授業の概要 | ゲノム・プロジェクトにより,すでに数種の生物の全塩基配列が決定されている。しかし,生物の設計図であるゲノム情報を得ただけでは,生命現象を理解したことにはならない。設計図から正しく製品が作られなければ生命は維持されないからであり,その過程を探ることはポスト・ゲノム時代における生物学の主要課題の一つである。本講義では,遺伝子からタンパク質ができる過程とその調節機構の全体像を分子レベルで理解することを目的とする。具体的には調節機構の中心的なステップである遺伝子発現制御について,最先端の情報をまじえながら以下の内容を解説する。
1)遺伝子の構造と機能
2)転写・翻訳のメカニズムとその調節因子
3)転写調節の分子機構
4)エピジェネティックな転写制御
5)個体発生と遺伝子発現
6)データベースの利用と遺伝子機能の解析法 |