授業の概要 | 【授業の概要】
通常の講義スタイルから離れ、より自由な立場から農学についても考えてみようという趣旨で開講されている科目です。本講義は、1つの基本テーマをもとに複数の教員によりリレー講義を行い、より広くまた多方面からのアプローチができるように工夫されています。今年度の基本テーマは「今、再び農学を考える」です。これまでの農業はどうであったか、それが今日の農業にどのように影響してきたかを理解することが、これから迎える新世紀の農業の方向性やあり方を模索する上で重要になると思います。農学科と付属農場の教員が以下の内容で各2回(50分×2時限×2回)を担当します。
【授業の計画】
バイオテクノロジーと農業:露木 美英(育種学研究室)
近年めざましく発展した遺伝子組み換え作物を中心に、従来のオールドバイテクも含めたバイオテクノロジーの農業との関わりについて、現状と今後の展望をみる。
農業博物誌:小原 廣幸(付属農場)
農業の起源から現代に至るまでの農業技術の進歩の事例をできるだけたくさん紹介する。農業に対する先人の努力や工夫を考え、新しい農業の展開を考える時の参考にする。
もう一度我々の食糧事情を見直そう:久保田 義正(畜産学研究室)
21世紀は「食糧危機の世紀」ともいわれている。人口増加などによる食糧の需要が増す一方で、地球規模で進行する砂漠化等による食糧の供給を困難にする要因が増加している。ここでもう一度日本の食糧事情を分析してみる。
森林と農業の関わりと歩み:杉本 和永(林学研究室)
過去から現代までの国内での農業と森林の関係に触れ、森林と農業が一体で歩んできた過程や現在の両者の現状と問題点や環境とのかねあいについて触れ、今後の方向性について考えていく。
農業にかかわるミツバチの役割:吉田 忠晴(ミツバチ科学研究施設)
ミツバチはハチミツを始めとする多様な生産物を我々に与えてくれるが、そのほかの機能として花粉媒介やポリネーションを行って、農業生産を高めてくれる。この花粉媒介について、ミツバチ以外のハナバチを含めて解説する。
有用な生物資源を活用しよう:田淵 俊人(園芸学研究室)
野生の植物を採集して生活していた時代、改良の時代について、その利用価値を最新のデータで紹介し、これからの農業に生かしていく意義について解説する。 |