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現代思想

科 目
現代思想
区 分
教養科発展科目群
授業コード
28217
開設セメスター
4S
曜日・時限
水/12
単位数
2単位
担当者名
中川 明博
授業の概要
J.S.ミルの『自由論』を読みながら、社会的な意味での自由について考える。個人の行為に対して社会が刑罰をもって干渉してよいのは他者に危害を与えるような行為のみであって、そうでない限り個人の行為は絶対に自由であるという「他者危害の原則」を提示したのがミルである。われわれの常識ともなっているこの原則はなぜ正当と言えるのか。ミルの考え方の道筋をその背景から追跡することによって、われわれの自由を支えている根拠について考えてみたい。
授業計画
テーマ
内 容
第1回目
授業の概要
内容:授業のテーマ、授業の進め方、その他について。
なぜ労働と余暇の意味を問うのか?
第2回目
J.S.ミルの功利主義
ミルの立場である功利主義の考え方を紹介する。
第3回目
判断能力について(1)自由は理性的な判断能力を持つ者にのみ認められるのはなぜか
第4回目
判断能力について(2)判断能力の有無を誰がどのようにして判定するのか
第5回目
自己所有について(1)ひとが自由に処分してよい自分所有物には何があるのか
第6回目
自己所有について(2)自分のものと言える根拠は何か
第7回目
他者危害の原則(1)他者に関わる行為――個人に対する社会の干渉が正当な場合
第8回目
他者危害の原則(2)自己に関わる行為――個人に対する社会の干渉が不当な場合
第9回目
愚行(1)他人に影響を与えないが愚かしい行為をする自由
第10回目
愚行(2)愚行者に対する態度
第11回目
自己決定(1)自分で自分の行為を決定する自由の根拠
第12回目
自己決定(2)自己決定とパターナリズムの問題
第13回目
まとめ(1)ミルの自明の前提
第14回目
まとめ(2)自由vs自由の刑
第15回目
まとめ(3)ミルと日本  

使用テキスト
J.S.ミル『自由論』(岩波文庫または「世界の名著38ベンサム・ミル」)。また適宜プリントを配布する。
参考文献
小泉仰『ミルの世界』講談社学術文庫、昭和63年。大庭健・鷲田清一編『所有のエチカ』ナカニシヤ出版、2000年。
成績評価方法
学期末のレポートによる。
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