilpatrick, William H., "Subject Matter and the Educative Process"の読解。(「教材」・「学ぶ」について
第12回目
                  Kilpatrick, William H., "Subject Matter and the Educative Process"の読解。(「教える」・「カリキュラム」について
第13回目
                  Kilpatrick, William H., "Subject Matter and the Educative Process"の読解。(「教科書」・「教育」について
第14回目
第15回目
        総括
                  学習の整理

使用テキスト
佐藤学『教育本44-転換期の教育を考える』平凡社、2001年、2000円
参考文献
小沢他編著『教育思想史』有斐閣、1993年
          関川・北野『教育思想のルーツを求めて-近代教育論の展開と課題-』啓明出版, 2001年
成績評価方法
発表と提出物40%、レポート60%
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