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教育哲学研究I

科目
教育哲学研究I
区分
教育学専攻
授業コード
開講期
曜日・時限
集中
単位数
2単位
担当者名
高橋 勝
授業の概要
人間形成において「経験」とはいかなる意味を有するのかを、ドイツの教育人間学の近年の成果を紹介しながら、説明する。とくに「力の増強」としての経験と「他者の受容」としての経験の違いを詳細に説明しながら、現象学とプラグマティズムの経験の意味の違いを浮かび上がらせたい。これは、子どもの社会的経験、ボランティア活動、総合的な学習、生活科などの内容をどう考えるかの基礎的作業ともなるものである。
到達目標
経験、他者、異文化、出会い、関わり合い、自己変成(メタモルフォーゼ)などの教育人間学のキーワードを駆使して、子ども、青年、そして大人の自己形成(=物語形成)のプロセスを説明できる力を身に付けさせる。
授業計画
テーマ
内容
第1回目
人間形成と経験 人間形成において経験とはいかなる意味を有するのか。現代の教育哲学から、この問題にアプローチする。
第2回目
現象学とプラグマティズム 現象学とプラグマティズムという現代の教育哲学の2大潮流が、なぜ「経験」をキーワードにしたのかを考える。
第3回目
経験1― 問題解決としての経験 プラグマティズムにおける経験の意味
第4回目
経験2― 他者と出会う経験 現象学における経験の意味
第5回目
J.デューイにおける経験  科学的実験としての経験
第6回目
A.ゲーレンにおける経験  負担軽減としての経験
第7回目
E.フッサールにおける経験 1 言語化される以前の純粋経験
第8回目
M.ハイデガーにおける経験 存在が顕わになる経験
第9回目
〈異界への旅〉としての経験相互主観的に構築された「この現実」の彼方にある「もう一つの現実」と出会う経験
第10回目
経験と体験「経験」と「体験」の意味の違いを考察する。
第11回目
異文化と出会う経験他者、異文化、異世界と出会うことの人間形成的意味を考える。
第12回目
経験のメタモルフォーゼ人が、様々な意味での外部と出会う経験を通して、自己変成を遂げていくプロセスを解読する。
第13回目
子どもの自己形成空間子どもの成長にとって重要な経験世界とは何かを考える。
第14回目
経験の空間としての学校子どもが、文化、他者、未知の世界と出会い、かかわり合う「経験の空間」として、学校を捉え直す。
第15回目
まとめ

使用テキスト
高橋勝『経験のメタモルフォーゼ ――〈自己変成〉の教育人間学』(勁草書房)
参考文献
Ch.ヴルフ(高橋勝監訳)『教育人間学入門』玉川大学出版部。 
高橋勝『文化変容のなかの子ども』(東信堂)/『情報・消費社会と子ども』(明治図書)
成績評価方法
出席率とレポートによって、総合評価する。

更新日:01/06/2008
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