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知能デバイスシミュレーション

科目
知能デバイスシミュレーション
区分
電子情報工学専攻
授業コード
42316
開講期
曜日・時限
春 木/12
単位数
2単位
担当者名
月岡 邦夫
授業の概要
 現代のエレクトロニクスの主役は,いうまでもなく,SiやGaAs等の半導体を素材とする電子デバイスである。これらのデバイスの性能は,半導体結晶内の電子が外部から印加した電界や磁界及び半導体結晶内部の散乱ポテンシャルに対してどういう反応を示すかによって決まる。つまり,半導体内でのキャリアの運動状態によってデバイスの基本性能が制限される訳である。従って,半導体内でのキャリアの輸送現象の研究は,地味であるが,エレクトロニクスの土台を支えるという意味で極めて重要である。 この分野では,最近,コンピュータシミュレーションによって,実際にデバイスを作ることなくその基本性能を評価する技術が発達している。本講義では,代表的なシミュレーション技法の一つである,モンテカルロ法についてその基本概念を平易に解説する。
到達目標
半導体におけるキャリア伝導についての基礎概念,および乱数を用いたシミュレーション技法(モンテカルロ法)について一定の理解ができていればば,「B]評価とする.
授業計画
テーマ
内容
第1回目
結晶格子と結晶構造 ブラベー格子
主要半導体の結晶格子
結晶構造
主要半導体の結晶構造:
ダイヤモンド構造,閃亜鉛鉱型構造
第2回目
周期場中の電子運動とエネルギーバンド 周期場中の電子運動
分散関係(エネルギーと波数の関係)
有効質量
放物線バンド近似
第3回目
結晶内の電子とバンド構造 バンドのNonparabolicity
双曲線バンド近似
主要半導体のバンド構造
伝導帯と価電子帯
直接遷移型と間接遷移型
many-valley型バンド構造
第4回目
格子振動とフォノン 格子振動のモード:
縦波と横波,音響モードと光学モード
格子振動波の量子化
第5回目
キャリアの運動方程式 結晶内でのキャリアの運動方程式
真空中の古典的運動方程式との類似点および相違点
第6回目
キャリア散乱の理論 散乱の量子論
ボルン近似
第7回目
キャリア散乱とその原因 不純物散乱
フォノン散乱
キャリアーキャリア散乱
その他の散乱機構
第8回目
中間テストとその解説
第9回目
キャリア伝導現象のモンテカルロシミュレーションモンテカルロ法とは?
1粒子モンテカルロとアンサンブルモンテカルロ
第10回目
1粒子モンテカルロキャリアのドリフト過程の計算
乱数による散乱機構の決定
乱数による散乱後の状態決定
キャリアのドリフト速度の計算
1粒子モンテカルロの長所と欠点
第11回目
アンサンブルモンテカルロ多数のキャリアのシミュレーション
時間変化の追跡
キャリアーキャリア相互作用:分子動力学との併用
第12回目
乱数について乱数とは何か?
乱数の必要性
物理乱数と算術乱数
物理乱数の長所と欠点
算術乱数の長所と欠点 .
第13回目
乱数の発生法物理乱数の発生法
算術乱数の発生法
 平方採中法
 線形合同法
 M系列法
 Mersenne Twister 法 .
第14回目
乱数検定の必要性とその原理良い乱数の条件
乱数検定の原理:カイ2乗検定 .
統計的乱数検定法 頻度検定,多次元頻度検定
連の検定,ギャップ検定ほか .
特定分布に従う乱数の発生 逆関数法
ヒットミス法
ヒットミス法の効率を上げる方法
第15回目
期末試験とその解説

使用テキスト
使用しない.
参考文献
Jacoboni & Lugli: "Monte Carlo Method for Semiconductor Device Simulation"Springer 1989、Computer Simulation Using Particles: Hockney & Eastwood, Adam Hilger 1989、矢部孝ほか:シミュレーション物理学入門,朝倉書店 1989、冨澤一隆:半導体デバイスシミュレーション,コロナ社,1996
成績評価方法
授業への参加度30%,中間レポート30%,期末レポート40%.

更新日:01/15/2007
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