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現代科学論

科 目
現代科学論
区 分
幼児教育科共通科目群
授業番号
8427
開設セメスター
2S
曜日・時限
金234
単位数
3単位
担当者名
玉川 輝明
授業の概要
      「われわれはどのような医療を選びとっていくべきか」
    諸君の多くは健康に不安がなく、毎日楽しい学生生活をおくっているわけですが、ひとたび病気になれば医療とのおつきあいが始まります。現代医療では、旧来のパターナリスティック(父権的、医師主導的)な患者・医師関係が、悪しきものとして葬り去られようとしています。これは「バイオエシックス」、「患者の件理」、「医療不信」、「医事紛争」といった現代医療をめぐるキーワードを持ち出すまでもなく、医療の極論な専門化、高度化の状況から当然の結果として起きてきた出来事といってもいいのではないでしょうか。
    このような状況下では、患者さんは医師によって提供される医療情報に基づいて、自分が受けるべき医療を自分の責任で選びとることを余儀なくされることになります。医師の側は、これまでのような全能者ではなく、医療技術者、医療情報の提供者、さらにいえば患者さんをめぐる全体状況における利害調整者としての役割を、あるいはこのような役割のみを果たすように求められているように見えます。
    ここでは、現代医療技術というものを正しく理解し、批判する力を養うことを目的として、議論をすすめていきたいと考えています。
授業計画
テー
内 容
第1回目
    1.バイオエシックス
        1.1バイオエシックスとはなにか
第2回目
        1.2インフォームド・コンセントと自己決定権
第3回目
        1.3自己決定と自己責任
第4回目
        1.4患者さんと医療者の関係論
第5回目
        1.5医療の公平性とはなにか
第6回目
        1.6優生思想とはなにか
第7回目
    2.現代医療とはなにか
        2.1現代医療、高度先進医療
第8回目
        2.2遺伝子操作と遺伝子治療
第9回目
        2.3出生前診断
第10回目
        2.4脳死と臓器移植
第11回目
        2.5臨床医学と科学
第12回目
    3.われわれはどのような医療を選びとっていくべきか
        3.1「密室医療」、「スパゲテイー状態」の意味
第13回目
        3.2生命の質 (Quality of life)
第14回目
        3.3安楽死と尊厳死
第15回目
        3.4高齢化社会におけるQOLとは

使用テキスト
先端医療革命/米本昌平/中央公論社(中公新書) \680
参考文献
授業時に紹介
成績評価方法
レポート80%
    授業への参加度20%
履修条件等
現代医療について考える目的を持つ方には、ほかのセメスタで「現代社会論(脳死と臓器移植)」の履修をおすすめします。
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