授業の概要 |
第一次世界大戦後、ヴェルサイユ条約により、巨額の戦争賠償金や大幅な軍備制限などを課された敗戦国ドイツは、まず何よりも、同条約の修正を手にすることを最大の外交課題に据えていた。1920年代には、シュトレーゼマン外相は、他国との交渉によってこの目的を達成しようとする穏健な外交路線をとっていた。しかしその後、世界恐慌(1929年)を境にして急速に台頭してきたヒトラー率いるナチス党は、この条約修正を武力に訴えてでも実現しようと目論んでいた。本講義では、激動する戦間期のヨーロッパ政治史を、とりわけドイツの動きを中心に見ていくことにする。
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